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理事長の姿は、入学式での挨拶や学校紹介のパンフレットでしかお見掛けしたことがないが、月宮先輩の容姿と重なる部分はあまり感じなかったはずだ。
「海棠、追いかけなくていいのか? 時間がないのだろ?」
「あっ、そうだった!」
月宮先輩に言われ、俺は慌てて月宮先輩にお礼を言うために深々とお辞儀をした。
「すみません。弟と妹が騒がしくて……。それじゃあ、先輩。ここまで送ってくださって、本当にありがとうございます。また明日、学校で」
「あ、ああ……」
手を振って見送ってくれる月宮先輩にもう一度お辞儀をしてから、俺は保育園の正門に向かいカードキーを使って中に入った。
駆け足で園庭を抜けていく中、横目で月宮先輩の存在を確認すると、まだ同じ場所に立っていた。
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