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「私のことは気にするな。それより……。いや、なんでもない……」
何かを言いかけた月宮先輩だったが、まるで何事もなかったように、双子に手を引かれて立ち上がった。
「それじゃあ、お言葉に甘えて……」
俺は双子を月宮先輩に任せ、急ぎ足でキッチンに向かうと、洗って畳んでおいたエプロンを身に着けた。
(俺は一体、月宮先輩に何を求めようとしてたんだ……)
月宮先輩の突拍子もない行動に感化されてか、思わず心の奥底にしまい込んで蓋をしている感情が、一気に溢れそうになったことを後悔する。
この感情は家族でも友達でも、ましてや昨日話したばかりの人に曝け出していい感情ではないと、自分でも分かっていた。
(分かってる。分かってるけど……)
俺は食器棚を開けて、来客者用のコーヒーカップとソーサーを取り出しながら、またそっと溜め息をついた。
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