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初志貫徹!騎士団事務官試験を突破!!

 念願通り、私は公務員試験に受かった!!

 しかも、女性に最も人気で倍率も高い、騎士団付き事務官だ。


 良かったぁ~。中等部から頑張ってガリ勉しておいて。

 苦節6年、今年卒業の魔術専科3年生。21歳になりました。ううっっっ。


 面接官の各騎士団の団長の圧凄かった。

 ほとんど試験受けてたの女性だったよね。

 あらためて人気職だったのね。

 ただただ、間近で筋肉拝んで妄想したい女が合格して申し訳ない。

 しかし、そのために中等部から勉強してたのも確か。

 文句を言われる筋合いはないのだ。


 合格通知もらって震えたよ。

 あぁ、一安心。これで心置きなく趣味(BL&妄想)に没頭出来る。



 ローザに報告しなくちゃ。

 試験突破までお預けしてたからな。

 彼女にも寂しい思いをさせていたし。


 そのローザは王都のJ.Sに就職が決まった。

 オシャレが大好きなローザは特にJ.Sが大好きで、憧れのJ.Sで働くのが夢だった。

 面接試験はテーマに沿ったプレゼンだったらしく、彼女の熱い思いが面接官に届いたようだ。


 私たち二人とも、念願叶って無事就職先が決まったからお祝いしよう。

 早速彼女に連絡をとった。



 ***


「「乾杯っっっ!!」」


 ローザとビールで乾杯する。

 ここは私たちの行きつけのお店「グロリア亭」。

 オーナーご夫婦が二人でやってるこじんまりとしたレストランだ。

 こちらの好みを言って、ママさんの完全お任せで出してくる料理が素晴らしい。

 だから、メニューを見た事がない。

 しかも安くて美味しい。

 ちょっとした裏路地にある大人の隠れ家的なお店なのだ。


「プッハ~。染みるねぇ~」

「もう、やだミランダ、オヤジくさい」

「だって、やっと試験突破したんだよ!さよならガリ勉の日々」

「でもさ~、騎士団の事務官だから、大変なんじゃない?」

「だろうね。でも良いの。安定バンザイ!」

「良い人いたら紹介してよ」

「ふんっ!恋愛に興味がないんだから、当てにしないで」


 バッサリと切り捨てる。


「そうだった。ミランダ昔からモテるのに勿体無い」

「私は一生安定の仕事しながら趣味に生きるの」


 父に似て割と容姿に恵まれていた私は、男性に告白されたり、デートに誘われたりする事があった。

 一度も応じた事はないけど。 


 公務員になるため、日夜勉強に励み、それ以外は趣味(BL)に費やしていたから、男性を相手にしている時間など無かった。

 だって、興味無いもの。現実の男性に。


 はぁぁぁ、でも、4月からは騎士団の事務官。

 どこに配属かな?第一、第二、第三、どれでもイイな。

 ジュル、あ、いかん、ヨダレが・・・


「もう、帰ってきてよミランダ~」

「あ、ごめん。騎士団のどこに配属かなって」

「第二隊にはグラント先輩いるんだよね」

「今、副隊長だっけかな?」

「一度だけ間近で見たよね、中等部の時」

「そうだったね。あれ以降は見てないけどね」


 チーズをひとかけポイっと口に入れた。

 あ、美味しい。


 あれから実は大変だった。

 サボりまくっていた高等部の先輩達は、グラント先輩が図書館に来たと聞いてから、あんた達は受付やんなくて良いって、裏で本の修繕や新しく入った本のラベル貼りやら、要は裏方の仕事ばっかりやらされていたのだ。

 あれはあれで楽しかったけどね。

 ローザとワイワイしながら出来たし。


 人気の先輩達が卒業した途端、またサボり出したのだから、なんだかなぁ~って感じだったけど。

 本が好きじゃ無いのに何で図書委員になったんだろ?いまだに謎だ。



「噂で聞いたんだけどさ、グラント先輩、あんたの事探してたらしいよ」

「何でよ。何もしてないわよ、私」

「噂だから、あくまでも」


 やだ怖い。本探したの、余計だったのかな?

 まあ、大分昔の話だし、向こうは忘れてるだろう。


「それより、マリモリ先生の今度の新作良かったね~」

「あんた、騎士団シリーズ大好きだもんね」

「もう大好物!ローザは?」

「僕のおじさまシリーズが最高なのよ」


 ハフゥとため息を漏らすローザ。

 彼女はイケオジが大好きで、特に同じマリモリ先生の『僕のおじさま』というシリーズに出てくる『レオン』というおじさまが大好きなのだ。

 一度校内でクリストファー先輩の父親、レオナルドさんを見て、『あれこそレオン様!!』と大ファンになってしまったらしい。

 確かにあの人は別格だよね。わかるわかる。


 落ち着いた雰囲気で美味しい食事とお酒と、楽しいおしゃべりについつい長居してしまった。


「すみません、長々と」

「良いのよ~。今日はお客さん少なくて、たくさん頼んでくれて良かったわ」


 ふふふ、と可愛らしく笑ってくれるママさんが大好きだ。


 もう学校は卒業式までお休みだし、残りはのんびり過ごすとするかな。

 試験の時読めなかった子(BL本)達がいっぱいいるしね。


 ローザと分かれてほろ酔い気分で家路に向かった。



アルファポリスにて連載完了しております。

他シリーズも投稿しておりますので、ご興味がありましたら読んでいただけると嬉しいです。

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