キミがいた夏
キミの手のひら、ギュッと握って
駆け出したんだ、逃げ出すように
今日はどこ行こう、ボクら二人で
まだ色あせない、夏空の下
都会のざわめき、潜り抜けたね
誰もボクらを、捕まえられない
息を切らして、だけど楽しくて
そんなことでも、幸せだった
ケンカしたり、仲直りしたり、
キミがそばに、いるだけで
何一つ、欲しいものは無かった
何一つ、寂しいことは無かった
キミがいた夏、ずっと昔のことだけど
二人の写真、セピア色にはまだ早い
キミのために何が出来るかわからないけど
喜ばせたい、笑顔見てたい、それだけだった
ボクら二人で、海の見えるとこ
探したんだね、地図も見ないで
あての無い旅の、気分楽しんで
涼しい列車に、気ままに揺られて
都会のいさかい、遠く離れて
心が軽く、なるようだった
窓の向こうに、広がる海を
見つけてボクら、急いで降りた
砂浜に、飛び出したね
寄せる波に、はしゃいだボクら
何一つ、足りないものは無かった
何一つ、悲しいことは無かった
キミがいた夏、ずっと昔のことだけど
ボクら二人の、消えることは無い想い出
キミのために何が出来たかわからないけど
無邪気でいたい、ドキドキしてたい、それだけだった
キミがいた夏、ずっと昔のことだけど
キミとボクは、あの夏の魔法みたいだ
キミのために何か出来ることがあるならば
忘れたくない、いつまでもずっと、キミが好きだから
(-simplex.269g.net-、2005年7月27公開)
イメージとしては大学生くらいのカップルでしょうかね。
何らかの理由で、今は縁が無くなって、「どうしているのかな?」と思い返しています。
やはり二十歳前後の頃って、人生で最もアグレッシブで、時間もたっぷりあることが多いんじゃないかなと。
行動範囲もぐっと広がりますし、アルバイトをすればそこそこお金も手にしているはずです。
私はそうじゃなかったから、大学時代の出来事って少ないです。
きっとこうだったら良かったのにと、空想しながら書いたのだろうと思います。




