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9話 人助け1

「ダメみたい」

「そんなぁ……」


だらしのない声が出る。

あの後ウッキウキで寝付けず、朝になって一番に街の外に出てみたがどうやら俺には才能がないらしい。


「めっちゃ期待してたのに」

「どんまい」


膝から崩れ落ちる俺にグッと拳を突きつけてくる。

頭がくらっとした。精神的なダメージと寝不足による身体的なダメージのダブルパンチで今にも倒れ込んでしまいそうだ。


「なあアルウ、寒くね?」


底冷えするような寒気が全身を襲った時だった。あの時と同じように足元に魔法陣が浮かび上がった。


「え、これって……」


言い終わる前に転移が完了していた。






「うわ、さむっ!」


転移した場所は猛烈な吹雪に見舞われた山だった。


「え?何これ、俺のせい?」

「たぶん」


隣には一緒に転移したアルウがいた。

寒さに弱いのかすでに鼻水を垂らしていた。


「やばいってこれ。早くなんとかしないと……」


ザクっと音を立てて前に進んだらすぐ何かに躓いた。

危うく転びかけたところをアルウに掴まれる。


「た、助かったよ。ありが……ひっ!!」


躓いたものに視線を向けるとそこには男が倒れていた。

死んでる……?


「たすけて……」

「生きてる!?」


今にも消え入りそうな声で助けを求めてきた。どうやらまだ生きているようだ。

でもどうやって助けたらいいんだ。


「あそこまで……」

「あそこに行けばいいのか?」


男が指す先に仄かに光るものがあった。

弱く頷く男に肩を貸して起こし、足早にその灯りに向かった。

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