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4話 番

「え?」


これは夢か幻か。

助けてもらった少女に告白されるなんてできすぎている。


「いいけど」

「やったぁ」


速攻OKしてしまった。

夢や幻でもいい!できすぎていて怪しくても構わない!

何せ彼女は命の恩人だ!命を拾ったのだから騙されたとしても許容範囲!

そんな言い訳を脳内でしていると、彼女が突然押し倒してきた。


「え?なになに?」

「……」


こんなところでやっちゃうの?青○!?

小さな胸の感触が服越しに伝わり心拍数が一気に跳ね上がる。


「ちょ、ちょ、ちょっとまっ……」


顔を覆いかぶせてくる彼女につい静止の言葉が出てしまう。

違うだろ俺のバカヤロー!

そのまま近づけてくる顔に合わせて俺も……


カプッ


と思っていたら首を噛まれた。

なんだよ。期待して損した。

と思った矢先、鋭い痛みが首筋を襲う。


「いたっ!」


思わず少女を振り払ってしまった。尻餅をついた少女を無視して、首に手を当てる。

触って分かる程の穴が開いていて、血もついていたが出血は止まっていた。

甘噛みというやつだろうか。爬虫類に甘噛みがあるのか知らないが……

それとも番いになるって胃袋に入れって意味?それはできれば勘弁願いたい。


「……」


なんだか気まずくなってしまった。

強く振り払ったつもりはないが、突然のことだったので手加減できなかったかもしれない。

恐る恐る少女の顔を見る。


「あ…」


彼女は大きなその瞳に溢れんばかりの涙を溜めていた。

一瞬で頭が真っ白になってしまった。

どうすればいい?何をすればいいのか分からず開いた口を数回ぱくぱくとさせた。


「ごめん」


彼女の顔を見ていられなくて、一言だけ呟いて抱きしめた。

青空を眺めながら、冷静になった脳内でこれからどうすればいいんだろうと考えていた。

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