表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

2話 連行

顔面に籠手ありのグーパンチをもろにくらい、歯が折れなかった自分を褒めてやりたい。

両手を縛られた俺は衛兵に冤罪でしょっ引かれていた。


「あの!人違いなんですが」


何とか所属の近衛兵だとか言ったこの男に、俺は苛立ちが混じった声で糾弾する。


「ほう、牢の前で鍵を持って立っておきながらよくもそんなことが言えたものだ」

「それは!」


確かにそうだが…

そうだな。誰だってあの状況を見れば、誤った判断をしかねない。それは認めよう。

そして反抗的な態度を取れば尚更、状況は悪化するに決まっている。ここは頭を冷やそう。


冷静になると、今度は羞恥の心が芽生えてくる。

今は夜だ。と言っても石畳の街中を歩く人々は散見される。雰囲気的には、19時、20時ごろと言ったところか。

そんな時間に衛兵に両手を縛られて引っ張られていれば、当然人の目が気になってしまう。

交通違反をして、警察官に切符を切られている気分だ。


「あの、どこに向かっているんですか?」

「まずは詰所だ。その後は投獄だな」

「投獄って……」


今度は俺が入るのか。

地下牢での獣人たちが脳裏を過ぎる。


「それでその、無許可奴隷取引ってどれだけ重い罪なんですか?」

「まあ大したもんじゃねぇ」


そうなのか。一安心だ。


「斬首刑だけで済む」

「大したことあるだろ」

「あ?じゃあ鋸挽とか火刑とかがいいか?」

「刑罰の種類も大事だけどそういうことじゃねぇよ」

「うるせえ奴だな。黙って歩け」


縄で縛られた手を急に引っ張られ転びそうになる。

こんな軽い扱いなのに即、死刑の大罪なのか。

実感ないな。

小粋な冗談だよね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ