チャーハンっておいしいし比較的手軽に作れておいしいよね
七柱の神が宿った純白の粒は、鉄の器の上に雑多に積み上げられ、ジワジワと残酷なほどの寒さの中で瑞々しさを奪い取る。
たった一つの命から生まれた無数の命の中の一つは、芽吹くことは無い。
芽吹かぬ命を守る外壁は、無残にも叩きつけられて二つに割れた。
外壁が守るはずだった、芽吹くことのない命は、生まれる前に煮えたぎる油の中へ堕とされる。
七柱の神が宿った純白の粒は、煮えたぎる油によって歪に広がった生まれることの無い命の上へと衝突し、攪拌され、焼かれ、純白は少しずつくすみ始める。
ぶつ切りにされた家畜の肉を混ぜ込まれ、神の宿りし粒は欲望の対象にまで貶められた。
土に芽吹いた緑は微塵になるまで刃を受け、それらを彩るためだけにちりばめられる。
黒い水によって変色したそれらは、かつて七柱の神が宿った純白の粒があった鉄の器へと転落した。
それらには掬われ、食まれ、飲み込まれる運命に、逆らうことは許されない。
―中二病が作るチャーハンのレシピより抜粋―
七柱の神が宿った純白の粒→白米
鉄の器→お茶碗
たった一つの命から……芽吹かぬ命→鶏卵
外壁→卵の殻
ぶつ切りにされた家畜の肉→チャーシュー
土に芽吹いた緑→ネギ
黒い水→醤油