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ショートショート9月~

ねむれない

作者: たかさば
掲載日:2020/09/15



・・・眠れない。

・・・まったく眠れない。

・・・まったくもって、眠れる気配すら感じない。


・・・ざわついている。


目を閉じると、おかしなうねりが目の前に広がっている。

目を閉じると、おかしなさざなみが目の前で広がっている。

目を閉じると、おかしな幾何学模様が目の前で広がっている。


・・・目を、閉じているというのに。


確かに目を閉じている、・・・何も見えないはずだ。

確かに目を閉じている、・・・明るさを感じないはずだ。


おかしなことだ、光を感じている。

おかしなことだ、めまぐるしさを感じている。

おかしなことだ、何かを、確かに、知覚している。


・・・眠れない。


ベッドに入る前、確かに私のまぶたは重くなった。

ベッドに入る前、確かに私はあくびをしていた。

ベッドに入る前、確かに私は、枕を恋しく思った。


・・・てんで眠れないのだ。


ベッドに入って天井と対峙し、目を閉じた私。

ベッドに入って天井と向かい合い、目を閉じている私。


目を閉じたまま、重力のかかった背中を・・・開放してみる。

目を閉じたまま、体の右側に・・・重力がかかる。

ごろり、ごろりと、重力を変えながら、ますます落ち着きをなくしていく。


・・・体の向きを変えたところで、眠れはしないのだ。


明かりのない部屋の中、目を閉じる私が感じているのは・・・あかるさ。


ただ、ただ・・・光を感じている、脳の感覚。


暗闇の中、目は何一つ事象を捉えてはいないというのに。


脳は何かを知覚し、私をいつまでも覚醒させている。

脳は何かを知覚し、私をいつまでも覚醒させ続けようとしている。


・・・眠れない時間が過ぎてゆく。


暗く、光のない部屋で、明るさを感じながら。

暗く、視覚のない部屋の中で、めまぐるしさを感じながら。


・・・いつになったら、このまぶしさは落ち着くのだろう。


閉じていた目を開く。


確かに、目の前には、暗い部屋の画像が広がっている。

この部屋は、確かに・・・暗いのだ。


枕もとのスマホを手に取り、電源を入れる。


暗い部屋の中に、明るいスマホの画面が光る。


確かに、目の前には、明るいスマホの画面が広がっている。

このスマホは、確かに・・・明るいのだ。


私は、正常な視覚を取り戻すことに成功した。

・・・脳の暴走を止めることに成功したのだ。


今、私は、明るい光を目にして、明るいと知覚しているのだ。


だから、大丈夫。

だから、大丈夫。

だから・・・大丈夫。


スマホの画面を光らせたまま、目を閉じる。


目を閉じても感じる、明るい光の・・・影。


明るいから、目を閉じても・・・その光はまぶたを突き抜けてくるのだ。


私が今感じているのは、確かに現実のまぶしさ。


・・・安心感が私を包み込む。


私は、明るさを感じつつ・・・いつの間にか、眠りに落ちた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 翌日に何かあると、ねれないですよね。わかります。 この間は久しぶりの学会発表で、前日寝れなかったですよ。緊張してない様でもね、してるんですよ。
[良い点] 分かる! 前半は分かる。 [気になる点] スマホの電源入れるの分かる。 [一言] 後半なんじゃい! 未経験ですぞ
2020/09/15 20:22 退会済み
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