♥ 賢者の石 VS 妖精少女
魔法陣が消えてしまった後、漸くにゅいは動けるようになった。
その直ぐ後、1階に居たフィンフィレイナが宿泊室へ戻って来た。
ドアを閉めたフィンフィレイナは、室内を見回す。
フィンフィレイナ
「 あら?
セロ様は??
一寸にゅい、セロ様は何処に行かれたの?
序でにアンタがお熱の馬鹿マオも何処に行ったのよ?? 」
人間の姿をしたフィンフィレイナは、にゅいに随分な事を言う。
賢者の石:にゅい
「 にゅぃぃぃいいいいいっ!!!! 」
にゅいはフィンフィレイナへ八つ当たりをする事にした。
怒りの全てを掻き集めたにゅいは、一升炊きの炊飯器程の大きさになった。
そのままにゅいは全力でフィンフィレイナに向かってジャンプをすると、フィンフィレイナに体当たりした。
フィンフィレイナ
「 ──ぃだっ?!
ちょっ……急に何すんのよっ!!
痛いじゃないのよっ!! 」
いきなり体当たりをかまして来たにゅいに文句を言う。
賢者の石:にゅい
「 にゅいーーーー!! 」
フィンフィレイナ
「 ──いだっ!!
止めなさいよっ!
馬鹿ッ!!
何なのよっ!! 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい!!
にゅ〜〜〜〜いっ!! 」
にゅいは何度もジャンプをしては、フィンフィレイナに体当たりをして行き場のない怒りを発散させる。
これには流石のフィンフィレイナもキレた。
人間の姿から本来の妖精の姿に戻ったフィンフィレイナは、召喚魔法を発動させる。
フィンフィレイナが初めに召喚した霊獣は精霊獣だ。
魔法陣から雷属性の精霊獣が出現した。
小型犬のちわわん程の大きさの精霊獣は、ぽってりとして、ふっさふさのもっふもふの外見をしている。
思わず抱っこして、もふもふしたくなる衝動に駆られる外見である為、見ただけでは全く強そうには見えず、凄そうにも見えない。
体には紫色の光がパリパリと音を立てて走っている。
フィンフィレイナ
「 ヴォルちゃん、あの生意気なゼリースライムをギッタンギッタンのバッコンバッコンのメッタンメッタンにしてやんなさいっ!!
行っけぇ〜〜〜〜!!!! 」
フィンフィレイナは忌々しいにゅいへ人差し指をビシッと指すと、精霊獣の上をクルッと回った。
フィンフィレイナの虹色の羽から落ちる美しい光は妖精の粉だ。
妖精の粉が精霊獣に降り掛かると精霊獣の様子が激変した。
妖精の粉でパワーアップした精霊獣は、急激に巨大化した。
先程までの愛くるしい姿は何処へやら、獰猛でムキムキの怪物も逃げ出してしまう程の貫禄を醸し出している逞しい精霊獣に変化していた。
然し、姿が変わったからといってにゅいは精霊獣に臆したりしない。
にゅいは喰べれない霊獣は嫌いだ。
霊獣を迎え撃つ気満々のにゅいは巨大化した。
狭い宿泊室の中で再び、にゅいと霊獣のドンパチが始まった。
フィンフィレイナはにゅいに対して容赦無く次々に精霊獣を召喚し続ける。
単体攻撃を主とする16属性の精霊獣を召喚しきったフィンフィレイナは、全体攻撃を主とする聖霊獣の召喚を始めた。
にゅいは16属性の精霊獣を相手にして奮闘している。
そんな事等お構いなしに16属性の聖霊獣を召喚し終わる。
にゅいは体の大きさを自在に変えながら、精霊獣と聖霊獣の攻撃を華麗にかわす。
にゅいは攻撃をかわすだけで、精霊獣,聖霊獣に攻撃はしない。
精霊獣,聖霊獣に対してにゅいの体当たりはダメージ0だからだ。
妖精族が召喚した霊獣には、物理攻撃をしても一切効果がないのである。
ならば物理攻撃でなければ良いかと言えば、そうでもない。
妖精族が召喚した霊獣は、あらゆる攻撃を無効化してしまう。
それは召喚されたからではなく妖精の粉の効果だ。
フィンフィレイナがその気になれば、フィンフィレイナだけで≪ エルゼシア大陸 ≫を滅ぼす事等容易いのである。
一体の小さな妖精に対して≪ エルゼシア大陸 ≫に暮らす陸民達は何も出来ない。
宿泊室での大乱闘はマオとセロフィートが帰って来る迄の続くのだった。
◎ 賢者の石と妖精が、どういう喧嘩をするのか試しに書いてみました。
◎ フィンフィレイナの召喚する霊獣は皆、小型で愛らしい容姿ばかりです。
妖精の粉でパワーアップして巨大化し、外見が変わります。
◎ ぷよぽよしているゼリースライム状のにゅいの体当たり攻撃には、大した攻撃力はないです。
◎ 因みににゅいは創造主へは絶対に体当たりはしません。
創造主の機嫌を損ねると〈 テフ 〉へ変換され兼ねないからです。
◎ マオにも体当たりしません。
体当たりの代わりに、ジャンプをして抱き付きます。
マオには加減をして抱き付きます。
◎ フィンフィレイナに対してだけは、全力で容赦無く、怒りを込めて体当たりします。
マオを馬鹿にしているフィンフィレイナを嫌っています。




