3.超越魔法使いと錬金術師 8
セロフィート
「後でマオにも分かる様に紙芝居で教えましょう。
唯の紙芝居ではないですよ。
絵が動く紙芝居です」
マオ
「絵が動く紙芝居?!
初めてだよ、そんな紙芝居!
楽しみだな〜〜〜」
セロフィート
「楽しみにしててください」
マオ
「うん!
なぁ、セロ。
〈 星騎士 〉と〈 時空勇者 〉に会えたりしないのか?」
セロフィート
「おや?
興味あります?」
マオ
「うん!
だってさ、オレ達が暮らしてる≪ 地球 ≫を〈 星騎士 〉が守ってくれてるんだろ?
≪ 地球 ≫が存在してる宇宙空間ってのを〈 時空勇者 〉が守ってくれてるんだろ?
セロは『 会いたい 』って思わないのか??」
セロフィート
「思いません。
抑、会う事は出来ませんし」
マオ
「そうなのか?
会えないの??」
セロフィート
「己に与えられた役目を全うする事が使命です。
役目に反する事は先ずしません。
何より〈 星騎士 〉も〈 時空勇者 〉も想像以上に多忙ですし…」
マオ
「そう、なんだ…。
一寸残念だな……」
セロフィート
「そうでした。
≪ テンクゥリア ≫と呼ばれる場所で、≪ 大陸 ≫に存在する〈 皇 〉が集まる〈 親睦会 〉が100年に1度開催されます。
〈 皇 〉になると参加する事になります。
其の〈 親睦会 〉で〈 出張 〉をする〈 皇 〉を決めます」
マオ
「そうなの?!
──じゃ、じゃあさ……前世のオレは100年に1度開催される〈 皇 〉の集まる〈 親睦会 〉で〈 出張 〉する事になった──って事??
〈 出張 〉から戻って来る度に〈 皇 〉は人間に生まれ変わるって事になるのか??」
セロフィート
「其は〈 久遠実成 〉がされる事です。
誰にも分かりません」
マオ
「へ、へぇ……。
そういうのも〈 皇 〉になったら思い出すのかな??」
セロフィート
「勿論です。
ワタシが話した事は〈 皇 〉になれば、詳しく思い出せます」
マオ
「うん…」
セロフィート
「もう直ぐ10時になりますね。
昼には未だ2時間あります。
此のまま一眠りします?」
マオ
「う〜ん……。
そうだなぁ〜〜。
≪ ダンジョン ≫に行ってもいいんだけど……。
どうせなら星の付いてる武器を使いたいんだよなぁ〜〜〜」
セロフィート
「其なら《 武器屋 》へ行きましょう」
マオ
「いや、だから……」
セロフィート
「マオ、たった2時間の買い物です。
ね?
行きましょう。
≪ 都 ≫の時の様に2人きりで買い物しましょう」
マオ
「2人きりで買い物かぁ…。
そう言えば、フィンが加わってからは、2人きりで買い物なんてしてないよな……」
セロフィート
「マオ、2時間だけデートしましょう」
マオ
「デ、デデデデ…デート?!」
セロフィート
「ワタシとデートするの、嫌です??」
マオ
「い、嫌な訳ないだろ!!
いいよ!
じゃ、じゃあ、デートしに行っちゃうか??」
セロフィート
「はい♪
行きましょう」
あれだけ《 武器屋 》へは行かないと言っていたマオは、星の付いた武器をセロフィートと買いに行く事にした。
セロフィートの両膝から頭を退けたマオは、上半身を起こし、ベッドから腰を浮かせて立ち上がった。
マオは壁のフックに掛けてあるハンガーから、コートを取ると羽織った。
何が起きるか分からない為、愛刀も装備した。
マオが立ち上がった後、セロフィートもベッドから腰を浮かせて立ち上がった。
壁のフックに掛けてあるハンガーから、セロフィートのコートを取ったマオは、コートをセロフィートへ手渡した。
セロフィート
「有難う、マオ」
マオからコートを受け取ったセロフィートは、コートを羽織りながら〈 古代魔法 〉を発動させた。
床には〈 魔法陣 〉が浮かび上がっている。
セロフィート
「行きましょう、マオ」
セロフィートは右手でマオの左手を握る。
何時の間にかセロフィートの左手には杖が握られている。
先程迄は、確かに壁の隅に立て掛けてあった筈だ。
然し、マオは其に関しては何も言わなかった。
今のマオは、明らかに落ち込んでいる〈 にゅい 〉に心を痛めていたからだ。
マオ
「〈 にゅい 〉…御免な。
2時間だけだから。
留守番しててくれよな」
にゅい
「にゅい〜〜…」
マオ
「フィンが居るし、寂しくないからさ」
にゅい
「にゅ、にゅぃぃいいい……」
マオ
「〈 にゅい 〉…いい子だから、な?」
〈 魔法陣 〉の中に入った〈 にゅい 〉は駄駄をこねる様にマオの足に絡み付くが、セロフィートに掴まれると、呆気なく引き剥がされてしまった。
セロフィート
「『 待て 』です、〈 にゅい 〉。
マオとワタシが消える迄は動いてはいけません。
良いですね」
セロフィートから『 待て 』と言われてしまった〈 にゅい 〉はベッドの上から動けない。
にゅい
「にゅい〜〜〜〜…」
〈 賢者の石 〉には目等付いていないのだが、マオを見詰めながら、悲しそうに鳴くしか今の〈 にゅい 〉には出来なかった。
マオが〈 にゅい 〉に向かって手を振っている。
〈 魔法陣 〉と共にセロフィートとマオの姿が消えた。
◎ セロフィートの「 デートしましょう 」の言葉にコロッと釣られてしまったチョロいんちゃん( マオ )は≪ 街 ≫を出て《 武器屋 》へ行く事に──。
◎ 因みにセロフィートが〈 魔法陣 〉の中にしまっている使わない武器の中には、星の付いた武器はありませんでした。
先代の人形達は、星の武器に興味がなかったようです。




