3.超越魔法使いと錬金術師 5
セロフィート
「『 とある目的を果たす為だけ 』にです。
其の目的とは、≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 真の持ち主 〉を見付け出し、大罪人として処刑し、此の世から≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 真の持ち主 〉を葬り去る事です」
マオ
「──え゛?!
オレ、処刑されちゃうの??
マジで??」
セロフィート
「事実です。
ですから、〈 精霊騎士団 〉に、マオが〈 皇 〉となるべく≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 真の持ち主 〉である事を決して知られてはなりません。
勿論、クリキッスチタルさんにもです」
マオ
「そ…そりゃ、オレから人に言う事はないけどさ……。
クリキッスチタルさん、良さそうな人なのに……」
セロフィート
「仕方無いのです。
本人が望まなくても、〈 精霊騎士団 〉に所属している身。
況してや〈 光剣騎士団 〉の〈 光騎総団長 〉という立場である以上、従わざるを得ません。
其は、どの〈 総団長 〉も同じ事です。
一体誰を、何者を処刑の対象とするのかを知らされてはいなくとも、彼等は〈 王命 〉には逆らえません」
マオ
「王命??
〈 王命 〉って何だよ?」
セロフィート
「魂を言霊の鎖で縛るのが〈 王命 〉です。
どんなに本人が頭,心,意思で拒もうとも、体は〈 王命 〉に逆らえません。
自分が望まなくても、強制的に〈 王命 〉に従わざるを得ない呪いの様なものです」
マオ
「呪い??」
セロフィート
「〈 精霊騎士団 〉其のものが3代目〈 国王 〉の〈 王命 〉に縛られています。
此の〈 王命 〉から解放される唯一の方法は、自ら命を絶つ事です」
マオ
「え??
自分で自分の命を絶つのか?
そんな事が出来るのかよ?」
セロフィート
「出来る筈が無いでしょう。
人間は弱い生き物です。
誰もが自分の命の方が大事です。
自分の命と引き換えにして迄、見ず知らずの≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 真の持ち主 〉を助けよう等とは思いません。
其処迄お人好しではないです」
マオ
「………………だよな…。
〈 精霊騎士団 〉はさ、どんな〈 王命 〉に魂を縛られてるんだ?」
セロフィート
「『 〈 皇 〉となる≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 真の持ち主 〉と出会った場合、直ちに処刑せよ 』的な事でしょうか。
内容は呪いを掛けた本人( 3代目〈 国王 〉)しか知り得ません」
マオ
「………………絶対に知られる訳にはいかないんだな…。
──でもさ、何で3代目〈 国王 〉は〈 真の持ち主 〉に≪ エルゼシア大陸 ≫を返す事を拒んだんだ?」
セロフィート
「さあ?
其についてはワタシも分かりません。
初代〈 国王 〉も2代目〈 国王 〉も〈 真の持ち主 〉へ≪ エルゼシア大陸 ≫を返す気で≪ 大陸 ≫を治めてました。
其は揺るぎない事実です」
マオ
「そうなのか?」
セロフィート
「はい。
初代〈 国王 〉と2代目〈 国王 〉は〈 皇 〉と顔見知りでした。
然し、3代目〈 国王 〉は〈 皇 〉を知りません。
其も原因の1つで反発心が強く出たのかも知れませんね」
マオ
「………………。
なぁ、セロ。
〈 皇 〉は何で≪ エルゼシア大陸 ≫から居なくなったんだ??
もしかして、寿命が来て死んだのか??」
セロフィート
「〈 皇 〉には寿命がないので死にません」
マオ
「えっ??
そうなのか?」
セロフィート
「〈 皇 〉は≪ 大陸 ≫が出現した時、共に生まれます。
生まれた時から〈 皇 〉は≪ 大陸 ≫の〈 持ち主 〉です。
〈 皇 〉は≪ 大陸 ≫の数だけ存在しています。
≪ エルゼシア大陸 ≫の様に〈 皇 〉が不在の≪ 大陸 ≫も存在してます。
≪ 地球 ≫の中心には〈 コア 〉があります。
〈 皇 〉は〈 コア 〉から生まれた子供の様な存在です。
全ての〈 皇 〉は≪ 地球 ≫の〈 コア 〉から生まれた兄弟であり家族です。
≪ 大陸 ≫から〈 皇 〉が不在になる時期は必ず来ます。
≪ 大陸 ≫に依って時期は違いますけど、〈 皇 〉は〈 出張 〉しなければならないのです」
マオ
「しゅ…出張??
〈 出張 〉って何??」
セロフィート
「さあ?
其処迄はワタシも……。
〈 皇 〉が〈 出張 〉をしている間、≪ 大陸 ≫を留守にする事になります。
留守中に≪ 大陸 ≫を誰かに任せなければなりません。
当時の〈 皇 〉が選んだ者が初代〈 エルゼシア国王 〉となりました」
クリッキスチタルに話した内容は、『 〈 特別なマギタ 〉を捕らえる為 』でしたが、マオに話した内容が真実です。
クリッキスチタルが知っている内容は5代前の〈 エルゼシア国王 〉の勅命から始まりました。




