3.超越魔法使いと錬金術師 2
マオ
「いや……、幾ら『 有効活用する 』って言ってもさ、勝手に使ってる訳だしさ……」
セロフィート
「此の程度の事を気にするとは。
マオも未だ未だ、お子ちゃまですね」
マオ
「気にするだろ〜〜〜。
セロには、一寸でもいいから気にしてほしいよ……。
其に『 お子ちゃま 』は関係無いと思うっ!!」
セロフィート
「はいはい。
マオが望むなら、善処はしましょう」
マオ
「( ………………此、する気の無い返事かな……。
セロだもんな〜〜 )
《 食糧庫 》《 貯蔵庫 》にある食材ってさ、セロが〈 テフ( 原質の源 ) 〉を構成させて作ったのか??」
セロフィート
「そうです。
何時でも新鮮な食材を好きなだけ使えます。
調味料も取り揃えてますし、色んな味付けを楽しめます。
料理も楽しく作れますね♪」
マオ
「そだな…」
セロフィートの言葉を聞たマオは、胸を撫で下ろし、安心したのだが、事実はそうではなかった。
勿論、セロフィートが〈 テフ( 原質の源 ) 〉を構成させて作った食材もあるが、全てではない。
氷漬けとなっている≪ 街 ≫中の食材,調味料等を解凍して使っているのが殆どである。
序にセロフィートは金目の物も一緒に拝借していた。
セロフィートは昔からちゃっかりしているのだ。
其の為、≪ 街 ≫が300年後に自然解凍し、人間が足を踏み入れたとしても、≪ 街 ≫には金目の物が一切ない廃墟と化している──という事になる。
因みに、セロフィートは其の事実をマオに教える気は更更無く、ちゃっかり手に入れた金目の物は、既に全てを硬貨へ変換してしまっていた。
≪ 街 ≫でタダ同然に手に入れた収入は、≪ ダンジョン ≫でクエストを解決させた報酬として、マオ専用の財布へ加算されていくのである。
此の事実をマオが知れば、必ず怒って噛み付いて来る事は、セロフィートにも分かっているが、敢えて教えない様にしていた。
収入の一切無いマオに、自由に使えるお小遣いをあげたいと思うのは、保護者として預かっている立場から来る兄心なのだろうか。
毎日、楽しませてくれるマオへの感謝の気持ちの現れなのかも知れない。
マオ
「あ〜あ……。
本当だったらさ、今日はセロと《 武器屋 》へ行ってたんだよな〜〜〜。
星3つの剣を探して買う予定だったのにさ……。
何でこんな事になっちゃったのかな……」
セロフィート
「ワタシに〈 元素魔法 〉を使わせたからです」
マオ
「えっ?!
オレが悪いの?!」
セロフィート
「おや?
自覚無いです?」
マオ
「オレが原因??
オレの所為なのか?!」
セロフィート
「マオが《 宿屋 》ではなく、《 民家 》へ行く方を選んでいれば未来は変わっていたかも知れません」
マオ
「そ、そうなのかな??」
セロフィート
「マオは《 民家 》ではなく、《 宿屋 》へ向かう事を決めました。
此の未来を選択したのは、誰でもないマオ自身です」
マオ
「其は…そうかも知れないけど……。
セロが〈 元素魔法 〉じゃなくて〈 古代魔法 〉を使ってれば、未来は変わってたんじゃないのか?」
セロフィート
「ワタシが〈 古代魔法 〉を発動していたなら、≪ 街 ≫は跡形も無く、綺麗さっぱり消えてました」
マオ
「え゛……?!
≪ 街 ≫が跡形も無く消えてた??
何其?!
どゆことだよ??」
セロフィート
「其のままの意味です。
〈 古代魔法 〉は日常生活に便利な〈 魔法 〉が多いですけど、ちゃんと〈 攻撃魔法 〉もあります。
但し、範囲も威力も桁違いです。
ワタシ達以外の人間も怪物も塵も残らず消え去っていたでしょう」
マオ
「マジですか?!」
セロフィート
「本当です。
何なら今此処で攻撃用の〈 古代魔法 〉を使ってみましょうか?」
マオ
「いやっ!
其だけはマジで止めてくださいっ!!」
セロフィート
「そうです?
マオが言うなら止めますけど……。
見たくなったら遠慮せずに教えてください。
何時でも≪ 街 ≫が跡形も無く消え去る瞬間を見せてあげます」
マオ
「頼まないよっ!!
もうっ!
笑顔で、そゆこと言うなよな!!」
セロフィート
「はいはい」
マオ
「〈 古代魔法 〉は却下として、怪物だけを〈 テフ( 原質の源 ) 〉へ変換したら良かったんじゃないのか?
そしたらこんな未来を迎えなくて済んだんじゃないのかよ?」
セロフィート
「何を言いますか。
〈 テフ( 原質の源 ) 〉へ変換する事を拒んで、禁止していたのはマオですよ?
忘れないでください」
マオ
「そ…そうだっけ??」




