♥ 街中 2 / マギタ見習いの家 2 / 救出 2
目の前で、ぷるんぷるん…と揺れている不可思議な生き物(?)に恐れを抱いた怪しい仮面の人物達は、本能的に数歩下がっていた。
然し、目の前には不可思議な生き物(?)から吐き出された黄金が落ちている。
どうやら、黄金が気になって仕方無いようである。
自分達の命を優先するか、目の前に無造作に落ちている黄金を手に入れるかで、怪しい仮面の人物達の心は、大きく揺れて葛藤しているようだ。
マオ
「 ──にゅい!!
何してんだ?!
いきなり襲ったら駄目だろ! 」
不可思議な生き物(?)の後ろから背の低い少年が出て来た。
少年は不可思議な生き物(?)に触っている。
怪しい仮面の人物達は、どうやら少年は不可思議な生き物(?)に呑み込まれない立場の人物なのだろうと理解はした。
目の前の不可思議な生き物(?)の関係者であるならば少年は、怪しい仮面の人物達からすれば敵である。
敵──目撃者は始末しなければならないのが、怪しい仮面の人物達の掟である。
然し、肝心の敵──少年は不可思議な生き物(?)に依って通せんぼされており、此方には来られないようだ。
マオ
「 コラぁ、にゅい!!
其処を退くんだ!
小さくなってよ!
むやみに人間を呑み込んじゃ駄目なんだよ!!
頼むから、小さくなって大人しくしててくれよ…… 」
マオ──少年は不可思議な生き物(?)へ向かって、言葉を掛けているが、不可思議な生き物(?)は少年の言葉に聞く耳を持たず、知らん顔で道を塞いでいた。
不可思議な生き物(?)に耳なるものがあるのか分からないが、傍から見れば1人で喚いているヤバくて痛い少年である。
怪しい仮面の人物達は、1人で喚いている怪しくて痛い少年へ話し掛けてみる事にした。
仮面の人物
「 ──おい、お前!
その不可思議な生き物(?)は、お前のか?
お前は何者だ!
何故、突然此処に現れた!
さっき消えた白い奴は、お前の仲間か?!
俺達の仲間に何をした!
何故そいつから黄金が出て来た!
お前の目的は何だ!! 」
怪しい仮面の人物から、捲し立てるように質問攻めを受けたマオは困った。
本当の事を話したからと言って信じてもらえそうな気がしないと思ったからだ。
嘘を吐いて話したとしても、後々面倒くさい事になっても困る為、駄目元で話してみる事にした。
マオ
「 ──争わなくて済むなら質問に答えるけど…。
話し合うなら、お互いに武器はしまわないか? 」
マオは話し掛けてくれた仮面の男へ提案をした。
仮面の男
「 …………いいだろう。
俺達もこれ以上仲間を失いたくないからな。
そちらの条件を飲もう 」
マオ
「 良かった。
アンタが話の通じる人で安心したよ 」
仮面の男と話が出来ると思ったマオは、無駄な争いも回避出来ると思い安堵した。
お互いに手に持っている武器を納める。
マオ
「 ──ちょっ、にゅい?!
何だよ?? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅ〜い、にゅい!
にゅにゅい〜〜〜 」
マオ
「 あ〜〜〜……。
聞いてみるから、待ってろな? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい〜 」
マオはにゅいから無茶ぶりな “ おねだり ” をされた気がした。
「 ボクの “ おねだり ” を聞いてくれないと、パパ以外の全員を食べちゃうよ 」的な事を訴えられたのである。
マオ
「 あのさ…… 」
仮面の男
「 何だ? 」
マオ
「 後ろに居る人達に、オレを襲わないように言ってくれないかな?
にゅいがさ……、オレを襲った奴は全員、食べたい──って言うんだ。
だから……、アンタと話が終わるまで、武器をしまって、大人しく待っててほしいんだけど…… 」
仮面の男
「 食べる……だと? 」
マオ
「 あ〜〜うん…。
さっきの3人みないな人が増えるって事なんだけど…。
だけど、オレを襲わなければ、にゅいは何もしないから!!
…………駄目…かな? 」
仮面の男
「 …………確か何だろうな?
お前を襲わなければ、ソイツは何もしないんだな? 」
マオ
「 確かだよ!
オレを守護るのがにゅいの役目だから、オレが無事ならにゅいも大人しく待っててくれるんだ 」
仮面の男
「 ………………分かった。
お前を信じよう。
事情を話してくる。
待っていろ 」
マオ
「 ──有り難う!!
オレもにゅいに小さくなってくれるように頼むから! 」