3.老剣士と妖精少女 2
フィンフィレイナ
「アタシは全属性の〈 霊獣 〉を召喚出来る〈 召喚魔法 〉の使い手よ。
〈 聖霊獣 〉〈 精霊獣 〉〈 妖精獣 〉の3体の〈 霊獣 〉達にアンタ達を襲わせて全滅させるなんて簡単なの〜〜」
余裕のある表情で微笑むフィンフィレイナは、愚者を見下す様な眼差しで、クリッキスチタルを睨んでみる。
人間の姿になったフィンフィレイナの容姿は、紅葉色の赤毛髪を腰迄伸ばしたスラッとスレンダーな体型に、背丈はマオよりも高い160cmある。
女性から羨ましがられる小顔で、美人と可愛いの間に位置する少女である。
話し方はハキハキしており、元気で明るく、誰とでも直ぐに親しくなれる様な雰囲気を持っている。
唯一の残念な点は『 そばかす女子 』である事だろうか。
フィンフィレイナ
「まぁ、アタシが手を下す必要なんて無いかもだけど〜〜」
クリッキスチタル
「其は…どういう意味ですかな??」
フィンフィレイナ
「フフン!
低俗な人間には分かんないのよね〜〜。
いいわ!
親切なフィンフィレイナ様が教えてあげる!
いい事〜〜、マオは『 偉大なる〈 錬金術師 〉 』なの!
マオは背が低くて、弱っちくて使えない子だけど、忘れちゃ駄目駄目よ。
マオにベッタリくっついてるスライムを!!」
クリッキスチタル
「スライム…??」
フィンフィレイナ
「そうよ!
彼のスライムは〈 賢者の石 〉なの!
マオはセロ様と共同で〈 賢者の石 〉を精製させる事に大成功したのよ!!
此は≪ エルゼシア大陸 ≫で初の快挙だわ!!
マオの凄さ、アンタに分かる??
誉めていいわよ!
マオはアタシの自慢の弟分なの!」
クリッキスチタル
「〈 賢者の石 〉……。
そんな物が本当に此の世に存在する──というのですかな……」
フィンフィレイナ
「当たり前でしょ!
〈 賢者の石 〉は≪ エルゼシア大陸 ≫にたった1つしか存在しない『 奇蹟の結晶 』と言っても過言ではないわね〜〜」
クリッキスチタル
「そうなのですかな??」
フィンフィレイナ
「そうなのよ!
た〜だ〜し、人間は〈 賢者の石 〉に触れないの。
何でか分かる?」
クリッキスチタル
「検討も付きませんな…」
フィンフィレイナ
「フフン!
そうでしょ?
理由は簡単よ。
人間が〈 賢者の石 〉を悪用して悪さをしない為よ。
人間は〈 賢者の石 〉には触れないの。
ううん、違ったわね。
全ての生き物が対象だわ。
〈 賢者の石 〉は、あらゆる生き物を丸呑みして、体内で骨迄溶かして消化しちゃうのよ!
其の代わり、あらゆる物体を体内へ取り込んだ後、吐き捨てられた物体は不純物の一切混ざってない純金の黄金に変わるの。
便利よね〜〜。
〈 賢者の石 〉さえ物に出来れば、朝早くから夜遅く迄セカセカと働かなくてもいいのよ。
財力にものを言わせられるし、食い扶持にだって困らないわ。
〈 賢者の石 〉を〈 国王様 〉に献上したら、喜ばれる事間違いなしかもね!!」
クリッキスチタル
「………………。
何故、其の様な事を私に話されるのですかな??
私は……私共は敵になるやも知れないというのに……」
フィンフィレイナ
「だって無理だもの。
〈 賢者の石 〉は、アタシ達──、家族の前では可愛子ぶって、大人しい良い子ちゃんぶってる性悪スライムだけど、貪欲な食いしん坊なのよ。
マオ専属の〈 守護り手 〉みたいなものね。
マオに危害を加える素振りでもしてごらんなさいよ。
〈 賢者の石 〉がアンタ達を丸呑みして消化しちゃうから!
お分かりかしら?
アンタ達低俗な人間が、何れ程無謀な事を仕出かそうとしてるのかって事が。
セロ様を『 どうにかしよう 』なんて思わない事だわ。
肝に銘じておきなさいよね。
本っ当に人間って揃いも揃って大馬鹿者ばっかよね〜〜〜。
大馬鹿を治す特効薬でもあればいいのに!!」
クリッキスチタル
「………………。
フィンフィレイナ殿は人間が、お嫌いなのですかな??」
フィンフィレイナ
「──ええ、そうね。
大っ嫌いよ。
アタシの知ってる人間達は、最っ低で最悪のゲス共だったわ」
クリッキスチタル
「『 だった 』??
過去形なのですな」
フィンフィレイナ
「ええ……そう。
もう、アタシは奴等に脅えて暮らす必要がなくなったんだもの……」
クリッキスチタル
「……………………並並ならぬ事情が、おありの様ですな…」
フィンフィレイナ
「人間はね、生きる≪ 世界 ≫が違っても、する事は同じなのよ」
◎ 警告と脅しと牽制とか諸々を入れたかったのですが、ちゃんと読み手に伝わるのか不安です。
何と無~~~く察していただけると有り難いです。
◎ フィンフィレイナが召喚出来るのは3体どころではないです。
聖霊獣,精霊獣,妖精獣の全属性の霊獣を1度に召喚させる事が出来ます。
此を知っているのは、フィンフィレイナとセロフィートのみです。




