3.超越魔法使いと老剣士 4
セロフィート
「貴方個人の思い──として受け取っても?」
クリッキスチタル
「出来るならば、そう願いたいですな…」
セロフィート
「〈 光剣騎士団 〉総団長の立場としては、見知らぬフリは出来ませんか…」
クリッキスチタル
「そういう事になりますかな……」
セロフィート
「残念です…」
クリッキスチタル
「申し訳ない……」
セロフィート
「事情は分かります。
ワタシを捕らえたいならば、〈 精霊騎士団 〉総出で出向いて来る事をお薦めします。
でなければ、ワタシは応じません。
〈 仮国王 〉に伝えてください」
クリッキスチタル
「必ず〈 エルゼシア国王 〉にお伝え致しましょう」
セロフィート
「是非そうしてください。
──時にクリッキスチタルさん。
探し人は見付かりました?」
クリッキスチタル
「探し人……ですかな??」
セロフィート
「そうです。
何でも秘密裏に『 誰か 』を探しているそうですね。
其もワタシが《 バセリナ城 》に居る前から──」
クリッキスチタル
「…………………………。
見付かりますまい。
私が〈 光剣騎士団 〉総団長の任命を賜り、50年程立ちましたが、一向に何の手掛かりも無いのですからな……」
セロフィート
「見付かると良いですね」
クリッキスチタル
「…………。
私は…そうは思いませんな…」
セロフィート
「おや?
何故です?」
クリッキスチタル
「私も何の為に探しているのか、理由を前総団長からは知らされてはおりません。
然し、『 見付け次第、処刑せよ 』と仰せつかっております。
必ず『 首 』と『 胴体 』を切り離し、体はバラす様に──と言われております。
各〈 精霊騎士団 〉は、切り分けた体の1部を預かり、厳重に保管する様にと命を受けております…。
処刑しなければならないにしても、理由も分からぬまま行うのは気が進みませぬのでな……」
セロフィート
「そうですか。
見付け次第『 処刑 』とは穏やかではないですね。
〈 王家 〉と何かしらの因縁でもあるのでしょうか?
ふむ……面白い。
其の人探し、ワタシも手伝いましょう」
クリッキスチタル
「は…??
何ですと?!
何故、貴殿が其処迄されるのですかな?!」
セロフィート
「決まってます。
面白そうだからです。
何かしらの目的があった方が旅も楽しくなるでしょう?」
クリッキスチタル
「そういうものですかな……」
セロフィート
「ふふふ。
きっとマオも張り切って、人探しを手伝ってくれる筈です。
『 処刑 』の部分は伏せて話します。
そうすると、貴方との連絡手段が必要となりますね」
クリッキスチタル
「……………………。
そう、ですな…」
セロフィート
「1ヵ月後に渡すとしましょう。
楽しみにしていてください」
クリッキスチタル
「そうさせていただきます」
セロフィート
「すっかり話し込んでしまいました。
遅くなってしまいましたけど、クリッキスチタルさんも明日迄ゆっくり身体を休ませてください」
クリッキスチタル
「そう、ですな…。
そうさせていただきます……」
セロフィート
「貴方と話せて良かった。
1ヵ月間の共同生活です。
仲良くしましょう」
クリッキスチタル
「此方こそ宜しくお願いします…」
深深と頭を下げてくれるクリッキスチタルにセロフィートは、ふわり…と柔らかく微笑んだ。
セロフィートの微笑みを見たクリッキスチタルは、不覚にも年甲斐もなく見惚れてしまった。
ソファーから静かに腰を浮かせて立ち上がったセロフィートは《 広間 》を出ると、其のまま階段を上がって行った。
各〈 ◯剣騎士団 〉には、総団長,副総団長(補佐),団長,副団長(補佐),団員長,副団員長(補佐),◯班長,◯副班長(補佐)とあります。
他にも細かい役割があります。
作中で、もう少し詳しく書きたいとは思います。




