3.宿屋 5
マオ
「お湯に浮かんで泳ぐ〈 にゅい 〉って、絶対に可愛いと思うんだよな〜〜。
セロの〈 古代魔法 〉で何とか出来ないかな?」
セロフィート
「そうですね…。
交換条件でどうです?」
マオ
「こ、交換条件?!
タダでしてくれないのかよ…」
セロフィート
「偶には良いでしょう?」
マオ
「オレに出来る事じゃないと駄目だからな!
恥ずかしい事も嫌だからな!!」
セロフィート
「マオ…。
注文が多いです」
マオ
「当たり前だろ!!」
セロフィート
「そんなに警戒しないでください。
ワタシは唯…、マオの焼いてくれたパンでサンドイッチを食べたいだけです。
覚えてます?
マオが初めてワタシに食べさせてくれた料理です。
食べ方を教えてくれましたね」
マオ
「そりゃ覚えてるけどさ…。
手作りパンで作ったサンドイッチでいいのか?」
セロフィート
「はい♪
マオの為に、パン,ピザ,パイ,ケーキ,タルト,クッキー等を焼く為の窯を作りました。
《 厨房 》で作れます」
マオ
「用意がいいなぁ…」
セロフィート
「ふふふ。
ワタシ、マオの料理のファンですし♪」
マオ
「〜〜〜(////)
オレ、主婦じゃないし…、そんなに美味い料理は作れないよ(////)
売り物にだって出来ないしさ……」
セロフィート
「マオの手料理を売り物にする等、とんでもないです!」
マオ
「え?!
…あ…だよな……。
見た目も悪いし…」
セロフィート
「マオの手料理を食べて良いのはワタシだけ。
ワタシにだけ、作ってください。
他の誰かに食べられるなんて……。
考えただけでワタシの心は引き裂かれる様な感覚に襲われます。
ワタシには耐えれません……」
マオ
「毎回セロは大袈裟だよ…(////)
オレの料理より、セロの料理の方が美味いんだぞ!」
セロフィート
「当然ですけど…」
マオ
「認めちゃうのかよ…」
セロフィート
「君はワタシだけのマオです。
マオの作る料理もワタシのもの。
ワタシの許可もなく誰かに食べさせる等ワタシは一切許しません。
独占したいのです。
分かってください」
セロフィートはマオの手料理にメロメロ〜〜〜ンなんだっちゃ。
マオ
「………………はい(////)
( ヤバちゃ!!
『 食べ物の恨みは恐ろしい 』って聞くけど……。
此って、セロとの約束を破っちゃったら、オレの命が危ないヤツかな??
オレ、不老不死だから……、消されちゃうのか?? )」
命の危険を感じてしまったマオは、背中に大量の冷や汗を掻いていた。
マオ
「で、でもさ!
パンだけじゃなくて、ピザ,パイ,ケーキ,タルト,クッキーなんかも焼ける窯を作っちゃうなんてさ、セロって凄いよな!
何れも温度が違うからさ、普通はさ万能な窯を作るなんて不可能じゃんか」
セロフィート
「〈 古代魔法 〉ならではです。
大抵の事なら可能です。
明日の朝食に、マオの手作りサンドイッチを食べさせてください」
マオ
「早速かよ…。
まぁ、いいけど。
なんてったって、温泉の中をプカプカ浮く〈 にゅい 〉を見る為だもんな!!」
セロフィート
「楽しみです♪」
マオ
「オレも楽しみだよ(////)」
嬉しそうに笑うマオを見て、セロフィートは優しく、ふわり…と微笑んだ。
セロフィートの案内と説明である程度の事を知れたマオは、見取り図をセロフィートへ渡した。
セロフィートはマオへ手招きする。
マオの左手を握ったセロフィートは、マオの手を引くとカウンターの右側から《 厨房 》へ入った。
──*──*──*── 厨房
《 厨房 》はマオの予想に反して半端なく広かった。
畳にして20帖程あるだろうか。
マオ
「セロ…さん……。
此、広過ぎないか??」
セロフィート
「1人で調理をする事に慣れているマオには広いでしょうね。
大人数で調理をする〈 光剣騎士団 〉の皆さんにはどうでしょう。
狭過ぎると動き難いでしょうし、掃除をするにも大変でしょう?」
マオ
「広過ぎても大変だろ〜〜」
セロフィート
「一度使ってもらいます。
不自由を感じれば、其の場所を改善しますし、大丈夫です」
マオ
「簡単に直せちゃうのはセロならではだよな〜〜。
あっ、窯ってあれだよな?
すげぇ立派な窯じゃんか!!
此でパンやピザや焼き菓子を作るんだよな」
マオは嬉しそうに右手を伸ばし、立派な窯をペタペタと触る。
セロフィート
「後で使い方を教えます」
マオ
「うん!!
オレ、セロの為に色んなパンを一杯焼くからな!!」
セロフィート
「マオ…。
嬉しいです(////)」
セロフィートは本当に嬉しそうな笑顔を小柄なマオに向ける。
セロフィートの其の笑顔には珍しく、嘘も偽りもなかった。
其だけセロフィートは純粋にマオの手料理が好きなのだ。
セロフィート
「マオ、此方に《 食糧庫 》《 貯蔵庫 》《 収納庫 》があります」
セロフィートはマオの手を引っ張りながら、左側へ進んだ。




