⭕3.冷寒街ベリチェスト 1
「 三日目 」の始まりです。
怪物から離れ、遠くへ避難したマオ,クリッキスチタル率いる〈 光剣騎士団 〉の皆さんを〈 結界魔法陣 〉で守ってあげたセロフィートは、氷属性の〈 元素魔法 〉を発動させた。
然し、予想外の事態を迎えてしまった事で、少しだけ困っていた。
怪物だけを凍らせるつもりで、氷属性の〈 元素魔法 〉を〈 初級魔法 〉で発動させた。
其の事に対しては、嘘も偽りもない事実である。
此処迄の事は、嘘,偽りなく〈 久遠実成 〉にも誓える。
然し、問題なのは此の先だった。
抑〈 元素魔法 〉は使えるものの、手加減が出来ないのが人形の難点であり、欠点でもあり、〈 古代魔法 〉を使えるが故の悩みでもあった。
〈 初級魔法 〉で発動させたとしても、威力や範囲は〈 特級魔法 〉以上〈 超級魔法 〉以下となる筈だった。
其が何故だか、どうしてなのか──、〈 極級魔法 〉の威力と範囲を超えてしまっていた。
此には流石のセロフィートも、茫然とするしかなかった。
然し、其処は人形である。
人形は、人間が苦労して作った≪ 街 ≫の1つや2つ……10や20が使い物にならなくなり、住めなくなってしまったとしても、特に残念とは思わないのだ。
他にも沢山あるし、しぶとく生き残った人間は、どうせまた我が物勝手に自然破壊を進めて新たな住み処を作るのだ。
新たに建国しては、栄えて滅ぶ──という馬鹿の1つ覚えの様に歴史を繰り返し続けている。
そんな事象は、とっくの昔に見飽きてしまっており、人間に対して、悲愴感や罪悪感が沸き上がって来る訳がなかった。
セロフィート
「≪ 街 ≫は……終わりましたね。
怪物だけでなく、≪ 街 ≫全体が氷に覆われ、閉ざされてしまうでしょうし。
≪ 街 ≫を覆った氷が完全に溶けるのは、ざっと見ても300年程でしょうか…。
〈 街民 〉も〈 旅人 〉も〈 冒険者 〉も、瞬時に氷漬けになりましたし…。
氷が自然解凍しても、凍ってしまった人間は、誰も助かりませんね…。
例え少数であっても、マオを信じて避難した人間が生き残ってますし、良しとしましょう。
マオはどんな顔をして、ワタシに噛み付いて来るでしょう?
今から楽しみです♪♪
ふふふ…。
早くマオに会いたい」
セロフィートはクスリ…と笑う。
セロフィートの立って居る場所からの見晴らしは、絶景だった。
セロフィートはコートを着ているお蔭で猛吹雪の影響も激しく低下してしまった気温の影響も全く受けていない。
セロフィートの半径3mは完全に安全地帯である。
マオのコートは半径1mが完全に安全地帯になっている。
セロフィートとマオのコートで安全地帯の範囲が違うのは、コートの大きさ──ではなくセロフィートの仕業だ。
セロフィートのコートとマオに渡したコートの安全地帯の最大範囲は半径100mなのだが、セロフィートによって半径3mと1mに狭められていた。
セロフィート
「〈 結界魔法陣 〉のまま≪ 街 ≫の外へ出しても良いですけど……、其ではあまりにも詰まらない。
マオには歩いて≪ 街 ≫を出てもらう事にしょう」
とんでもない案を思い付いたセロフィートは、早速〈 古代魔法 〉を発動させると、マオとの連絡に使う事にした〈 にゅい 〉を受話器に変えた。
セロフィート
「──マオ、聞こえてます?」
受話器:にゅい
「{ ──セロ!!
今、何処に居るんだよ〜〜!!
〈 結界魔法陣 〉の外が大変な事になってるんだぞっ!!
怪物だけを凍らせるんじゃなかったのかよ〜〜!
──後、フィンが戻って来たんだよ!
〈 結界魔法陣 〉から出て、セロを探しに行っちゃったんだ……。
なぁ、セロぉ……、此の猛吹雪は止められないのかよ? }」
セロフィート
「残念ですけど、其はワタシにも出来ません」
受話器:にゅい
「{ えぇっ?!
セロが使った〈 元素魔法 〉だろ?
何で出来ないんだよ?? }」
セロフィート
「発動中の〈 元素魔法 〉を止める事は誰にも出来ません。
此の猛吹雪が止むのは、早くても1ヵ月後になるでしょうね」
受話器:にゅい
「{ はぁぁぁぁぁん?!
猛吹雪が止むの1ヵ月後なのかよ?! }」
◎ 訂正しました。
此処は迄の事は、─→ 此処迄の事は、




