賢者の石:にゅい
「 にゅ〜い 」
マオ
「 セロ、にゅいに触ってもいいかな? 」
セロフィート
「 どうぞ。
にゅいもマオに触れてほしそうです 」
マオ
「 え?
そうなの?
そうなのか……にゅい?? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい! 」
にゅいは体をぷるんぷるんと振るわせた。
マオがにゅいの前へ手を差し伸べると、にゅいは嬉しそうにマオの手に刷り寄ると、大きさを変えながらマオの腕を登り始めた。
マオの肩まで移動したにゅいは、成人女性の拳程の小ささに変わっていた。
どうやらにゅいは、マオの肩の上が気に入ったようだ。
セロフィート
「 ふふふ。
マオとにゅいの色、お揃いです。
仲良しさんに見えます 」
マオ
「 重くないんだな。
賢者の石だから、見た目よりも重いと思ってたんだけどな。
重さを全く感じないよ 」
セロフィート
「 〈 テフの源みなもと 〉から作つくりましたし。
マオが着きているコート,衣い服ふく,マオが履はいてるブーツ,マオへ渡わたした刀とう剣けん。
此これ等らも全すべて〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を構こう成せいして作つくりました。
重おもさがない分ぶん、身しん体たいからだに掛かかる負ふ担たんが無ないです。
楽らくでしょう? 」
マオ
「 うん。
防ぼう具ぐの類たぐいが要いらないから、素す早ばやさも違ちがうよ。
怪かい物ぶつモンスターを倒たおすのも格かく段だんに楽らくになったもんな!
今いまなら、ラオインダから1本ぽん取とれそうな気きがするよ 」
セロフィート
「 おや?
随ずい分ぶん、強つよ気きに出でましたね。
見み事ごとな負まけっぷりを見みせ付つけてくれたマオとは別べつ人じんのようです 」
マオ
「 ちょっ(////)
言いうなよ〜〜〜!!
オレ、ラオインダを相あい手てに頑がん張ばってたじゃんか!
スレッスレだったけど、ラオインダの攻こう撃げきをかわせただけでも凄すごいんだぞ!!
ラオインダの目め、ガチマジだったし……!!
オレ… “ マジで殺やられるかも ” って恐こわかったんだからな!! 」
セロフィート
「 そうでした。
どの対たい戦せん相あい手てもラオインダさんの繰くり出だした一いち撃げきを受うけて秒びょう殺さつでしたね 」
マオ
「 …………誰だれも死しんでないって。
ラオインダが強ついのは知しってたけど、本ほん気きを出だしたラオインダが、あんなにおっかないなんて思おもいもしなかったよ。
マーフィも強つよかったけど、本ほん気きを出だしたマーフィにまで勝かっちゃうんだもんな〜〜〜〜。
でもさ、そんなラオインダも『 現げん役えき時じ代だいから伯お父じアルソリュンドさんには1度ども勝かてた試ためしがない 』って言いってたからさ、伯お父じアルソリュンドさんはラオインダよりも強つよいんだろうな〜〜!!
想そう像ぞう付つかないよ 」
セロフィート
「 大たい会かいも大おおいに盛もり上あがってましたね。
マオも準じゅん決けっ勝しょうまで進すすんで凄すごかったです 」
マオ
「 ヘヘヘ(////)
セロに良いい所ところを見みせたかったもんな(////)」
セロフィート
「 ラオインダさんに負まけて台だい無なしになりましたけど 」
マオが負まけたシーンを思おもい出だしたセロフィートは、口くちに右みぎ手てを当あてると上じょう品ひんにクスクスと笑わらい出だした。
マオ
「 ちょっ──(////)
止やめろよっ!!
忘わすれてたのにっ(////)
この話はなしは止やめ!!
禁きん止しっ!!(////)」
セロフィート
「 はいはい。
マオの名めい誉よを守まもる為ためにも──ですね? 」
マオ
「 …………恥はずかしいからだよっ!!
察さっしろ! 」
セロフィート
「 マオ……。
人にんセロ形ぎょうフィートには “ 他た者しゃを察さっする ” という事ことは出で来きません。
覚おぼえておきなさい 」
マオ
「 セロ……。
“ 出で来きない ” じゃなくて “ しない ” んだろっ!! 」
セロフィート
「 出で来きないのに…… 」
マオ
「 惚とぼけなくていいよ… 」
セロフィート
「 ふふふ。
楽たのしいですね、マオ♪ 」
マオ
「 ………………何ど処こがだよ(////)」
セロフィート
「 釣つれませんね… 」
マオ
「 釣つられて堪たまるかよ 」
セロフィート
「 ──さて、マオのツンデレさん。
賢けん者じゃの石いしと黄おう金ごんが手て元もとに揃そろいました。
マオはこ・れ・か・ら・どうしたいです? 」
マオ
「 オレは──、マ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいを助たすけに行いきたい! 」
セロフィート
「 マオ、助たすけたいマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいの居い場ば所しょは分わかります? 」
マオ
「 うん。
念ねんの為ために家いえまで送おくったから道みち順じゅんは覚おぼえてるよ 」
セロフィート
「 それは良よかったです 」
そう言いうとセロフィートは古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせた。
室しつ内ないの空くう中ちゅうに≪ 街まちベリチェスト ≫の地ち図ずマップが現あらわれた。
セロフィート
「 マオ、何ど処こからマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいを家いえまで送おくり届とどけました? 」
マオ
「 ええと〜〜〜……。
あっ、此こ処こだ!
この狭せまい路ろ地じ裏うらで助たすけたんだ。
それから──── 」
マオはセロフィートにも分わかるように、マ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいを送おくり届とどける為ために歩あるいた道みち順じゅんを地ち図ずマップの上うえから指ゆびでなぞって見みせた。
マオ
「 ──で、家いえが此こ処こだよ 」
セロフィート
「 此こ処こですか。
分わかりました。
教おしえてくれて有あり難がとう、マオ。
では、行いきましょう 」
地ち図ずマップを消けしたセロフィートは、古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせる。
セロフィートが発はつ動どうさせたのは転てん移い魔ま法ほうだ。
室しつ内ないの床ゆかに転てん移い魔ま法ほう陣じんが現あらわれた。
セロフィートとマオとにゅい賢者の石は、魔ま法ほうマジカル陣じんサークルから発はっせられる光ひかりに包つつまれ、宿しゅく泊はく室しつから姿すがたを消けした。