♪ 2.怪物退治 6
怪物に抵抗し、必死に戦っている〈 冒険者 〉〈 警察官 〉〈 魔法使い 〉へ、此処から離れる様にと呼び掛けたマオだったが、マオの話に耳を傾けて信じてくれたのは、極少数しか居なかった。
?
「〈 双刀士 〉殿?
どうされました??」
マオ
「え?」
?
「私共は、貴方の言葉を信じ、貴方に従います。
どうか、私達を誘導していただきたい」
マオ
「………………うん。
分かったよ、クリッキスチタルさん。
行こう!」
マオは、引き際を心得ている〈 老剣士 〉の──というか、見た目はガッツリと〈 老騎士 〉の格好をしているのだが……。
クリッキスチタルが率いる〈 光剣騎士団 〉を見ると、若い〈 剣騎士 〉が多い。
多くの若い〈 剣騎士 〉達を預かり、率いている責任があるのだろう。
クリッキスチタルはマオの話を素直に聞いてくれた。
部下である〈 剣騎士 〉達の中からは批判や反対の声も上がったが、部下を一喝したクリッキスチタルは、マオに頭を垂れると謝罪迄してくれた。
他の〈 冒険者 〉〈 魔法使い 〉は、〈 光剣騎士団 〉に対して、『 腰抜け共め! 』と貶したり、嘲笑い馬鹿にする者が現れたが、クリッキスチタルは彼等を相手にしなかった。
〈 光剣騎士団 〉が離脱すると知った〈 警察官 〉は、怪物の捕獲を諦めると、怪物から離れ、撤退する準備を始めていた。
マオに誘導されながら、〈 光剣騎士団 〉は怪物から距離を取り、離脱し、退却した。
──*──*──*── 避難後
マオと〈 光剣騎士団 〉が避難を終えると、マオ達の下に巨大な〈 魔法陣 〉が出現した。
クリッキスチタル
「おおっ……。
此の〈 魔法陣 〉は一体……」
マオ
「──セロだっ!!
オレ達を守る為にセロが〈 結界魔法陣 〉を張ってくれたんだ!」
にゅい
「にゅい〜〜!!」
マオ
「クリッキスチタルさん、此の〈 結界魔法陣 〉から誰も出さないで!!
〈 結界魔法陣 〉から出たら、唯では済まないよっ!!」
クリッキスチタル
「了解した!」
クリッキスチタルはマオの忠告を信じてくれた。
部下の〈 剣騎士 〉達にも言い聞かせてくれた。
マオの事を疑っている〈 剣騎士 〉達も、命を預け信頼している上官のクリッキスチタルの言う事を素直に聞いている。
マオは其の光景を見ながら、ホッと胸を撫で下ろした。
マオがクリッキスチタル達を見ていると、〈 結界魔法陣 〉の外では、想像を遥かに絶する程の猛吹雪が吹き荒れていた。
マオ
「──は??
何で猛吹雪に襲われてるんだよ?!
怪物を凍らせるだけって言ってたのに──。
何でだよっ!!!!」
にゅい
「にゅい〜〜」
マオ
「──セロ!
セロったら!!
聞こえてるんだろ!!
答えろよっ!!
どうなってるんだよ、此っ!!」
マオは〈 にゅい 〉を両手に乗せると、セロフィートへ呼び掛け始めた。
其の姿を見詰めるクリッキスチタルの瞳は、目に入れても痛くない可愛い孫を見守る様な優しい眼差しだった。
?
「あ゛〜〜〜っ!!
居たわねぇ!
やっ〜〜〜と、見付けたわよ!!
此んのっ、スカポンタンっ!!」
聞き慣れた甲高い少女の声が〈 結界魔法陣 〉の中で響いた。
クリッキスチタル
「なっ、何だ?!
眩しい光が──」
マオ
「──フィン!
戻って来たんだな!」
『 フィン 』と呼ばれたのは、〈 妖精 〉のフィンフィレイナである。
〈 時空の亀裂 〉から≪ エルゼシア大陸 ≫へ現れた最初の〈 亜人種 〉だ。
虹属性の〈 虹魔法 〉を使える〈 妖精 〉のフィンフィレイナには、激しい猛吹雪等、粉雪の様なものらしい。
マオ
「フィン!
今迄何処に行ってたんだよ?」
フィンフィレイナ
「はぁあ?!
アンタには関係無いでしょ!!
其より、此は何なのよ〜!
何で≪ 街 ≫全体が吹雪に襲われてるのよ〜〜!
セロ様は何処に居るのよぉ??」
マオ
「セロは外だよ。
其に此の猛吹雪はセロの仕業だよ」
フィンフィレイナ
「はぁあ?!
何言ってんのよ!
嘘言ってんじゃないわよ!
セロ様が、そんな事する訳ないでしょっ!!」
マオ
「嘘じゃないよ。
怪物だけを凍らせる予定だったんだ。
其が何で、こうなっちゃったのか……。
オレの方が聞きたいぐらいだよっ!!
フィンは吹雪の中でも平気なんだろ?
外に出てセロを探して来てくれよ」
フィンフィレイナ
「はぁあ?!
馬鹿マオ!
偉そうに、アタシに指図すんじゃないわよ!!
アンタはアタシの弟分なのよ!!
もっと言い方を考えなさいよね!!」
マオ
「フィン……。
ヒステリックなキンキン声で叫ぶの止めてくれよ……。
此処に居るの、オレだけじゃないんだからさ……」
セロフィートとマオの2人旅に途中から参加した〈 妖精族 〉のフィンフィレイナを登場させてみました。
キャンキャンと口煩く、上から目線のヒステリック気味で偉そうな我儘お姉ちゃんをイメージしています。
〈 にゅい 〉とは犬猿の仲にしたいと思っていますが、どうなる事やら……。
マオにキツいフィンフィレイナですが、マオの事はちゃんと好きなんです。




