♪ 2.怪物退治 4
何処の誰かも分からない、見ず知らずの真っ白ずくめな〈 剣士 〉の話に聞く耳を持ってくれなかった堅物な〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉だったが、マオが切り出した交渉内容に興味を持ってくれた。
協力して、無事に怪物の捕獲が出来たら教える事──、という話で纏まったのだが、マオはどうしても気になってしまった。
此の〈 魔法使い 〉達の中に、呪文を詠唱短縮化させて〈 元素魔法 〉を発動している〈 魔法使い 〉が居ないかどうか──という事だ。
別にしなくてもいいのに、マオは御丁寧にも〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉に確認をしてしまった。
其の結果、〈 魔法使い 〉達の殆どが〈 元素魔法 〉の発動時に呪文を詠唱短縮化させている事が分かった。
交渉材料の内容が内容なだけに、マオは迷いに迷った挙げ句、〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉に交渉材料にしていた内容を持ち前の善意で話してしまった。
勿論の事、交渉材料とされていた知りたい内容を何の苦労もせず、あっさりと聞けてしまった〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉は、マオと交わした交渉を一方的に破った。
良かれと思った善意の行動で交渉決裂させてしまったマオは、激しく困った。
協力を拒まれてしまったら、〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉が、セロフィートに依って〈 原質の源 〉へ変換されてしまう事が決定付けられてしまうからだ。
セロフィートならば、殺る。
確実に殺る。
場合に依っては、人類を絶滅させる事もい問わない──と慈悲母神の様な笑顔で言ってくれちゃうセロフィートだ。
殺るに決まっている。
抑、セロフィートが〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉を殺らない理由が見当たらない。
マオ的には、『 場合に依っては、人類を絶滅させる事もい問わない 』と言う言葉は、唯単に言っているだけで、本当にはしない──と、心の何処かで信じたい自分が居る。
無理かも知れないが、マオはセロフィートの『 口だけ 』であると信じていたいのだった。
今迄もセロフィートに依って〈 原質の源 〉へ変換されてしまった人間は数知れずだ。
マオが知っているだけでも……、少なくとも50名は下回らないだろう。
マオの安易で無責任な善意が引き起こしてしまった余計な親切心の『 良かれと思ってした事が、良かれた事にはならなかった 』所為で、セロフィートに依って〈 原質の源 〉へ変換される被害者が、また1名追加されるのだった。
〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉は、何の価値も無く、要らなくなったマオをシッシッと追い払い始めるが、マオは大人しく厄介払いされる気は更更なかった。
マオは引き下がらず、必死に〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉と〈 魔法使い 〉達に協力をしてもらえないか懸命に仰いだが、誰1人としてマオの声には聞く耳持たずで、マオは無視され続けた。
諦めたら終わりだと思い粘っていたマオだったが、〈 魔法 〉を放たれてしまい、追い払われてしまった。
〈 魔法 〉を使われて拒否されてしまえば、流石のマオも諦めるしかなかった。
マオは残念に思いながら、仕方無く……、〈 魔法使い 〉の〈 指揮官 〉と〈 魔法使い 〉達の前から去る事にした。
マオと〈 マギタ 〉の〈 指揮官 〉との交渉中の会話はカットしました。
マオはセロフィートの交渉技術を間近で見ているお蔭もあり、交渉は人並みには出来ます。
最後の後の最後に失敗してしまい、折角上手く結べた交渉を水の泡にしてしまうのが、マオの “ お約束 ” です。
今回の交渉も水の泡にしてみました。




