♪ 2.宿泊室(夜) 7
セロフィートに抱き付かれ、ベッドに押し倒されてしまったマオは、顔を赤らめた。
セロフィート
「ふふふ…。
マオの照れ屋さん♪
此のまま──どうです?」
マオ
「何がだよ?!」
セロフィート
「此の《 宿屋 》から離れた《 宿屋 》が、見た事のない怪物に襲撃されているそうです」
マオ
「え??
襲撃??」
セロフィート
「はい。
無事な《 宿屋 》に宿泊している〈 冒険者 〉や〈 魔法使い 〉に招集が掛かったそうです」
マオ
「〈 冒険者 〉と〈 魔法使い 〉が怪物に襲撃されてる《 宿屋 》に集まってるのか?」
セロフィート
「そう聞きました。
〈 警察官 〉も襲撃されている《 宿屋 》へ集まっているそうです。
今なら、コートさんの《 家 》へ行けば、無断で入っても咎められません。
どうします?」
マオ
「ど、どうって……あっ…(////)
──ば、馬鹿(////)
耳に息を吹きかけんな!(////)」
セロフィート
「コートさんの《 家 》へ行きます?
怪物に襲撃されている《 宿屋 》へ行きます?
そ・れ・と・も、此のままワタシと朝迄しっぽりします?」
マオ
「はぁ??
しっぽりぃ〜〜〜??
『 しっぽり 』って何だよ?」
セロフィート
「ふふふ…。
其の反応で十分です。
安心しました」
マオ
「はぁ??
何が安心なんだよ〜〜??」
セロフィート
「知らなくて良い事もあります。
──折角ですし、《 宿屋 》へ行きましょう。
昨夜、コートさんの《 家 》を襲った怪物かも知れませんし」
マオ
「何で、そんな事が言えるんだよ??」
セロフィート
「被害者は、首筋を噛まれて血を吸われているそうです」
マオ
「え??」
セロフィート
「気になります?」
マオ
「………………。
今から行っても怪物を見れるのかな?」
セロフィート
「見れるでしょうね。
何でも捕獲する気らしいですし」
マオ
「オレも怪物の捕獲を手伝えるかな?」
セロフィート
「其はどうでしょう?
〈 時空の亀裂 〉の悪影響を受けているなら、難しいです。
其でも手伝います?」
マオ
「…………うん。
何もしないで明日を迎えるのは嫌だからな!」
セロフィート
「偉いです、マオ。
其でこそ、ワタシのマオです。
支度をしてください。
出来次第向かいます」
マオ
「分かった!」
セロフィート
「コートは忘れず来てください。
マオの素性を隠す事が出来ますし、ダメージからマオを守ってくれます」
マオ
「うん!」
セロフィート
「マオ──。
此を受け取ってください」
マオ
「何?」
セロフィート
「新しい刀です。
今、マオが愛用している刀の片割れです。
『 双子刀 』と言います」
マオ
「双子刀??」
セロフィート
「そうです。
今のマオなら、『 双刀使い 』として戦える実力はあります。
必要なのは実戦経験です」
マオ
「…………うん!
有難な、セロ!」
セロフィートが〈 魔法陣 〉から出してくれた新たな刀を受け取ると、コートを羽織った。
セロフィート
「マオ、此を使ってください」
マオ
「此は??」
セロフィート
「双刀用の鞘です」
マオ
「何か、軽いし、柔軟な鞘だな…」
セロフィート
「丈夫な鞘です。
コートの下に装備しても大丈夫な仕様です。
安心して刀を収めてください」
マオ
「うん。
有難な!」
新しい鞘を受け取ったマオは、双刀用の鞘に双刀を納刀すると、装備した。
セロフィート
「マオ、準備は良いです?」
マオ
「うん。
準備万端だよ」
にゅい
「にゅい!
にゅ~~い」
マオ
「ん…?
どうしたんだ?
〈 にゅい 〉も行きたいのか?」
にゅい
「にゅい!」
マオ
「セロ、いいかな?」
セロフィート
「マオが決めてください。
使い方次第で役にも立つでしょうね」
マオ
「〈 にゅい 〉が行きたいなら連れてくよ」
にゅい
「にゅい〜〜〜」
マオから『 よし 』をもらえた〈 にゅい 〉は嬉しそうに喜んだ。
ベッドの上で姿を小さくさせた〈 にゅい 〉は、マオの左肩へジャンプをして飛び乗った。
セロフィート
「マオ、〈 魔法陣 〉の中へ入ってください。
目的地へ移動します」
マオ
「うん」
セロフィートが〈 古代魔法 〉を発動させて出現させた〈 転移魔法陣 〉の中へ入る。
〈 転移魔法陣 〉は、カッ──と眩く光出すと、《 宿泊室 》から〈 転移魔法陣 〉が消えた。




