♪ 2.宿泊室(夜) 6
セロフィートの仕出かした事の内容は、人間側から見れば決して『 お茶目 』とは言い難い事ではあるが、セロフィートの中では大した事ではないし、些細な事でしかない。
持ち主が誰なのか分からない木に成っている食べ頃な無花果の実を1つだけ、もぎ取って食べてしまう善悪の分別が出来ない幼児みたいなもの──と例えれば分かるだろうか??
セロフィートの場合は、成っている無花果の実を全て頂戴してしまうのだが──。
入れ替わり前のセロフィートが実際にしていた事に比べれば、入れ替わり後のセロフィートが実際にする事等、幼児が遊びでする他愛のない可愛らしくも微笑ましいママゴトの様なものなのです。
≪ 地球 ≫を存続させる為ならば、≪ 地球 ≫に害しか与えない人類を絶滅させる事もい問わないと考えている人形にとって、人間の数が減少する事に対して、罪悪感を抱く事も無ければ、良心の呵責に苛まれる事も無く、後悔の念等も起きない。
人類にとって最大の驚異であり、人類の最大の敵となるかも知れない人形にとって、人類とは其の程度のものでしかないのである。
今夜の『 宿屋襲撃事件 』で、多くの人間が怪物に依って無慈悲に殺されてしまうだろうが、セロフィートには関係無い事であり、セロフィートにとって1番重要な事は、『 宿屋襲撃事件 』の中身が、『 面白い 』か『 面白くない 』か──という事だ。
セロフィートはマオを熟睡させている強力な〈 睡眠魔法( 古代魔法 ) 〉を解いた。
セロフィート
「マオ、マオ……。
起きてください。
マ〜〜〜オ…」
眠っているマオの体を揺らしながら、マオの耳元で囁く。
傍から見れば、起こす気がないのでは??──と思われても仕方のない起こし方である。
マオ
「…………ん〜〜〜。
……もうちょ……あとじっ…………」
起きたくないのか、マオはモゾモゾしている。
セロフィート
「ふふふ…。
──マオ、時間です。
起きてください。
今夜は行くの止めます?」
耳元で囁かれるセロフィートの言葉に、ピクッと反応したマオは、ガバッと上半身を起こした。
マオ
「え??
もう時間??」
眠気眼のマオは、ボ〜〜〜〜としている。
セロフィート
「マオ……。
眠いなら、寝てもいいです。
事件現場へ行くのは明日にズラせば良いですし」
マオ
「………………はぁあ??
な、何を言うんだよ?!
行くに決まってるだろ!!
直ぐ準備を──って……。
何だよ〜〜〜。
未だ23時前じゃんか!
行くのは深夜だろ?
1時間も早いじゃんかよ」
セロフィート
「実は、マオに知らせなければいけない事が出来ました」
マオ
「は??
何かあった………………セロ……さん?!」
セロフィート
「どうしました?
マオ」
マオ
「何て格好してるんだよっ!!(////)」
セロフィート
「はい?」
マオ
「『 はい? 』じゃ、ないだろっ!!
まさか……オレが寝てる間に、そんな格好で《 宿泊室 》の外、彷徨いてないよな?!」
セロフィート
「………………。
廊下が騒がしかったので様子を見る為に少し──」
マオ
「え゛?!
出たのかよ〜〜〜!!」
セロフィート
「いけませんでした?」
マオ
「いけませんに決まってるだろっ!!
そんな格好で出歩いて、襲われたらどうすんだよ!!」
セロフィート
「ははぁ…。
ワタシを襲う人間です?」
マオ
「セロは人間を侮り過ぎてるよ!」
セロフィート
「そんな事──」
マオ
「もう、いいから!
早く、服直せよ!(////)」
マオは顔を赤らめながら手を伸ばすと、はだけているセロフィートの服を整えた。
マオ
「ほどけない様にちゃんと紐で結んどけよな!!」
セロフィート
「有難う、マオ。
ふふふ…。
マオは確りさんですね」
マオ
「セロだって確りしてるだろ!
セロはさ、性別関係無くモテるんだからさ、もっとちゃんと自覚してくれよ!!
だらしない格好していいのは、オレの前だけにしろよな!(////)」
セロフィート
「何かあっても、マオが守ってくれるでしょう?」
マオ
「何も起きない様に『 服装をちゃんとしろっ! 』って言ってんの!!」
セロフィート
「はいはい。
気を付けるとしましょう」
マオ
「本当に気を付ける気あるのかよ!」
セロフィート
「ありま〜〜〜す」
マオ
「〜〜〜〜(////)
分かったよ…。
──で?
オレに『 知らせなければいけない事 』って何だよ?」
セロフィート
「そうでした。
廊下で会った宿泊客が教えてくれました」
マオ
「ふ、ふ〜ん??
…………変な事とかされなかったか?
言われたりとか…」
セロフィート
「心配してくれます?」
マオ
「当たり前だろ!
オレのセロ…だし(////)」
セロフィート
「マオ……。
嬉しいです(////)
もっと心配してください♪」
マオ
「オレは年中無休で心配しっぱなしだって〜〜の!!」
セロフィート
「マ〜〜オ♪♪」
マオ
「ちょっ…!?(////)
だっ抱き付くなよ(////)」
セロフィート
「嬉しくないです?」
マオ
「…………嬉しいですけど!!(////)」




