2階の廊下へ出マオとセロフィートは、《 宿泊室 》から階段を下りて、1階にある《 食堂 》へ入った。
──*──*──*── 食堂
《 食堂 》は朝食の時よりも、ざわついていた。
其も其の筈だろう。
あんなに痛ましくも、おぞましい事件が起きたのだ。
事件の被害者も今迄の様な1人ではなく、40人をも超える被害者が出たのだ。
幸いな事は、事件の一部始終を見ていた目撃者となる数名の生き残りが居た事だろうか。
運良く──と言うよりも、『 生き証人が必要だろう 』という理由により、セロフィートから敢えて生かされただけなのだが……。
生き残った数名の目撃者達は、保護されるや否や、直ぐに《 病院 》へ運ばれ、優秀な〈 医師 〉達から傷の手当てを受け、身体に異常はないかを調べる為に診察と様様な検査を受け、丁寧な診断をされた。
心のケアも必要な為、1人の患者に対して2名の〈 看護師 〉が付き、つきっきりで相手をする事になっている。
重要な証言を必要とする〈 警察官 〉は、生存者達をなるべく刺激をしない様に考慮し、治療の一環と題して、〈 医師 〉や〈 看護師 〉に変装し、事情聴取を行っていた。
≪ 都 ≫ではない為、《 神聖堂 》はなく、〈 神力者 〉も居ない。
其の為、≪ 村落 ≫には《 診療所 》と呼ばれる施設があり、〈 村医者 〉と呼ばれる〈 医師 〉と〈 看護師 〉が≪ 王都 ≫から派遣されている。
≪ 町 ≫≪ 街 ≫には《 病院 》と呼ばれる施設があり、〈 医師 〉と〈 看護師 〉が≪ 王都 ≫から派遣されている。
≪ 村落 ≫には《 派出所 》と呼ばれる交番があり、〈 お巡りさん 〉と親しみを込めて呼ばれる〈 警察官 〉が≪ 村落 ≫の治安を守る為に≪ 王都 ≫から派遣されている。
≪ 町 ≫≪ 街 ≫には《 警察署 》と呼ばれる施設があり、≪ 町 ≫≪ 街 ≫の治安を守る為に〈 警察官 〉が≪ 王都 ≫から派遣されている。
夕刊のベリチェスト・タイムズの記事には、生存者についてと現段階で判明している情報が、子供が読んでも分かる様にと丁寧且つ、事細かに書かれていた。
犯人が逮捕され、事件が解決する迄の間は、此の話題で持ちきりだろう。
次は何処が狙われ、何名の〈 街民 〉が襲われるのか──。
何処に避難をすれば1番安全であり、助かる確率が高いのか──、という様な会話が《 食堂 》内で飛び交っていた。
宿泊客達も不安を抱いているのだろう、平常心を保ってはいるものの、正体の判らない得体の知れない犯人へ恐れを抱き、気が気でないらしい。
マオは受付カウンターで、夕刊を買うと、空いていた席を確保し、先に座っているセロフィートの席へ歩いた。
椅子を引き、座ったマオは、四角い食卓の上に夕刊を置くと広げた。
マオ
「──セロ、見てみろよ。
生存者は4名で、4名とも子供だって書いてあるよ。
子供が生存者で目撃者じゃあ、正確な証言は、あんまり期待出来ないんじゃないかな?」
セロフィート
「子供の年齢は書かれてます?」
マオ
「ん〜〜〜……。
書かれてないみたいだな……。
孤児だからかな?
大人の生存者が目撃者だったら、捜査も少しは進展するかも知れないのにな……」
セロフィート
「過ぎた事です。
未来ある4名の子供が助かったのです。
其だけでも喜ばしい事です。
何事も前向きに捉えましょう」
マオ
「セロ……。
──だな!
悲観にばっかり暮れないで、無事を喜ぶ事も大事だよな…」
セロフィート
「そうです、マオ。
どんな時でも『 心は青空 』です。
どんなに小さな事でも構いません。
『 良かった 』を探して、心に元気を与えてください。
そうすれば、心は腐りません」
マオ
「セロ……(////)」
セロフィート
「マオ、夕刊を畳んでください。
食事を始めましょう」
マオ
「う、うん(////)」
ふわり…と軽く微笑んでくれちゃったりするセロフィートの顔を見たマオは、両頬を赤く染めながら夕刊を折り畳んだ。