セロフィート
「 ──試金石で調べる方法です。
試金石と呼ばれる黒い石の板の上で表面を擦り取り、条痕の色味や擦り取る際の感触から判定します。
探せば他にも方法はあります。
1番良い方法は、信用・信頼の出来る専門の鑑定所で鑑定してもらう事です 」
マオ
「 鑑定所かぁ〜。
≪ 街 ≫にあるかな? 」
セロフィート
「 ≪ 町 ≫にもあるのです。
≪ 街 ≫にもある筈です。
≪ 街 ≫にはマギ法ほうタ使つかいだけではなく、錬れん金きん術じゅつに手てを染そめるマ魔まギ法ほうタ使つかいも多おおいみたいですし 」
マオ
「 なぁ、セロ…。
抑そもそもさ、何なんでマ魔まギ法ほうタ使つかいが錬れん金きん術じゅつに手てを出だすんだ??
ちゃんと錬れん金きん術じゅつ師しが居いるんだろ? 」
セロフィート
「 確たしかに居います。
錬れん金きん術じゅつはマ魔まギ法ほうタ使つかいから見みても魅み力りょく的てきなのでしょう。
マ魔まギ法ほうタ使つかいが賢けん者じゃの石いしの錬れん成せいに手てを出だすのは、それなりの価か値ちがあるからです 」
マオ
「 価か値ちぃ??
魔ま法ほうマジックにも賢けん者じゃの石いしが使つかえるって事こと?? 」
セロフィート
「 さぁ?
其そ処こまではワタシも……。
マ魔まギ法ほうタ使つかいは賢けん者じゃの石いしを魔ま法ほ力りきを増ぞう幅ふくさせたり、魔ま法ほうマジックの範はん囲いを拡かく大だいさせたり、威い力りょくを上あげたりする効こう果かがある──とでも考かんがえているのかも知しれません。
魔ま法ほ力りきの消しょう費ひを減げん少しょうさせれる──とか、魔ま法ほうマジックの効こう力りょくを上あげる──とか、賢けん者じゃの石いしを使つかう事ことによって、+プラスαアルファで属ぞく性せいダメージを与あたえられる確かく率りつを上あげられる──とか。
思おもい付つく限かぎりの有ありとあらゆる事ことを試ためしてみたいのかも知しれません 」
マオ
「 ………………。
そんな事ことが本ほん当とに可か能のうなのかよ? 」
セロフィート
「 どうでしょう?
仮かりにワタシが元げん素そエレメント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせたとしても、人にん間げんが発はつ動どうさせる元げん素そエレメント魔ま法ほうマジックとは明あきらかに違ちがいます。
何なんの参さん考こうにもなりません 」
マオ
「 あ……そっか。
人にん間げんのマ魔まギ法ほうタ使つかいは、魔ま法ほ力りきを対たい価かとして消しょう費ひさせて魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせるけど、セロは魔ま法ほ力りきじゃなくて〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を対たい価かとして消しょう費ひさせて魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせるんだもんな。
セロにとって〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉は、何どれだけ消しょう費ひしても直すぐ体たい内ないに蓄ちく積せきされるし、無なくなったりしないし、身しん体たいからだにも負ふ担たんが掛かからないから、人にん間げんの参さん考こうにはならないんだな…… 」
セロフィート
「 そういう事ことです 」
マオ
「 あっ…それならさ、錬れん金きん術じゅつを使つかう時ときに錬れん成せい陣じんを発はつ動どうさせる時ときも〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を消ひょう費ひさせるのか? 」
セロフィート
「 先さき程ほども言いいましたけど、ワタシに錬れん成せい陣じんは必ひつ要ようないです。
錬れん成せい陣じんは演えん出しゅつの1つに過すぎません。
仮かりに錬れん成せい陣じんを発はつ動どうさせるにしても、〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉は消ひょう費ひしません。
〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を消しょう費ひさせるのは、賢けん者じゃの石いしを精せい製せいさせる時ときぐらいです。
賢けん者じゃの石いしの中なかへ物ぶ体たいを入いれさえすれば、賢けん者じゃの石いしが勝かっ手てに黄おう金ごんへ変かえてくれます。
意い思しを持もち生いきている賢けん者じゃの石いしは、それだけ優すぐれた凄すごい存そん在ざいです 」
マオ
「 そっかぁ……。
賢けん者じゃの石いしが勝かっ手てにしてくれるから、此方こっちは何なにもしないで、出で来き上あがるのを待まってるだけでいいんだな。
楽らくだよな〜〜 」
セロフィート
「 因ちなみに、賢けん者じゃの石いしを使つかい、人にん間げんに不ふ老ろう不ふ死しを与あたえる液えき体たい──霊れい薬やく,あらゆる病やまいを治なおせる万まん病びょう薬やく,あらゆる状じょう態たい異い常じょうを治なおせる万ばん能のう薬やく…等などの類たぐいを作つくろうとしても無ム駄ダです 」
マオ
「 はあっ??
無ム駄ダって……。
作つくれないの? 」
セロフィート
「 賢けん者じゃの石いしは物ぶっ体たいを黄おう金ごんへ変へん化かさせる事ことしか出で来きません。
賢けん者じゃの石いしに水みずを掛かけても水みずですし、油あぶらを掛かけても油あぶらのままです。
水みずを他ほかの液えき体たいへ変へん化かさせる事ことは出で来きません。
賢けん者じゃの石いしは、人にん間げんのくだらない願がん望ぼうや欲よく望ぼうを叶かなえる為ための道どう具ぐではないです 」
マオ
「 ……………………。
あっ…じゃあさ、液えき体たいをフラスコとかの中なかに入いれて、賢けん者じゃの石いしの中なかへ入いれたらどうなるんだ? 」
セロフィート
「 フラスコが黄おう金ごんに変かわります。
中なか身みも黄おう金ごんになります。
液えき体たいではなく、固かたまります。
フラスコを逆さかさにしても中なか身みは出でて来きません 」
マオ
「 そう…なんだ…… 」
セロフィート
「 ガッカリしました? 」
マオ
「 ううん。
一寸ちょっと安あん心しんしたよ 」
◎ 万能過ぎても、つまらないので(?)「 賢者の石 」に出来る事は、物体を黄金へ変化させる事だけにしてみました。
生物を黄金へ変化させる事も出来ません。
生物の場合は、中で溶かして消化させてしまいます。
人間には触れない「 賢者の石 」にしましたけど、使い方次第では悪用出来ちゃうんですよね~~。
路銀を稼ぐ必要がなくなってしまいました……。