★2.宿泊室(夕)
事件現場を後にし、セロフィートを連れ回しながらの《 商店街 》巡りを堪能して楽しんだマオは、ウキウキと気持ちを弾ませたまま《 宿泊室 》に居た。
セロフィート
「マオ、御機嫌ですね。
何か嬉しい事でもありました?」
脱いだコートをハンガーへ掛け、壁のフックにハンガーを掛けたセロフィートは、鼻唄を歌う頗る御機嫌なマオに声を掛けた。
マオ
「あったよ!
セロには分かんない事だろうけどな」
セロフィート
「ははぁ…。
そうです?」
マオ
「エヘヘ♪♪♪
( 事件の後に不謹慎だけど…、何か、久し振りにデートっぽかった!!
セロには何度言っても分かってもらえなかったもんな〜〜。
セロが『 デート 』の事を分からなくてもいいんだ。
オレが『 デート 』だって思えば、もう其は立派なデートなんだ!!
頼んでた代物も出来上がって、受け取れたし!!
後はセロに渡すだけ……。
緊張するなぁ〜〜。
セロ……オレの気持ち、受け取ってくれるかな??
『 要りません 』って突っ返されたらどうしよう……。
ショックだよな〜〜。
上手い事考えて渡さないとな…… )」
ベッドの上に腰を下ろし、ソファー代わりに座るセロフィートを見詰めながら、マオは悶悶と考える。
〈 古代魔法 〉を発動させ、〈 魔法陣 〉から分厚い本を出したセロフィートは、何時もの如く読書を始めた。
マオが起きている間、セロフィートがマオに黙って何処へ出掛けて行く事は、ほぼほぼない。
マオが寝入ってから行動をする事が殆どである。
朝迄ぐっすり熟睡させられているマオは其の事実を知らないでいる。
セロフィートはマオの前では大概、読書しかしないのだった。
マオ
「( …………断られない為にもセロの御機嫌…取っといた方がいいかな…… )」
読書に耽っているセロフィートに声を掛けるべきか否か、マオは暫く迷った。
フィンフィレイナは、セロフィートが読書をしてようがしてまいが、セロフィートが話を聞いてようが聞いてまいが、一切気にする事もなく、セロフィートの周りを飛び回ったり、セロフィートの肩に止まったりして、本能のままに喋り捲る。
遠慮や相手への配慮等、〈 妖精 〉のフィンフィレイナは考えない。
自由気儘,勝手気儘に振る舞っても、セロフィートはフィンフィレイナには何も言わない。
マオはフィンフィレイナの強引な所が少し、羨ましく思っていた。
マオ
「セロ〜〜。
≪ ダンジョン ≫に入ってみようと思うんだけど…」
セロフィート
「はいはい」
セロフィートが〈 古代魔法 〉を発動させると、床に〈 魔法陣 〉が現れた。
セロフィート
「マオ、何時でもどうぞ」
マオ
「うん。
有難な。
夕食の時間が分かる様にしてくれる?」
セロフィート
「はいはい。
──マオ、〈 にゅい 〉を連れて行ってあげてください。
話し相手が居た方が楽しいです」
マオ
「うん。
そうするよ。
〈 にゅい 〉、おいで。
一緒に≪ ダンジョン ≫へ入ろう」
にゅい
「にゅい?
にゅい〜〜♪」
マオに誘われた〈 にゅい 〉は嬉しそうに体を揺らすと、マオの左肩へジャンプした。
現れた〈 魔法陣 〉の上にマオが立つと、〈 魔法陣 〉の真ん中に≪ ダンジョン ≫へ続く階段が現れた。
マオは慣れた感じで階段を下りた。




