★2.事件現場
朝刊に書かれていた事件現場へやって来たマオとセロフィート。
マオは事件現場を前にして、言葉を失っていた。
何故ならば、被害に遭った《 民家 》というのは、昨日、コートナエイシッド,ディクノシズムタと別れた《 家 》だったからだ。
セロフィート
「此は……。
事実は小説より奇なり──とは良く言ったものです。
まさか、襲われた《 民家 》がコートさんの《 家 》とは……。
予想外ですね…」
口に右手を当て、如何にも予想外だとばかりに驚いている風のセロフィートだが、コートナエイシッドの《 家 》の壁を壊し、吸血生物の『 UMA 』を《 家 》へ落としたのは誰でもないセロフィートである。
『 UMA 』を大量の餌場へ落としたのはセロフィートなのだ!!!!
マオ
「……………………なっ…何で……だ??
何でコートさんの《 家 》が襲われなくちゃいけないんだよっ!!」
セロフィート
「正確には…コートさんの《 家 》ではなく、コートさんの〈 師匠 〉達が利用していた──」
マオ
「そんなの分かってるよ!!
そんな場合じゃないだろ!!」
セロフィート
「はいはい。
犯人は血を吸うのでしょう?
ならば、鼻が利くのかも知れません。
僅かに漏れる血の臭いを辿って来たのかも……」
マオ
「血の臭い──って言ったって場所は《 地下室 》だろ。
分かるもんなのかよ?」
セロフィート
「臭いを嗅ぎ分ける嗅覚は犬以上かも知れませんね」
マオ
「そんな事って……」
セロフィート
「現に此の有り様です。
否定は出来ません」
マオ
「………………。
コートさん,ムタさんを探さないと!
無事かな??」
セロフィート
「無事ならば既に保護されている筈です。
治療を受けているか、事情聴取を受けている頃だと思いますよ。
無事に生き残っていれば──ですけど」
マオ
「…………そう、だけど……」
セロフィート
「ムタさん達が幾ら腕の立つ〈 暗殺者 〉で殺しに長けているとは言っても所詮は人間相手に限っての事です。
抵抗して挑んだとしても勝てる見込みは無いです。
敵わないと判断をして逃げきれていれば、生存している望みはあります。
敵わない相手だと判っても挑んだのなら、返り討ちに遭っている筈です」
マオ
「ムタさん…コートさん……。
だけどっ、《 地下室 》には〈 ノマ 〉が沢山居たんだ。
其の人達を残して逃げるなんて事、ムタさん達はしないと思う。
『 全員を保護する 』って言ってたんだ!!」
セロフィート
「其なら、大量の死体と共に運び出された後でしょう」
マオ
「………………」
セロフィート
「現場も直に見ましたし、戻りましょう」
マオ
「………………セロ、中に入れないかな?」
セロフィート
「はい?
不法侵入する気です?」
マオ
「…………やっぱ無理…かな?」
セロフィート
「悪い子ですね、マオは。
《 家 》の中では、未だ調査をしている最中です。
無断で入れば、不法侵入と妨害容疑で捕まります。
其でも入ります?」
マオ
「………………」
セロフィート
「──こんな事件の後です。
流石に夜にも見張りを付ける事はしないでしょう。
夜中に来ましょう」
マオ
「セロ〜〜!!」
セロフィート
「ふふふ…。
──さ、戻りましょう」
マオ
「え〜〜〜……。
折角外に出たんだし、《 商店街 》を回ってから戻ろうよ!」
セロフィート
「はいはい。
マオに付き合いましょう」
マオ
「セロ〜!(////)
じゃあ、早速──」
テンションの上がったマオは、嬉しそう笑うと 、セロフィートの右手を掴み、《 商店街 》を目指して歩き出した。




