♥ 黄金にしてみよう 1
◎ スライム状の「 賢者の石 」ですが、落ちゲー「 ぷよぷよ 」のスライムをイメージして書きました。
目も無ければ、コアも無く、寿命も無いです。
〈 テフ 〉を材料としているので、〈 テフ 〉が存在する限り生き続けます。
弱点は〈 テフ 〉が無くなったら生きられない事。
地球上最強になってしまいますが、マオのペット的な存在です。
鳴き声のイメージは、アニメ「 ポケットモンスター 」のバタフリーの声で「 にゅい~~~ 」です。
セロフィート
「 ワタシに錬成陣は必要無いですけど、人間は魔法陣や錬成陣の類いが好きですからね。
錬成陣はチョークで描きましょう 」
セロフィートはスラスラと甚も簡単に宿泊室の床の上に錬成陣を描いた。
セロフィート
「 ──これで良いでしょう。
次に錬成陣の必要性を説きます 」
マオ
「 必要性?? 」
セロフィート
「 そうです。
【 賢者の石を使って、錬成する為には──、大自然の大いなるお力が必要である 】という事にしましょう。
【 大自然の大いなるお力を利用する為には、専用の錬成陣が必要である 】とします。
【 錬成陣の中央に賢者の石を置く事により、大自然の大いなるお力が賢者の石へ集まり、錬成する為の状態を整える 】という事にしましょう。
大自然の大いなるお力を吸収している事を人間の肉眼でも見えるように、賢者の石の色を変えます。
赤 ─→ 白 ─→ 黒 ─→ 白 ─→ 赫の順に変化させましょう。
そうすれば、マギタは賢者の石に釘付けです 」
マオ
「 何で……赤 ─→ 白 ─→ 黒 ─→ 白 ─→ 赫の順に変化させるんだ? 」
セロフィート
「 精製の過程で変化します。
本来は、黒 ─→ 白 ─→ 赤の順に変化します。
赤色は【 完成・完全 】、黒色は【 死・腐敗 】、白色は【 再生・復活 】を表します。
赫色は【 大自然の大いなる力を吸収し終えた色 】としましょう 」
マオ
「 態々色を変えさせるなんて、手が込んでるな… 」
セロフィート
「 この演出は “ おまけ ” です。
──大自然の大いなるお力を吸収し終えた賢者の石の中に、何でも良いので物体を入れます。
マオ、何か入れてください 」
マオ
「 う、うん。
分かったよ 」
マオは “ なんちゃって錬成陣 ” の中央で、ぷよんぷよんしている賢者の石の中に入れる物を探してみた。
室内を見回すとテーブルの上に蜜柑の皮を見付けた。
マオはテーブルへ近付くと、蜜柑の皮を手に取る。
マオ
「 セロ、これでもいいかな? 」
手に持った蜜柑の皮をセロフィートへ見せながら、聞いてみる。
セロフィート
「 蜜柑の皮を黄金に変えますか。
面白い発想です 」
マオ
「 いや、別に……。
面白さなんて狙ってないからな!(////)」
セロフィート
「 はいはい。
マオ、蜜柑の皮を賢者の石の上から落としてください 」
マオ
「 分かった… 」
セロフィートに言われた通りに、手に持っていた蜜柑の皮を賢者の石の上から落とした。
蜜柑の皮は重力に従って賢者の石の中へ落ちる。
蜜柑の皮を取り込んだ賢者の石は、ぷよぷよ…と上下や左右に動き出す。
30秒程動いた賢者の石は、取り込んでいた蜜柑の皮を体内から「 ペッ… 」と吐き出した。
賢者の石が吐き出した蜜柑の皮は、蜜柑の皮の形をした黄金に変わっていた。
マオ
「 嘘……だろ?
本当に…黄金に変わってる?? 」
マオは自分の目を疑った。
セロフィート
「 成功しましたね。
本物か確めてみてはどうです? 」
マオ
「 そ…そう……だよな?
疑うよりも確めた方が早いよな? 」
セロフィートに促されたマオは、床に転がる元蜜柑の皮だった蜜柑の皮の形をした黄金を拾うと手に持った。
マオ
「 ……………………。
なぁ、セロ… 」
セロフィート
「 どうしました? 」
マオ
「 本物の金だって事を証明するにはさ、どんな方法があるんだ?
見分け方とかあるのかな?? 」
セロフィート
「 そうですね…。
方法は幾つかあります。
──色味を確認する方法です。
純度によって色味に違いがあります。
オレンジ味を帯びた山吹色をしてます。
純度が下がるごとにオレンジ味が減って明るい黄色になります。
──磁石を当てる方法です。
磁石には反応しません。
手軽に出来る判別法の1つです。
金の可能性をはかる判断基準になります。
──比重を調べる方法です。
水に沈めて、比重を測定します 」