★2.朝刊 1
「 二日目 」の始まりです。
《 食堂 》にて朝食を終えたマオは、《 宿屋 》の受付カウンターで朝刊〈 ベリチェスト・タイムズ 〉を買った。
マオが朝刊を買ったのは、他の宿泊客が、朝刊の記事を見ながら騒いでいたからだ。
何とか朝刊を買えたマオは、朝刊を持って、未だ朝食を食べているセロフィートの居るテーブルへ戻る。
マオ
「セロ〜〜!
朝刊、買って来たよ!」
セロフィート
「マオ、声が大きいです」
マオ
「オレの声なんて誰にも聞こえてないよ。
こんなに騒がしいんだからさ!
其より、朝刊の記事だよ!
セロだって、皆が話題にしてる記事が気になるだろ?」
セロフィート
「ワタシは別に…」
マオ
「気になるに決まってるよな!」
セロフィート
「マオ、勝手に決めないでください」
マオ
「少しは気にしろよ〜〜〜」
セロフィート
「マオ…。
《 宿泊室 》へ戻る迄待ってください」
マオ
「分かったよ…」
セロフィート
「朝刊は置いて、マオも食事を続けないさい」
マオ
「…………。
オレ、食べ終わったんだけど……」
テーブルの上に朝刊を置いたマオは、食べ終えた食器に目を向けた。
セロフィート
「食べれる時に食べておきなさい」
マオ
「分かったよ…」
デザートを食べ終えたのに、また料理をお代わりするセロフィートを見ながら溜め息を吐く。
胃袋が無くなり飲み食いの限界が無くなったマオは、再びメニューを手に取ると注文する料理を選び始めた。
──*──*──*── 宿泊室
マオ
「〈 にゅい 〉、ただいま。
遅くなって御免な〜〜」
《 宿泊室 》へ入るや否や、マオはベッドに駆け寄った。
《 宿泊室 》を出て行ったセロフィートとマオをベッドの上で見送り、セロフィートとマオが戻って来るのを大人しく待っていた〈 にゅい 〉を持ち上げる。
マオ
「〈 にゅい 〉〜〜〜。
1人で寂しかったろ?
今から明日の朝迄、一緒だからな!」
にゅい
「にゅい〜〜♪」
セロフィート
「ふふふ…。
すっかり〈 にゅい 〉を溺愛してますね」
マオ
「ん〜〜〜(////)
だって、可愛いもん!!
あっ、そうだ!
朝刊、読まないと!!」
セロフィート
「はいはい。
好きなだけ読んでください」
ベッドの上へ静かに腰を下ろし、座ったセロフィートは〈 古代魔法 〉を発動させると〈 魔法陣 〉から本を出した。
栞を挟んでいる頁を開くと、読書を始めた。
マオ
「──あった!
此の記事だ!!
え〜〜と…何何……」
朝刊をテーブルの上に広げたマオは、椅子に腰掛けると《 食堂 》で話題となっていたでろう記事を読み始めた。
セロフィートが読書を始めてから数分も経たない内に、セロフィートの読書はマオに依って中断されてしまった。
マオ
「セロ!
大変だ!!
また事件が起きたみたいなんだ!」
セロフィート
「ワタシの本も大変な事になりましたけど…」
マオが右側から抱き付いて来た反動で、セロフィートが読んでいた本が手から離れてしまい、ドアの前迄吹っ飛んでしまったのだ。
マオ
「本〜?
読書なんかしてる場合じゃないよ!!
今日は読書なんてしてる暇ないよ!」
セロフィート
「…………。
マオ、落ち着きなさい。
朝刊には何が書かれてました?」
〈 古代魔法 〉を発動させると、床に落ちてしまった本を〈 魔法陣 〉で消した。
消えた本は、初代の人形から代代集められ続けている膨大な書庫へと戻されている。
マオ
「ほらっ、此の記事だよ!
事件が起きて初めて、《 民家 》が襲われたらしいんだよっ!!」
セロフィート
「初めて…です?」
マオ
「うん!
今迄は夜に出歩いてた〈 街民 〉だけが襲われてたから、夜の出歩き禁止の御触れが出てたろ?
だから、今迄は事件の被害者も少なかったんだ。
だけど、今回起きた事件の被害者は過去最大の人数らしいんだ!!」
セロフィート
「ははぁ…。
過去最大ですか。
其は…さぞや大変でしょうね」
マオ
「セロ〜〜〜……。
反応が他人事過ぎるよっ!!」
セロフィート
「はい?
他人事ですし」
マオ
「…………そうだけど…。
でもっ、被害者が40人を越えてるんだよっ!!
此って一大事じゃんか。
だろ?」
セロフィート
「どう感じるかは、人に依りません?」
マオ
「依らないよっ!!
其に今回は《 民家 》が襲われたらしくて、壁が豪快に壊されてるらしいんだよ!
《 家 》の中に居ても安全じゃないって事が証明されて、被害に遭った《 民家 》の近くの住民は大混乱してる──って書いてあるんだ!」




