セロフィート
「 ふふふ。
人命より、プライドを取りますか?
時間はあります。
“ 人命 ” か “ プライド ” か──。
どちらを選ぶのか、じっくり考えなさい。
マオが “ プライド ” を選んでも、ワタシはマオを軽蔑しません 」
マオ
「 ──っ(////)
待てよ、セロ!
考える時間なんか必要無い!!
オレは “ 人命 ” を優先させるよ!
“ おねだり ” だって何だってしてやるよっ!!!! 」
セロフィート
「 マオ…。
………………分かりました。
君の本気をワタシに見せてみなさい 」
マオ
「 いいとも!!
両目を確り開けて見てろよな!! 」
真剣な表情のセロフィートを前にして、マオは助けたマギ法ほうタ使つかい見み習ならいと師し匠しょうのマ魔まギ法ほうタ使つかいを助たすける為ために覚かく悟ごを決きめた。
マオはセロフィートへ “ おねだり ” をする為ために着きている衣い服ふくを脱ぬぎ始はじめた。
──*──*──*── 1時間後
マオはベッドの中なかに居いた。
あまりの恥はずかしさに耐たえきれず、頭あたままでスッポリと掛かけ布団ぶとんを被かぶり、両りょう目めには溢あふれんばかりの涙なみだを溜ためて、両りょう肩かたと背せ中なかをプルプルと震ふるわせていた。
セロフィート
「 マ〜〜〜オ。
機き嫌げん、直なおしてください。
マオの見みせてくれた全ぜん力りょくの “ おねだり ” は、とても面おも白しろかったです。
もっと自じ信しんを持もちなさい。
マオが “ プライド ” と “ 恥はじらい ” を捨すて、ワタシに “ おねだり ” してくれたのです。
マオの頑がん張ばりにワタシも応こたえましょう。
ちゃんとマオの手て伝つだいはします 」
マオ
「 …………………… 」
セロフィート
「 マオ……。
頑がん張ばってくれたマオに御ご褒ほう美びです。
特とく別べつに賢けん者じゃの石いしの作つくり方かたを教おしえましょう 」
恥はずかしがってベッドに潜もぐり込こんでいるマオの黒くろ髪かみを優やさしく撫なでながら言いう。
マオ
「 ──えっ??
賢けん者じゃの石いしの作つくり方かた??
賢けん者じゃの石いしって作つくれるのか?? 」
セロフィート
「 おや?
機き嫌げん…直なおりました? 」
マオ
「 …………(////)」
セロフィート
「 ふふふ。
賢けん者じゃの石いしをの作つくる為ために必ひつ要ような材ざい料りょうを教おしえましょう 」
マオ
「 材ざい料りょう?
知しりたいっ!!
セロ、教おしえてよ 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの現げん金きんさん。
賢けん者じゃの石いしの材ざい料りょうは、 “ 硫い黄おう石せき ” と “ 水すい銀ぎん石せき ” と呼よばれる物ぶっ質しつです 」
マオ
「 硫い黄おう石せき??
水すい銀ぎん石せき??
…………何なに…それ?? 」
セロフィート
「 〈 クォーム 〉と呼よばれる原げん質しつで構こう成せいされた物ぶっ質しつです 」
マオ
「 クォームぅ?? 」
セロフィート
「 原げん質しつとは、あらゆる世せ界かい,生せい物ぶつ,物ぶっ質しつを構こう成せいしてます。
〈 クォーム 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつの硫い黄おう石せきと水すい銀ぎん石せきを煮にたり、焼やいたり、溶とかしたり、蒸じょう留りゅうをして、硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうを抽ちゅう出しゅつします。
抽ちゅう出しゅつした硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうを混こん合ごうし、炉ろで加か熱ねつをして融ゆう合ごうさせます 」
マオ
「 ……………へぇ?
そんな簡かん単たんに賢けん者じゃの石いしって作つくれちゃうのかよ?? 」
セロフィート
「 いいえ。
どんなに加か熱ねつしても賢けん者じゃの石いしにはなりません 」
マオ
「 へ??
賢けん者じゃの石いしにならない??
作つくれないの?? 」
セロフィート
「 硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうを結けつ合ごうさせるには “ 別べつの物ぶっ質しつ ” が必ひつ要ようです 」
マオ
「 べ、別べつの物ぶっ質しつ?? 」
セロフィート
「 そうです。
〈 クォーム 〉以い外がいの原げん質しつで構こう成せいされた物ぶっ質しつを使つかわなければ賢けん者じゃの石いしは作つくれません。
〈 エーテル 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつか、〈 タウナール 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつです。
原げん質しつには、〈 エーテル 〉〈 タウナール 〉〈 クォーム 〉以い外がいにも種しゅ類るいはあります。
代だい表ひょう的てきな原げん質しつが〈 エーテル 〉〈 タウナール 〉〈 クォーム 〉の3種しゅ類るいです 」
マオ
「 〈 クォーム 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつの硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうに〈 エーテル 〉か〈 タウナール 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつを加くわえないと賢けん者じゃの石いしは出で来きないんだ……。
セロ……、〈 エーテル 〉と〈 タウナール 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつは何ど処こで手てに入はいるんだ? 」
セロフィート
「 〈 エーテル 〉と〈 タウナール 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつを入にゅう手しゅする事ことは不ふ可か能のうです。
〈 クォーム 〉で構こう成せいされている地ち球きゅうテッラ上じょうの何ど処こにも〈 エーテル 〉や〈 タウナール 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつは存そん在ざいしません。
人にん間げんには原げん質しつを作つくり出だす事ことは出で来きませんし。
未み来らい永えい劫こう、人にん間げんに賢けん者じゃの石いしを錬れん成せいする事ことは出で来きません 」
マオ
「 ………………。
結けっ局きょく、作つくれないんじゃないかよ…… 」
セロフィート
「 ふふふ。
そうですね。
ガッカリしました? 」
マオ
「 …………糠ぬか喜よろこびだよ… 」
セロフィート
「 ワタシには作つくれます 」
マオ
「 へ?
作つくれるの?? 」
セロフィート
「 〈 エーテル 〉や〈 タウナール 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつは持もってませんけど、硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうに〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を合あわせれば、賢けん者じゃの石いしは簡かん単たんに作つくれます 」
マオ
「 マジ……ですか?? 」
セロフィート
「 嘘ウソを吐ついてどうします。
ワタシは “ 偉い大だいなる吟ぎん遊ゆう大だい詩し人じん ” です。
大たい抵ていの事ことは可か能のうです 」
◎ セロフィート流「 賢者の石 」の作り方を少し変更しました。
変更前「 硫黄 ・ 水銀 」─→「 硫黄 ・ 水銀 」+「 原質 」=「 賢者の石 」
変更後「 硫黄石 ・ 水銀石 」─→「 硫黄結晶 ・ 水銀結晶 」+「 原質 」=「 賢者の石 」
因みに、人間が思っている「 硫黄 ・ 水銀 」とセロフィートの「 硫黄石 ・ 水銀石 」は別物です。
◎ ファンタジーですが残念な事に、人間には未来永劫「 賢者の石 」を作れない事になります。
本来の作り方‥‥〈 クォーム 〉で構成した「 硫黄結晶 」+「 水銀結晶 」+〈 エーテル 〉か〈 タウナール 〉で構成された物質と結合させる ─→ 融合させる =「 賢者の石 」が出来上がる。
セロフィートの作り方‥‥〈 クォーム 〉で構成した「 硫黄結晶 」+「 水銀結晶 」+〈 テフ 〉=「 賢者の石 」の出来上がり。