セロフィート
「 修復する必要もなく、半永久的に使えます。
剣士や冒険者の訓練用のサンドバッグにすれば重宝します。
役に立って便利です。
マオ、売り込みましょう 」
マオ
「 売り込むって……。
あんな気味悪い “ 人間風船 ” をどうやって売り込む気だよ……。
誰も買い取ってくれないと思うけど…。
いや、絶っ対に買い取ってほしくないよっ!! 」
セロフィート
「 路銀ガッポリのチャンスなのに… 」
マオ
「 …………あのな〜〜。
オレ達の旅には、もう路銀は必要無いだろ…。
セロが居るし、にゅいだって居るんだぞ 」
セロフィート
「 ……そうでした。
ふふふ…。
ウッカリしてました 」
マオ
「 本当に『 ウッカリ 』なのかよ… 」
セロフィート
「 “ 人間風船 ” の用途はマオに一任します。
どうしたいのか、後で教えてください 」
マオ
「 ……分かったよ。
それで、コートさんの居場所は? 」
セロフィート
「 案内します 」
マオ
「 うん。
──そうだった!
セロに言っとかないといけない事があるんだ 」
セロフィート
「 はい?
何です? 」
マオ
「 セロがさ魔法を使った所を暗殺者達にガッツリ見られちゃっただろ? 」
セロフィート
「 そうですね。
それがどうしました?
彼等を〈 テフの源みなもと 〉へ変へん換かんすれば、目もく撃げき者しゃは居いなくなります。
問もん題だい無ないです 」
マオ
「 だ・か・らっ!
何なんかある度たびに〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉に変へん換かんするの止やめろよ!!
証しょう拠こ隠いん滅めつするにも、やり過すぎだよ! 」
セロフィート
「 そうです?
人にん間げんは減へっても、減へった以い上じょうに増ふえます。
マオが気きに病やむ事ことはないです 」
マオ
「 そういう問もん題だいじゃないんだよ…。
色いろ々いろと質しつ問もんされたからさ、セロの事ことは “ 超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタ ” って事ことにしたんだ… 」
セロフィート
「 はい?
超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタです?
超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタ等などという魔まマ法ほうギ使つかいタは存そん在ざいしませんけど。
勝かっ手てに作つくってはいけません 」
マオ
「 そんな事こと言いわれたってな…。
仕し方かた無ないだろ!
どうやって誤ご魔ま化かせば良よかったんだよ… 」
セロフィート
「 仕し方かた無ないですね…。
どの様ように説せつ明めいしました? 」
マオ
「 うん…。
元げん素そエレメント魔ま法ほうマジックの初しょ級きゅう魔ま法ほう 〜 極ごく級きゅう魔ま法ほうまでを使つかいこなせて──、転てん移い魔ま法ほうは超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタにしか使つかえない凄すごい魔ま法ほうマジックだって話はなしたよ 」
セロフィート
「 まぁ…良よいです。
暫しばらく、マオの嘘ウソに付つき合あいましょう 」
マオ
「 …………何なんかごめん…。
──ごめん序ついでなんだけどさ……。
オレ… “ 偉い大だいなる錬れん金きん術じゅつ師し ” って名な乗のっちゃったんだ…… 」
セロフィート
「 はぁ?
全まったく…。
君きみマオと来きたら…… 」
マオ
「 ごめんっ!! 」
セロフィート
「 怒おこってません 」
マオ
「 …………。
じゃあ…呆あきれてる? 」
セロフィート
「 何な故ぜです? 」
マオ
「 だって…オレ…… 」
セロフィート
「 マオは何い時つも面おも白しろい事ことを仕し出でかしてくれます 」
マオ
「 ……面おも白しろいのか?? 」
セロフィート
「 ──とても… 」
マオ
「 …………ま、まぁ…セロだって吟ぎん遊ゆう詩し人じんじゃないけど、 “ 吟ぎん遊ゆう詩し人じん ” って名な乗のってるもんな! 」
セロフィート
「 ワタシで例たとえますか? 」
マオ
「 だってさ…セロ以い外がいに例たとえる相あい手てが居いないだろ 」
セロフィート
「 錬れん金きん術じゅつ師しを名な乗のるのは良よいですけど、1人りでは賢けん者じゃの石いしを精せい製せい出で来きませんよ 」
マオ
「 分わかってるよ…。
其そ処こは大だい丈じょう夫ぶだよ。
『 セロが居いないと作つくれない 』って言いってあるんだ! 」
セロフィート
「 そうです?
それなら良よいですけど…。
マオの嘘ウソがバレてしまった時ときは分わかってますね?
目もく撃げき者しゃである暗あん殺さつ者しゃは全ぜん員いん、〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉へ変へん換かんします。
良よいですね、マオ 」
マオ
「 …………セロ!
それじゃ意い味みが無ないだろ!!
考かんがえ直なおしてよ! 」
セロフィート
「 マオ……。
今こん回かいはやけに粘ねばりますね。
何い時つもなら、もっと早はやく引ひき下さがるのに…。
何な故ぜです? 」
マオ
「 そ、そんなの──、気き分ぶんが悪わるくなるからに決きまってるだろ! 」
セロフィート
「 マオの嘘ウソ吐つきさん…。
白はく状じょうしなさい。
君きみマオは “ 誰だれ ” のマオです? 」
マオ
「 ……っ。
そんなの──、 “ セロだけのマオ ” に決きまってるだろ!! 」
セロフィート
「 本ほん当とうです?
未まだ “ セロフィート・シンミンだけのマオ ” という証しょう明めいを出で来きます? 」
マオ
「 ええっ?!
証しょう明めいって……。
オレを疑うたがうのかよ? 」
セロフィート
「 出で来きません? 」
マオ
「 ………………。
証しょう明めいって……何なにをすればいいんだよ… 」
セロフィート
「 そうですね…。
コートさんの目めの前まえでワタシに “ 秘ひ密みつのおまじない ” をしてください 」
マオ
「 ──へ?
はぁぁぁああああッッッ??
な…何なんで、人ひと前まえで…そんな事ことしないといけないんだよっ!!
恥はずかしいだろっ!(////)」
セロフィート
「 おや?
嫌いやです?
“ セロフィート・シンミンだけのマオ ” である事ことを否ひ定ていしますか… 」
マオ
「 ち、違ちがうしっ!!
オレは、ちゃんと “ セロだけのマオ ” だよ! 」
◎ 「 超越 」は英語で「 トゥラァンセェンドゥ 」と読むそうです。
長いので「 トランセンド 」にしました。