♥ 家中 4 / 地下室 4 / 救出 9
セロフィート
「( ふふふ…。
楽しそうです。
この光景を見たマオは、どんな顔をワタシに見せてくれるでしょう。
ワタシも楽しみです♪♪ )」
地下室で繰り広げられる非人道的な行いを見ながら、セロフィートは上品に、可笑しそうに、クスリ…と笑う。
決っして尽きる事のない〈 原質の源 〉を対価として消費させ、発動させる古代魔法には範囲の限界が無い。
≪ エルゼシア大陸 ≫程の広大な大陸ですらもスッポリと収まってしまう程の超巨大な魔法陣を出現させる事も人形にとっては容易であり、雑作もない事だ。
≪ エルゼシア大陸 ≫に暮らす全ての陸民を一夜の内に全滅させる事も可能である。
人形がその気にさえなれば、地球上に生きる人間だけを絶滅させる事すら容易事だ。
態々、人間を〈 原質の源 〉へ変換させなくとも古代魔法を1回発動させれば、人形と契約し、人間では無くなった者達以外を一夜の内にこの世から消し去る事も簡単に出来るが、セロフィートは其処までは未だしていなかった。
そんな物騒この上ないセロフィートが、チマチマと人間を達磨にして楽しむ事等、とても細いで、お茶目な行為なのである。
セロフィート
「( 人間達磨のなり損ないが多いです…。
どうすれば人間を満足のいく達磨に出来るのでしょう?
マオには聞けませんし…。
所有するどの本にも書かれてませんし……。
どうしても人間風船になってしまいます… )」
虫すらも殺せないような美しい顔をして恐ろしい事を悪気もなく考える。
セロフィートが1人で物騒で危険極まりない事を考えていた間、1階では部屋にマオとディクノシズムタ達が鍵の開いていたドアから突入していた。
──*──*──*── 1階
家の中へ突入したマオは、先ず1番に、セロフィートの名前を呼んだ。
マオ
「 セロ!
セロ〜〜〜!
…………あれぇ?
何処にも居ない?? 」
気を取り直し、1階にある部屋を全て見て回ったが、セロフィートの姿は何処にも無かった。
マオ
「 セロの奴ぅ〜〜〜。
何処にも居ないじゃんか!
家の中に入ったんじゃないのかよ…… 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい〜〜〜 」
マオ
「 なぁ、にゅい。
セロの居場所…分からないか? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい?
にゅい…にゅい…… 」
にゅいは嗅覚の鋭い犬ではない為、セロフィートの居場所が分からないのだった。
マオ
「 駄目かぁ〜…… 」
ディクノシズムタ
「 ………………。
微かに血の臭いがする。
地下室へ繋がる階段を探せ! 」
ディクノシズムタは部下達に指示を出す。
部下達は直ぐ様、地下室へ繋がる階段を探し始めた。
マオ
「 地下室があるのか?
じゃあ、セロは地下室に居るかも知れないよな。
にゅい、オレ達も地下室へ繋がる階段を探そう! 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい〜〜〜 」
にゅいはマオの右肩から飛び降りると、マオと共に地下室へ繋がる階段を探し始めた。
──*──*──*── 数分後
賢者の石:にゅい
「 にゅい??
にゅい!!
にゅい〜〜〜。
にゅい、にゅい、にゅにゅにゅい!! 」
何かの隙間を見付けたにゅいは、マオの元へ戻る。
マオ
「 にゅい?
どうしたんだ?
遊んでないで地下室の階段を探してくれな 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい!
にゅにゅい〜〜にゅい! 」
マオ
「 何だよ?
体当たりなんかして来て。
可愛いなぁ〜〜(////)」
賢者の石:にゅい
「 にゅ〜い、にゅ〜い!
にゅにゅい〜〜 」
マオ
「 もう……何だよ。
可愛くてキュン死するだろ〜〜〜(////)」
マオはにゅいの可愛さにメロメロ〜〜〜ンだった。
賢者の石:にゅい
「 にゅいっ!! 」
全然気付いてくれないマオに対して、にゅいはマオの顔面を狙い体当たりをした。
マオ
「 にゅい〜〜〜。
何するんだよ… 」
賢者の石:にゅい
「 にゅいっ!
にゅにゅい!
にゅい〜~ 」
マオの顔面を狙い体当たりをかましたにゅいは、ジャンプをしながら、マオから遠退いて行く。
マオ
「 ………………。
何だよ?? 」
然し、にゅいの懸命な頑張りも虚しく、マオには通じない。
ディクノシズムタ
「 ………………。
マオ──、何かを伝えたいんじゃないのか?
後を追ってみたらどうだ? 」
マオ
「 ムタさん?
…………分かったよ。
にゅい、今から行くからな 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい 」
ディクノシズムタのナイスアシストで、マオはにゅいの元へ歩いた。
マオを隙間のある床まで誘導すると、床の上でジャンプを始めた。
マオ
「 にゅい??
……もしかして、此処が怪しいのか?? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅにゅい!! 」