丸々と肥えてしまった所為もあり、残念ながら老い耄れハッスル爺達は自分の両足が消えていく様を見る事が出来ない。
セロフィート
「 ………………。
これでは “ 達磨 ” と言うより風船……。
人間で達磨を作るのは難しいです。
上手くいかない所が面白いですけど。
折角ですし、口元は縫い付けてしまいましょう 」
そう言うと、セロフィートは古代魔法を発動させる。
何処からか、針と丈夫な糸が現れ、老い耄れハッスル爺達の口元を縫い付け始めた。
口元を縫い付けられてしまった老い耄れハッスル爺達は、呼吸するには困らないものの声を出せなくなってしまった。
セロフィート
「 これで完成としましょうか 」
セロフィートが古代魔法を発動させると、室内に様々な武器が現れた。
セロフィート
「 ──さて、捕らわれの身だった貴女達は、彼等から解放されました。
此方の武器はワタシから貴女達へのプレゼントです。
此等を使って彼等を好きにしなさい 」
姿が見えない者からの思いがけないプレゼントの数々に、真っ裸の女性達や子供達は戸惑っていた。
自分達を今まで虐げていた老い耄れハッスル爺達の体型が良くなっていく様子を見ていた時は絶望的な気持ちが芽生えたが、徐々に太り出し、ぶくぶくな体型になり、そのまま両腕だけではなく両足までも消えてしまい、口まで縫い付けられてしまった老い耄れハッスル爺達を目の当たりにして、底知れない恐怖を感じた。
挙げ句の果てには、見た事も無いような立派な凶器が、パッと現れたのだ。
「 プレゼント 」だと言われても、何に対して使えというのか分からない。
人知では理解の出来ない現象が目の前で起こっているのに、恐怖を抱かない方が異常である。
セロフィート
「 1番大切な事を最後にしてしまいました 」
そう声が聞こえると、恐怖で怯え、震えていた女性達や子供達の容姿が一瞬にして変わった。
汚れて穢かった身体は、入浴を終えた後のように綺麗になっており、髪も爪も整っていた。
擦り傷,掠り傷,虐待で付けられた傷等の痕が残らず綺麗に治癒しており、臭い臭いもしない。
真っ裸だった身体には、触り心地の好い生地で袖付のスリップ── アルプスの少女ハイジが着ていた白い下着(?)に3分袖が付いている ──のような衣服を着ていた。
セロフィート
「 ワタシからのサービスです。
彼等は貴女達に託します。
どんなに刺しても死にません。
好きにしなさい 」
それだけ言うとセロフィートは姿を消したまま、老い耄れ爺達がハッスルしていた部屋を出た。
自由の身となった女性達,子供達が、その後どうしたのかと言うと────。
──*──*──*── 地下室
セロフィート
「 ──さて。
次は彼等の掃除ですね。
マオが来る前に片付けてしまいましょう 」
セロフィートが古代魔法を発動させると、地下室の様子が一変し、別の意味で地獄絵図と化した。
捕らわれの身だった〈 ノマ 〉達は小綺麗になり、突如現れた様々な武器を手に取ると、今まで自分達を好き勝手に虐げてきたマギ法ほうタ使つかい達たちとマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならい達たちに襲おそい掛かかったからだ。
今いままでの恨うらみを晴はらすかのように、大おお声ごえで叫さけびながら、大おお粒つぶの涙なみを流ながしながら、人にん間げん達だる磨まのな・り・そ・こ・な・い・達たちをザシュ──と斬きり付つけたり、ザクザクと刺さしたりを繰くり返かえしている。
人にん間げん達だる磨まのな・り・そ・こ・な・い・達たちに付ついていた男おとこの象しょう徴ちょうは切きり落おととされ、口くちの中なかに押おし込こまれている。
無ム理リ矢ヤ理リくわえさせられた男おとこの象しょう徴ちょうが口くちから落おちないようにと、御ご丁てい寧ねいに縫ぬい付つけ直なおされている。
人にん間げん達だる磨まのな・り・そ・こ・な・い・達たちの後うしろの穴アナには、長ながくて太ふとい槍やりが奥おくまで入いれられており、穴アナからは真まっ赤かな血ちが駄だ々だ漏もれしている。
小こ汚ぎたない冷つめたい石いし畳だだみの床ゆかは、赤あか黒ぐろい血で汚きたなく汚よごれていた。
人にん間げん達だる磨まのな・り・そ・こ・な・い・達たちを攻こう撃げきしている〈 ノマ 〉達たちは、返かえり血ちを浴あびながらも、物もの凄すごい形ぎょう相そうで刺さし続つづけている。
其そ処こには大人おとなも子こ供どもも関かん係けい無なく、彼かれ等らの行おこなう酷むごい仕し返かえしを止とめる者ものも、諌いさめる者ものも誰だれも居いなかった。