♥ 人形とティータイム 5
マオ
「 セロ!
ほらっ、便所と広間の位置が変わったろ?
一寸見てたんだよ 」
セロフィート
「 それは後でも良いでしょう? 」
マオ
「 う゛っ…そうなんだけど……。
なぁ、壁に掛けてある絵画ってさ…、全部本画なのか? 」
セロフィート
「 まさか。
全て複写です。
本画は然るべき場所で、きちんと保管してます 」
マオ
「 …………って事はさ、本画……だよな? 」
セロフィート
「 はい?
複写ですけど 」
マオ
「 だってさ、本画を大量生産するんだろ??
本画と区別が付かないじゃんか! 」
セロフィート
「 ………………。
確かにマオの言う通り、 “ 複写と複写番号を明記しなければ、本画扱いですけど、其処は抜かりないです。
マオが心配する事はないですし、安心してください 」
マオ
「 …………う、うん… 」
セロフィート
「 マオ、宿泊室へ戻りましょう。
にゅいを慰めてあげてください 」
マオ
「 うん…… 」
マオとセロフィートは2階へ行く為に階段を上がった。
──*──*──*── 2階・廊下
セロフィート
「 『 ≪ ダンジョン ≫へ行く 』と言ってましたね。
早速武器の熟練度を上げます? 」
マオ
「 うん。
そのつもりなんだ。
折角星の付いてる武器が買えたんだもん!
上げまくろうと思ってるんだ! 」
セロフィート
「 そうですか。
頑張ってください 」
マオ
「 セロも≪ ダンジョン ≫に入ってくれるんだろ? 」
セロフィート
「 ワタシは行きません 」
マオ
「 は?
な、何で?? 」
セロフィート
「 《 画廊喫茶 》を開く為には、先ず物件を探して借りなければ始まりません 」
マオ
「 オレとにゅいが≪ ダンジョン ≫へ行ってる間に探して来るのか?
もう直ぐ18時になるじゃないか。
開いてる不動産屋なんてあるのか?? 」
セロフィート
「 どうでしょう?
楽しみにしていてください 」
マオ
「 『 楽しみに 』って言われても……。
不安しかないんだけど…… 」
セロフィート
「 マオの心配性さん 」
セロフィートはクスリ…と笑うと右手の人差し指でマオの頬を優しくつついた。
マオ
「 だってさ…(////)」
セロフィート
「 マオ、ワタシは吟遊大詩人です。
話術は意外と得意です 」
マオ
「 セロ……。
( だから余計に心配なんだよ…。
セロじゃなくて、相手がさ!! )」
セロフィート
「 マオ──、君が≪ ダンジョン ≫から戻って来たら、一緒に温泉へ入りましょう 」
マオ
「 え?! 」
セロフィート
「 どうしました? 」
マオ
「 入ってくれるのか? 」
セロフィート
「 約束しましたし 」
マオ
「 うん!!
楽しみだよ!(////)
よーし!
張り切って武器の熟練度、上げるぞーーーーっ!! 」
セロフィート
「 頑張ってください。
ワタシもマオと温泉へ入るの楽しみです 」
宿泊室の前に着いたマオは右手でドアノブを掴んで回した。
ドアを開けたマオはセロフィートを先に宿泊室へ入らせた。
セロフィートが宿泊室へ入ったのを確認したマオは、自分も宿泊室へ入り、ドアを閉めた。