ディクノシズムタ
「 マギ法ほうタ使つかいが行おこなう賢けん者じゃの石いしの錬れん成せい方ほう法ほうを知しれば、君きみマオの考かんがえ方かたも変かわるだろう 」
マオ
「 ………………。
ムタさんは知しってるんだね。
オレにも教おしえてくれる? 」
ディクノシズムタ
「 そう言いっている。
マ魔まギ法ほうタ使つかいが密ひそかに行おこなっている賢けん者じゃの石いしの錬れん成せい方ほう法ほうは、マオが話はなしてくれた方ほう法ほうとは異ことなる。
マ魔まギ法ほうタ使つかいが賢けん者じゃの石いしの錬れん成せいに使つかう材ざい料りょうは──、人にん間げんだ 」
マオ
「 ………………は?
人にん間げん??
人にん間げんが材ざい料りょうなの?? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅ~~い? 」
ディクノシズムタ
「 そうだ 」
マオ
「 …………どゆこと?? 」
ディクノシズムタ
「 人にん間げんを使つかい錬れん成せいする事ことになった経いき緯さつは俺おれ達たちにも分わからない。
何い時つからかマ魔まギ法ほうタ使つかいは、人ひと知しれず身み寄よりの無ない孤こ児じニターンや浮ふル浪ろうーロ者しゃニを集あつめ出だした。
素そ質しつを持もつ者ものは仲なか間まにし、素そ質しつを持もたない〈 ノマ 〉は賢けん者じゃの石いしを錬れん成せいする為ための材ざい料りょうにされるようになった 」
マオ
「 …………嘘ウソ…だろ??
マ魔まギ法ほうタ使つかいが、そんな非ひ道どうな事ことを…… 」
ディクノシズムタ
「 信しんじられないかも知しれないが、全すべて事じ実じつだ。
俺おれ達たちも嘗かつては材ざい料りょうとされる被ひ害がい者しゃだった。
我われ等らは非ひ人じん道どう的てきに行おこなわれる賢けん者じゃの石いしの錬れん成せいを阻そ止しする為ために此こ処こに居いる。
助たすけ出だした〈 ノマ 〉は我われ等らが保ほ護ごする事ことになっている 」
マオ
「 …………そんな…事ことって!!
じゃあ、中なかに入はいったセロを止とめないとっ!! 」
ディクノシズムタ
「 あの白しろい超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタか? 」
マオ
「 そうだよ! 」
ディクノシズムタ
「 助たすける──なら分わかるが…『 止とめる 』とは… 」
マオ
「 うぅ……。
セロの性せい格かくに問もん題だいがあって…。
兎とに角かく──。
ムタさん、急いそいで家いえの中なかに入はいろう!! 」
マオは言いうが早はやいか、駆かけ出だしていた。
家いえのドアの前まえに立たったマオは、ドアノブを掴つかむ。
ドアノブを回まわすとドアが僅わずかに動うごいた。
どうやら鍵かぎは掛かかっていないようだ。
若もしかしたら、先さきに家いえの中なかへ入はいったセロフィートが、ドアの鍵かぎを開あけといてくれたのかも知しれない。
マオは覚かく悟ごを決めめてドアを開あけた。
──*──*──*── 家の中
外そとの面めん倒どう事ごとはマオへ任まかせた──と言いうか丸まる投なげしたセロフィートは転てん移い魔ま法ほうを発はつ動どうさせると、易やす易やすと甚いとも簡かん単たんに家いえの中なかへ侵しん入にゅうした。
1階かいの室しつ内ないを隅すみから隅すみまで全すべて調しらべてみるも、人ひとっ子こ1人り見み当あたらない。
当とう然ぜんの如ごとくセロフィートは動うごき回まわらない。
古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせ、室しつ内ないを調しらべたのである。
セロフィート
「 成なる程ほど…。
皆みんな揃そろって地ち下か室しつですか。
あぁ…ドアの鍵かぎは開あけておきましょう。
マオが入はいれないのは可か哀わい想そうですし 」
セロフィートは古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせると、後あとから入はいって来くるであろうマオの為ためにドアの鍵かぎを外はずしてあげた。
地ち下か室しつの入いり口ぐちを見み付つけたセロフィートは、1人りで地ち下か室しつへ下おりる事ことにした。
──*──*──*── 地下室
古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせ、足あし音おとと姿すがたを消けしたセロフィートは、階かい段だんを下おりて地ち下か室しつへ向むかった。
地ち下か室しつからは複ふく数すうの男おとこの声こえと複ふく数すうの女おんなの悲ひ鳴めいやら喘あえぎ声ごえ,子こ供どもの泣なき声ごえが響ひびいていた。
男おとこの声こえの正しょう体たいは、どうやらマ魔まギ法ほうタ使つかいやマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいである事ことが判はん明めいした。
みすぼらしい布ぬの切きれを着きせられた、小こ汚ぎたない女おんな,子こ供どもを相あい手てにして、お楽たのしみの真まっ最さい中ちゅうのようだ。
小こ汚ぎたない男おとこ達たちは、暴ぼう力りょくという名なの拷ごう問もんを受うけている。
地ち下か室しつには、マオには見みせたくない光こう景けいが広ひろがっていた。
セロフィート
「( …………。
こんな事ことだろうと予よ想そうはしてましたけど…、此こ処こまで酷ひどいとは……。
このような光こう景けいをマオには見みせられませんね。
マオが来くる前まえに掃そう除じをするとしましょう。
マオが助たすけたマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいと彼かれの師し匠しょうを探さがしますか。
──さて、何ど処こに居いるのか…… )」
セロフィートはマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいと師し匠しょうを探さがす事ことにした。
とは言いってもセロフィート自じ身しんが態わざ々わざ動うごいて探さがす必ひつ要ようはなく、古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせれば、何ど処こに居いるのか直すぐに分わかる。
セロフィート
「( ──おや、1人りだけ牢ろう屋やへ入いれられてますか。
マ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいのようです。
行いってみますか )」
セロフィートはマ魔まギ法ほうタ使つかい見み習ならいが入いれられている牢ろう屋やへ向むかう事ことにした。