♥ 人形とティータイム 2
セロフィート
「 ──中には≪ 魔界 ≫≪ 竜界 ≫≪ 冥界 ≫≪ 妖界 ≫≪ 亜人界 ≫≪ 人間界 ≫といった様々な世界とも交流している≪ 天界 ≫もあります。
≪ 天界 ≫に間へ入ってもらい他の世界と交流している世界もあります 」
マオ
「 へぇ……。
≪ 人間界 ≫は分かるけどさ……、≪ 魔界 ≫≪ 竜界 ≫≪ 冥界 ≫≪ 妖界 ≫≪ 亜人界 ≫ってどんな世界なんだ?? 」
セロフィート
「 そうですね……。
ワタシが教えなくてもマオが〈 皇 〉になりさえすれば、全て思い出します。
それ迄の “ お楽しみ ” にしてはどうです? 」
マオ
「 嫌だよ!
オレは〈 皇 〉にならないの!!
セロの口から聞きたいんだ。
…………オレに話すの面倒なのか?? 」
セロフィート
「 そんな事ないです。
話すのは構いませんけど……。
( そう、ですね……。
此処で話す事でマオの気持ちに何等かの変化が起こるかも知れません……。
〈 皇 〉になる事に対して、少しでも前向きな気持ちに好転する切っ掛けとなるなら……。
ワタシの立場からすれば、この場を上手く利用して、マオの後押しをするべきです……。
………………不本意ですけど…。
でも…それこそが…〈 久遠実成 〉からワタシに与えられた唯一の使命……。
…………………………はぁ……。
マオには心変わりしてほしくないんですど……。
こればかりは致し方無い…… )
──良いでしょう。
≪ 魔界 ≫≪ 竜界 ≫≪ 冥界 ≫≪ 妖界 ≫≪ 亜人界 ≫について、簡単に教えましょう 」
マオ
「 本当か??
やったーーー!!
有り難な、セロ! 」
セロフィート
「 どう致しまして…… 」
セロフィートは心にもなく、マオヘ微笑んでみせた。
マオからすれば、ふんわり…と優しく微笑まれた所為で、見惚れている内に椅子からズリ落ちそうになっていた。
セロフィート
「 マオ?
どうしました?
大丈夫です? 」
急に変な体勢となったマオヘ、如何にも「 心配してますよ 」感を出している声色で声を掛け、如何にも「 心配してますよ 」感を漂わせた表情で、マオを見詰める。
セロフィートは長い右腕を咄嗟に伸ばしており、右手でマオの左腕を掴んでいた。
セロフィートが左腕を掴んでくれたお蔭もあり、マオは椅子からズリ落ちずに済んだ。
マオ
「 セロ〜〜(////)」
嘘も偽りもない嬉しそうな表情で、マオは手を伸ばして助けてくれたセロフィートを見詰める。
セロフィート
「 危なかったですね、マオ。
椅子に手摺を付けるとしましょう。
そうすればバランスを崩して椅子から落ちる事もないでしょう 」
マオ
「 うん(////)
ならさ、序でに椅子の座る部分をもう少し広くしてほしいんだけど……、駄目かな?? 」
セロフィート
「 分かりました。
マオの思いを汲みましょう 」
マオ
「 ありがと! 」
セロフィート
「 他に気になる箇所はないです? 」
マオ
「 う〜ん……箇所って言うか……。
食堂の横が便所なのが嫌かなぁ…。
便所の前を通って食堂に行くのって気分的に一寸……。
出来るなら場所を変えてもらえたら──て思うんだけど…… 」
セロフィート
「 ははぁ。
そうですか…。
分かりました。
では…便所と広間の場所を入れ換えるとしましょう 」
マオ
「 いいの?! 」
セロフィート
「 簡単です。
瞬きしてる間に済みます。
折角入れ換えるわけですし、便所の出入り口は、玄関から見えないようにしましょう。
広間の横に廊下を作ります。
玄関の前は壁になります。
唯の壁だと味気無いですし、壁には絵画を掛けてみましょうか。
玄関から直ぐの壁一面と干し部屋,洗濯室の壁一面にも絵画を掛けてみましょう 」
マオ
「 それだと何か美術館っぽくなりそうだな〜〜 」
セロフィート
「 ふふふ。
実際に美術館で展示されていた絵画を壁に掛けるのです。
小さな画廊になるでしょうね。
どうせなら広間と食堂の壁にも掛けてみましょう。
有名な絵画を愛でながら食事をしたり、寛ぐ事が出来れば、少しは気分も晴らせられるでしょうし? 」
マオ
「 うん。
殺風景な壁を見ながら食事するよりは良いかも!!
でもさ、痛んだりとかしないかな?
絵画に臭いが付いたりとか…… 」
セロフィート
「 其処は心配無用です。
保存状態は完璧です 」
マオ
「 それなら安心だな! 」
セロフィート
「 全ての見取り図の中身も変更します 」
マオ
「 今夜から間取りが変わるんだな 」
セロフィート
「 ふふふ。
もう変えました 」
マオ
「 え゛?!
も…もう??
早いな…… 」