──*──*──*── 洗面脱衣場
通常は浴場から出ると湯冷めをしてしまう所だが、宿屋全体が快適な温度と湿度に設定されている事もあり、湯冷めの心配はしなくても良いようになっている。
真っ裸でも快適に過ごせる環境が作られている──という事だ。
浴場から出ると床が水浸しにならないようにと、吸水性の高いバスマット── SUSUバスマットみたいな感じ ──が敷き詰められている。
マットの下には吸水性の高い珪藻土マットも敷かれている。
その下には風通しを良くする為に簀も敷かれている。
床の上に簀が置かれ、その上に珪藻土マットが敷かれ、更にその上にバスマットが敷かれている──という事だ。
然も、簀,珪藻土マット,バスマットは手入れや掃除をする必要が一切ないようになっている。
ゴミ,埃,抜毛等が落ちてもホニャラホニャラ──なのである。
マオは着替えを置いた棚の前に立つ。
着替え一式は、用意されている籠の中に入っている。
籠の中に入っているバスタオルは、バスタオル専用の棚に置かれてあるバスタオルだ。
予め使用する1枚を取り、籠の中へ入れておくのである。
マオが腰巻きに使ったフェイスタオルも、フェイスタオル専用の棚に置かれている物だ。
ふっわふわで触り心地の好い吸水性も高いバスタオルを使い、全身の水滴を拭き取った。
着替えを持って来たマオだったが、折角温泉に入ったのだからと、温泉浴衣を着る事にした。
温泉浴衣専用の棚に置かれている温泉浴衣も自由に着用してもいいようになっており、様々なサイズの温泉浴衣が取り揃えられている。
その中には勿論、マオに合うサイズもある。
下着の上に温泉浴衣を着たマオは、使用済みのバスタオルとフェイスタオルを専用の籠の中へ入れた。
籠の底には魔法陣が描かれており、一定量になると、魔法陣の中へ消える仕組みになっている。
勿論、温泉浴衣用の篭もある。
魔法陣の中へ消えたバスタオル,フェイスタオル,温泉浴衣は、魔法陣の中で綺麗になり、折り畳まれた清潔な状態で、其々の棚へ戻るようになっている。
棚板の下側には魔法陣の中が描かれており、折り畳まれた清潔な状態で上から落ち、積み重なるようになっている。
使う時は下から順に抜いて使う事になっている。
マオ
「 着替え……、宿泊室に戻して来ないとな 」
マオはにゅいを右肩に乗せたまま、使わなかった着替えを持って洗面脱衣場を出た。