マオ
「 ええと──、最後の質問の『 お前の目的は何だ 』に対しての答えだけど……。
オレは──、オレが助けたマギ法ほうタ使つかい 見み習ならいと彼かれの師し匠しょうを助たすける為ために、セロとにゅい賢者の石と一いっ緒しょに此こ処こへ来きたんだ。
セロが『 掟おきてを破やぶったマ魔まギ法ほうタ使つかいは弟で子しの末まっ端たんまで殺ころされる 』って言いったから──。
…………ムタさん達たちは…この家いえで暮くらすマ魔まギ法ほうタ使つかい達たちを殺ころしに来きた人ひと達たち……なんだよね?? 」
ディクノシズムタ
「 ………………。
そうだ。
掟おきてを破やぶったのは彼かれ等らの方ほうだ。
部ぶ外がい者しゃには引ひいてもらいたい 」
マオ
「 …………部ぶ外がい者しゃ…か。
ムタさんの言いう通とおりだよ…。
オレは部ぶ外がい者しゃだよな……。
だけど──、 “ 助たすけた相あい手てが殺ころされる ” って知しって、知しらん顔かおなんて出で来きないんだ!!
ムタさん達たちには、其そ処この黄おう金ごんを持もって手てを引ひいてほしい。
そだけの黄おう金ごんがあれば、一いっ生しょう遊あそんで暮くらせるよね?
今こん回かいは目めを瞑つむってよ! 」
ディクノシズムタ
「 ………………。
それは出で来きない…。
今いままで続つづけて来きた任にん務むを今こん回かいに限かぎり見み逃のがす事ことは出で来きない 」
マオ
「 …………そんな事こと言いわれたら、オレはムタさん達たちと戦たたかわないといけなくなるよ… 」
ディクノシズムタ
「 致いたし方かた無ない事ことだ。
我われ等らの敵てきとなるならば、任にん務むを遂すい行こうさせる為ためにも戦たたかうしかあるまい 」
マオ
「 …………絶ぜっ対たい的てきに勝かち目めが無ないって分わかっていても、オレ達たちに牙きばを向むけるの?
何なんで……自じ分ぶんや仲なか間まの命いのちを掛かけてまで、マ魔まギ法ほうタ使つかいを殺ころすんだよ?!
賢けん者じゃの石いしを作つくろうとしただけで、何なんで殺ころされなきゃいけないんだよっ!! 」
ディクノシズムタ
「 ………………そうか。
お前まえ──いや、マオ。
君きみは “ 偉い大だいなる錬れん金きん術じゅつ師し ” なのだろう?
ならば、賢けん者じゃの石いしが…何どのような手て順じゅんで作つくられるのか知しっているだろう 」
マオ
「 ………………うん。
知しってるよ。
セロに手て伝つだってもらったからな! 」
ディクノシズムタ
「 ──ほう?
超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタも携たずさわっているのか… 」
マオ
「 当あたり前まえだろ。
オレ1人りじゃ、賢けん者じゃの石いしは作つくれないんだ。
( 大だい体たいさ、賢けん者じゃの石いしを作つくってくれたのセロだもんな〜〜 )」
ディクノシズムタ
「 ならば、賢けん者じゃの石いしを何どのように作つくったのか、此こ処こで我われ等らに話はなしてみろ 」
マオ
「 え?
……別べつにいいけど……。
ええと、先まずは…確たしか──。
〈 クォーム原げん質しつ 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつの硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうに、〈 クォーム原げん質しつ 〉以い外がいの原げん質しつで構こう成せいされた物ぶっ質しつを使つかって精せい製せいさせるんだけど……、〈 クォーム原げん質しつ 〉で構こう成せいされたこ・の・世せ界かいには、〈 クォーム原げん質しつ 〉以い外がいの原げん質しつで構こう成せいされた物ぶっ質しつが存そん在ざいしないから、セロに超ちょうトラン越えつセンド魔ま法ほうマジックを使つかってもらって、〈 テフ 〉って呼よばれる〈 原げん質しつの源みなもと 〉を使つかったんだ。
〈 クォーム原げん質しつ 〉で構こう成せいされた物ぶっ質しつの硫い黄おう結けっ晶しょうと水すい銀ぎん結けっ晶しょうを〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉と精せい製せいさせて、賢けん者じゃの石いしを作つくったんだ。
それがオレが名な付づけたにゅい賢者の石だよ。
生いき物ものは溶とかして消しょう化かしちゃうけど、物ぶっ体たいを黄おう金ごんへ変かえる事ことが出で来きるんだ。
あっ…でも、賢けん者じゃの石いしも万ばん能のうじゃないから、病やまいを治なおす万まん病びょう薬やく,状じょう態たい異い常じょうを治なおす万ばん能のう薬やく,人にん間げんを不ふ老ろう不ふ死しにする霊れい薬やくとかは作つくれないんだけど…… 」
ディクノシズムタ
「 ……………………。
硫い黄おう結けっ晶しょう??
水すい銀ぎん結けっ晶しょう??
原げん質しつ……だと?? 」
マオ
「 そうだよ。
〈 クォーム原げん質しつ 〉以い外がいの原げん質しつで構こう成せいされた物ぶっ質しつが手てに入はいらないから、どんなに頑がん張ばって、努ど力りょくして、追つい求きゅうして、犠ぎ牲せいを払はらっても……『 人にん間げんに賢けん者じゃの石いしは絶ぜっ対たいに作つくれない 』って、セロが言いってた。
( 一寸ちょっと脚きゃく色しょくしちゃったけど……、別べつにいいよな?? )」
ディクノシズムタ
「 ……………………。
マオ──、君きみが話はなしてくれた方ほう法ほうが事じ実じつならば、やはり我われ等らは任にん務むを遂すい行こうさせねばならない。
俺おれ達たちの行おこなって来きた事ことは──、正ただしかったのだと、君きみの話はなしを聞きいて確かく信しんが持もてた。
礼れいを言いおう 」
マオ
「 ──へ?
えっ??
何なんでそうなるの??
何なんで『 止やめる 』って話はなしにならないの?? 」
ディクノシズムタ
「 マオ、君きみは我われ等らの敵てきではない。
君きみマオに危き害がいは加くわえない。
賢けん者じゃの石いしの錬れん成せい方ほう法ほうを話はなしてくれた君きみには、マ魔まギ法ほうタ使つかいが行おこなっている賢けん者じゃの石いしの許ゆるしがたい錬れん成せい方ほう法ほうを教おしえよう 」
マオ
「 へ?? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい? 」
マオ
「 マ魔まギ法ほうタ使つかいの賢けん者じゃの石いしの錬れん成せい方ほう法ほうって、セロが教おしえてくれた方ほう法ほうと違ちがうの? 」
ディクノシズムタ
「 掛かけ離はなれている 」