フィンフィレイナ
「 馬鹿マオ!!
分からず屋っ!! 」
マオ
「 分からず屋で結構だよ!
兎に角、オレはセロに関してだけは絶対に譲らないんだからな!! 」
フィンフィレイナ
「 アンタって本当に大馬鹿者だわ!!
人間が滅んだってアタシには関係無いけど、アンタの我が儘の犠牲者が数え切れない程出る事になるのよ!! 」
マオ
「 そんなのはセロに言われて、とっくに知ってるよ!
オレはもう十分、人殺しだよ。
オレは直接的に関わりはしないけど──。
オレを〈 皇 〉にする為に〈 大陸りく仰こう神しん神しんエルゼシア様さま 〉が『 色いろんな手しゅ段だんを使つかって能はたらかれる 』って言いわれたよ……。
人じん災さい,災さい害がい,天てん災さい,病びょう魔ま,天てん候こう,〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉が起おこす悪あく影えい響きょうを受うけた動どう物ぶつや怪かい物ぶつモンスターの被ひ害がい,〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉を通とおって迷まよい込こんで来きた様さま々ざまな種しゅ族ぞくからの脅きょう威い,大たい陸りく中じゅうで内ない乱らんだって起おこるようになる──って…… 」
フィンフィレイナ
「 だったら!
それが分わかってるんなら── 」
マオ
「 それでも、嫌いやなんだよ!!
オレは〈 皇コウ 〉になる為ために人にん間げんを止やめたんじゃない……。
〈 皇コウ 〉になる為ために家か族ぞくみたいだった伯お父じアルソリュンドさん,マーフィ,ラオインダや友ゆう人じんだったアンリアンジェスリン,セディセレンディエタと “ さよなら ” したんじゃない。
セロと一いっ緒しょに生いきたいからだっ!!
セロの隣となりに居いれるならオレは──、顔かおの知しらない陸りん民みんがどうなったって構かまわないよっ!!
顔かおの知しらない陸りん民みんの為ために、大だい好すきなセロと離はなれて〈 皇コウ犠ぎ牲せい 〉になるなんて、オレはしたくないっ!!
セロだって『 急いそがなくてもいい 』『 無ム理リしなくていい 』って言いってくれてるんだからな!!
………………何なんで…オレなんだよ……。
〈 皇コウ 〉なら他ほかの奴ヤツだっていいじゃんか……。
何なんで…セロとオレを引ひき離はなそうとするんだよ…… 」
フィンフィレイナ
「 仕し方かた無ないでしょ。
アンタは〈 星ほしの核かくコア 〉から生うまれたんだから 」
マオ
「 大だい体たいなぁ、そんなのどうやって分わかるんだよ!
オレは普ふ通つうの人にん間げんだったんだぞ 」
フィンフィレイナ
「 容よう姿しよ。
可か哀わい想そうだけど、マオの身しん長ちょうは伸のびないわ 」
マオ
「 え゛!?
何なんでだよ?? 」
フィンフィレイナ
「 だって〈 皇コウ 〉は、小こ柄がらで華きゃ奢しゃで、背せが低ひくいの。
身しん長ちょうは150cmセンチって決きまってるんだもの。
それに黒くろ髪かみで黒くろい瞳ひとみと来きたら、〈 皇コウ 〉しかいないじゃないのよ 」
マオ
「 そんな……。
オレの成せい長ちょう期き…… 」
フィンフィレイナ
「 諦あきらめなさいよ。
世よの中なかには、どうにもならない事ことってあるのよ 」
マオ
「 …………なぁ、フィン……。
セロはさ…オレが〈 皇コウ 〉だって知しってたのかな…… 」
フィンフィレイナ
「 はぁん?
アタシが知しるわけないでしょ!
そんなのセロ様さまに聞きいてみたらいいじゃないのよ。
まぁ、本ほん当とうの事ことをセロ様さまが言いうとは思おもえないけど! 」
マオ
「………………。
( セロ……。
初はじめからオレが〈 皇コウ 〉だって知しってて近ちか付づいたのか?? )」
フィンフィレイナ
「 んふぅ〜〜〜(////)
それにしても長なが風ぶ呂ろって良いいわね〜〜♪♪♪
何なん時じ間かんでも入はいってられるわ〜〜〜(////)
あっ、マオは先さきに出でてもいいわよ〜〜〜 」
マオ
「 オレの話はなし、未まだ終おわってないんだけど! 」
フィンフィレイナ
「 知しらないわよ、もぅ〜〜〜。
アンタと話はなしても埒らちが明あかないんだから!
知しりたい事ことはセロ様さまに聞ききなさい!!
こんのっセロ様さまキチガイ!! 」
マオ
「 キ、キチガイ?!
酷ひどい!! 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい〜〜? 」
今いままで大人おとなしく温おん泉せんの湯ゆで泳およいだり、潜もぐったりして楽たのしんでいたにゅい賢者の石は、「 もう出でるの〜? 」と言いっているようだ。
マオ
「 ………………オレの両りょう親しんはエルゼシア人じんなんだ。
だからオレもエルゼシア人じんに決きまってる! 」
フィンフィレイナ
「 そ〜〜ね〜〜〜 」
マオ
「 聞きけよ!
オレの話はなしを〜〜〜!! 」
賢者の石:にゅい
「 にゅいにゅいにゅ〜い 」
マオ
「 ん??
にゅい、どうしたー?
もう出でたいのか? 」
賢者の石:にゅい
「 にゅ〜〜い〜〜〜 」
マオ
「 もしかして……、オレの話はなし相あい手てになってくれるのか? 」
にゅい
「 にゅい! 」
マオ
「 ハハハ(////)
有あり難がとな、にゅい。
もう上あがろっか 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい〜〜〜?? 」
マオは湯ゆに浮ういているにゅい賢者の石を両りょう手ての上うえに掬すくい上あげた。
マオ
「 フィンの分ぶんまで、全ぜん部ぶ食たべてやるんだからな!! 」
フィンフィレイナ
「 言いってなさ〜〜い 」
フィンフィレイナは濁にごり湯ゆに確しっかり肩かたまで浸つかりながら、「 さっさと出でてけ 」と言いうかのように手てを振ふり、マオを追おい払はらう為ための仕し草ぐさをした。
マオ
「 急いそいで出でて来きたって、セロの料りょう理りは無ないんだからな! 」
相あい手てをしてくれなくなったフィンフィレイナへ負まけ惜おしみのような言こと葉ばを吐はいたマオは、浴よく場じょうを出でたのだった。