マオ
「 ふーん…………。
フィンはさ、オレを〈 皇 〉にしたいの?
今の≪ エルゼシア大陸 ≫が──、〈 皇 〉の居た時みたいに、他の大陸と交流が出来るようになった方が良い──って思ってんのかよ? 」
フィンフィレイナ
「 まるで反抗期のお子ちゃまね、マオ!
≪ エルゼシア大陸 ≫は〈 真の持ち主 〉である〈 皇 〉を必要としてるわ。
アンタは〈 皇 〉になるべきよ。
その為に≪ エルゼシア大陸 ≫へ戻って来たんだもの。
アンタは〈 皇 〉になる。
どんなに拒否して、避けたって、ならざるを得ないの。
だってね、そうしないと≪ エルゼシア大陸 ≫の陸民は真に救われる事が出来ないんだもの。
本統の正しい宗教も信仰も真理も知らないのに、正しく救われる──って本当に思うの??
正しく救われる方法があるっていうのに、間違った方法を信じて、一生懸命取り組んでるのよ。
“ 憐れ〜〜〜 ” って思わない?
でもね、〈 皇 〉が立てば、憐れな人間が居なくなるの!
〈 神の遣い 〉から真に正しい本統の宗教,信仰,真理を奇蹟を交えて直接教えてもらえる事が出来るようになるの。
〈 信仰神エルゼシア 〉を信じて、〈 エルゼシア教 〉を自ら求めて學ぶ誰もが、〈 信仰神エルゼシア 〉と意思し志しの疎そ通つうが出で来きる〈 霊れい観かん応おう通つう能のう力りき 〉を授さずかれるようになるわ。
過か去こ,現げん在ざい,未み来らいの3時じを見み透とおす〈 信しん仰こう神しんエルゼシア 〉と意い意い思し志しの疎そ通つうが出で来きるようになれば、最さい善ぜんの方ほう途とを教おしえて戴いただけるの。
日にち常じょう生せい活かつや様さま々ざまな職しょく域いきで學まなんだ教おしえを活いかせれば、無ム駄ダを省はぶけて、能のう率りつを増ぞう進しんさせる事ことが出で来きるの。
人にん間げんの限かぎられた人じん知ちでするより、〈 信しん仰こう神しんエルゼシア 〉の智ち慧えとお力ちからを借かりれば、長ちょう所しょは伸のばして戴いただけるし、短たん所しょを長ちょう所しょに変かえて戴いただけるし、個こ性せいも伸のばして戴いただける。
人ひとの何なん倍ばいも世よの中なかのお役やくに立たたせて戴いただけるようにもなる。
総すべての事じ物ぶつ現げん象しょうの義ぎを善ぜん意いに解かいして “ さとる ” 事ことで、人ひととしても大おおきく成せい長ちょうする事ことが出で来きるようになるの。
≪ エルゼシア大たい陸りく ≫の陸りん民みんが救すくわれる為ためには、〈 皇コウ 〉が立たたなければ始はじまらない。
≪ 神しん界かい ≫から〈 神かみの遣つかい 〉が降おりて来こられるように≪ エルゼシア大たい陸りく ≫との道みちを繋つなぐ為ためには〈 皇コウ 〉が立たたないと駄ダ目メなの。
先まずは≪ エルゼシア大たい陸りく ≫に災わざわいを招まねく〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉を〈 神かみの遣つかい 〉に消けして戴いただかないとね。
──って、こんな話はなしはセロ様さまから聞きかされてるから知しってるでしょ?
耳みみタコでしょ?
〈 皇コウ 〉が何どれだけ≪ エルゼシア大たい陸りく ≫に必ひつ要ようとされているのか、マオだって本ほん当とうは分わかってるんでしょ?
それでもアンタは、〈 皇コウ 〉になるのを拒こばんでる。
アンタは自じ分ぶんの我わが儘ままを貫つらぬく為ためにセロ様さまを縛しばってる。
セロ様さまはアンタを気きに入いってるから、セロ様さまからアンタを手て離ばなす事ことはないと思おもうわ。
何なにがあっても絶ぜっ対たいにね。
だから──、マオがセロ様さまから離はなれなさい。
それがセロ様さまの為ためになるの。
アンタが本ほん当とうにセロ様さまを想おもうなら、セロ様さまを突つき放きして〈 皇コウ 〉になりなさい。
そうしないとセロ様さまは── 」
マオ
「 フィン??
セロが何なんだよ? 」
フィンフィレイナ
「 …………………………。
アンタがセロ様さまから離はなれないと──、セロ様さまがアンタに依い存ぞんしちゃうの。
〈 お人にん形ぎょう様さま 〉のセロ様さま達たちは、1万まん年ねんを迎むかえたら、新あたらしく器うつわを作つくり変かえられるのが決きまってる。
今いまのセロ様さまの状じょう態たいで新あたらしい器うつわへ作つくり変かえられてしまったら…… 」
マオ
「 何なんだよ?
何なにか問もん題だいがあるのかよ?? 」
フィンフィレイナ
「 大おお有ありなのよ、馬バ鹿カマオ!! 」
マオ
「 ちゃんと教おしえてくれないと分わかんないだろ!! 」
フィンフィレイナ
「 教おしえたら──、分わかったら──、アンタはセロ様さまから離はなれてくれるの?!
〈 皇コウ 〉になって、セロ様さまを解かい放ほうしてくれるの?! 」
マオ
「 そ、それは…………嫌やだ…よ。
オレはセロと一いっ緒しょに居いたいんだ…。
〈 皇コウ 〉になったら、セロと離はなれ離ばなれになるんだぞ!
〈 皇コウ 〉にはならない!!
セロがオレに依い存ぞんしてしまうっていうなら、依い存ぞんすればいいんだっ!!
オレはその方ほうが嬉うれしい!!
だって、オレはセロだけのマオだし、セロはオレだけのセロなんだ!!
そういう契けい約やくをしたんだからな!!
セロとオレの問もん題だいだろ?
フィンにとやかく言いわれたくないよっ!!
外がい野やは黙だまってろ!! 」
フィンフィレイナ
「 が…外がい野やですって?!
アタシはセロ様さまの為ためを思おもって、アンタに忠ちゅう告こくしてんのよ!! 」
マオ
「 余よ計けいな御お世せ話わだよ!
オレを説せっ得とくするように、セロがフィンに頼たのんだのかよ?
違ちがうだろ!
放ほっといてよ!! 」