♥ 温泉に入ろう 4
フィンフィレイナ
「 一夜の内に国が滅んでしまっても王に文句を言う資格も権利も無いわ。
だって、それは人間には覆せない〈 大陸の法則 〉なんだもの!
大陸で暮らしている以上は〈 大陸の法則 〉に遵って生きるのが絶対のルール。
〈 大陸の法則 〉の前では王だって赤子同然よ。
逆らえないの。
〈 大陸の法則 〉に反すると、その代償は大きいわ。
〈 皇 〉の要求を拒んだなら尚更よ 」
マオ
「 ………………じゃ、じゃあさ……仮にだけど…オレが国王に “ 大陸を返してほしい ” って頼んで、断られちゃったらさ……≪ 王都 ≫は一夜の内に滅んじゃうのか? 」
フィンフィレイナ
「 どうかしら?
マオは未だ〈 皇 〉じゃないし。
セロ様から聞いた話だと、マオの場合は “ 大陸を返還してもらってから〈 皇 〉になる ” らしいじゃないの。
当てはまらないんじゃないかしら 」
マオ
「 そっか〜〜〜。
良かった……。
安心したよ 」
フィンフィレイナ
「 馬鹿ねぇ!
安心してる場合じゃないでしょ!
アンタが “ 〈 皇 〉だ ” って事がバレたら、捕まって処刑されちゃうんだからね!
──まぁ、そんな事はアタシがさせないけど!! 」
マオ
「 フィン?
オレを守ってくれるのか? 」
フィンフィレイナ
「 当たり前でしょ!
“ 大陸の持ち主の〈 皇 〉だ ” って分かってる相手を、見す見す殺させるもんですか!
まぁ、アンタは既に不老不死だから死にやしないけど、アタシの弟分だもの。
守ってあげるわよ。
どんな形であれ大陸に〈 皇 〉が戻って来たんだもの。
罰当たりな人間から〈 皇 〉を守らなくちゃね!
だから、マオは何も心配しなくていいのよ。
光剣騎士団を怖がる必要もないわ。
何時も通りに笑ってればいいの 」
マオ
「 フィン……。
有り難な…(////)」
フィンフィレイナ
「 アタシの弟分って事を光栄に思いなさいよ! 」
マオ
「 うん!
そう思うよ 」
フィンフィレイナ
「 フフン(////)
特別に “ フィン姉ちゃん ” って呼ばせてあげてもいいわよ! 」
マオ
「 フィン…(////)
それは一寸……遠慮したいな… 」
フィンフィレイナ
「 何ですってぇ!
折角アタシが── 」
マオ
「 フィン、一夜の内に国が滅んでしまった後、国民や領土はどうなっちゃうんだ??
隣国が攻めて来たりするのか?? 」
フィンフィレイナ
「 国民は助からないわよ。
国が滅んじゃったんだもの。
当然でしょ〜〜。
一夜の内に滅ぼされた国に軍隊を送り込むような馬鹿な王は居ないわよ。
まぁ……、稀に居るみたいだけど…。
先ずは様子見をするでしょうね。
〈 皇 〉が戻って来た事を知らせる通知が王達の元に届いてるわけだから、察しは付くと思うわよ?
一国が滅んだ後に、どんな行動するのかは王に依って違うのよ。
考え直して領土を返還する王も居るだろうし、他国と結託して、悪者にした〈 皇 〉から領土を守ろうと抵抗する王だって居るわ。
〈 皇 〉も困っちゃうわよね 」
マオ
「 王を複数選ぶと後が大変なんだな…… 」
フィンフィレイナ
「 そうね〜〜。
でも、〈 皇 〉は大変じゃないかも知れないわよ?
色んな〈 皇 〉が居るんだもの。
致し方無く王を複数選ばないといけなかったのかも知れないし、こうなる結果を見越していたから敢えて王を複数選ぶ場合もあるし。
本当のところは〈 皇 〉にしか分からないのよ。
──大陸が〈 皇 〉に返還されないと、他の大陸とも交流が出来ないままなのよ 」
マオ
「 えぇっ?!
そうなの?? 」
フィンフィレイナ
「 そうなのよ。
〈 皇 〉が長期出張で大陸を離れると、他の大陸との交流は出来なくなるの。
これも〈 大陸の法則 〉なのよ。
≪ エルゼシア大陸 ≫の場合は、領海の外に渦巻きを発生させて、他の大陸との交流を一時的に断ってる状態だけど、領海の外に現れる大陸を守る為の手段は渦巻きだけじゃないのよ 」
マオ
「 そうなの?? 」
フィンフィレイナ
「 水上竜巻が大陸を守ってる場合もあるし、巨大で獰猛な怪物並の魚や生物を泳がせて他の大陸からの侵入を防いで、大陸を守る手段もあるわ 」
マオ
「 へぇ……。
そうなんだ…。
じゃあさ、大陸に入れなくなってる場合は、〈 皇 〉が不在中って事なんだ? 」
フィンフィレイナ
「 そうよ。
だから、マオが〈 皇 〉になれば≪ エルゼシア大陸 ≫は他の大陸と交流が出来るようになるのよ 」