♥ 温泉に入ろう 3
フィンフィレイナ
「 セロ様から聞いてないの?? 」
マオ
「 う、うん…… 」
フィンフィレイナ
「 ふ〜ん?
あんまり興味無いわけねぇ〜〜 」
マオ
「 別にそういうわけじゃ…… 」
フィンフィレイナ
「 言いわけなんて要らないわよ。
優しいフィン姉さんが無知なマオに教えてあげるわ! 」
マオ
「 う、うん… 」
フィンフィレイナ
「 大陸が誕生すると “ 〈 皇 〉が立つ ” ってのは知ってる? 」
マオ
「 うん。
それはセロから聞いてる 」
フィンフィレイナ
「 そっ。
なら、いいわ。
〈 皇 〉が大陸に居る間は、何処の大陸も積極的に他の大陸との交流をしているものよ 」
マオ
「 そ、そうなの?? 」
フィンフィレイナ
「 〈 皇 〉の居る大陸には侵略は出来ない事になってるの。
大陸は〈 皇 〉の所有地よ。
〈 皇 〉の庭で悪さをしたら、〈 大陸の法則 〉で厳しく罰せられてしまうの。
〈 皇 〉の存在は絶対だから、大陸を侵略する事も大陸で悪さをする事も出来なかった。
だから、安心して他の大陸とも交流が出来ていたのよ 」
マオ
「 〈 皇 〉って凄いんだな…… 」
フィンフィレイナ
「 そうよ。
ただ…〈 皇 〉が大陸から離れないといけなくなる時が不意に来るのよ 」
マオ
「 ──あっ、それ、知ってるよ!
出張するんだろ? 」
フィンフィレイナ
「 あら、知ってたのね。
〈 皇 〉が長期出張で大陸を離れないといけなくなると、〈 皇 〉は限られた短い期間の中で、自分の留守中の大陸を任せられる相手を探し出さなければならないの。
これが大陸に王が立つ始まりなの。
〈 皇 〉が選ぶ王は必ずしも1人とは限らないわ。
狭い大陸なら王は1人で十分だけど、大陸の中には物凄く広大な大陸もあるわ。
そうなると〈 皇 〉は複数の王を選んだりするの。
何処 〜 何処までを任せるのか、範囲を決めて王達へ割り当てるのも〈 皇 〉なのよ 」
マオ
「 じゃあ…大陸の中に沢山の国があるのは〈 皇 〉が原因なんだ??
王同士の仲が悪くて、国取り合戦して、国同士で領土の奪い合いをしてるのも、〈 皇 〉が王を複数も選んだのが原因なのか? 」
フィンフィレイナ
「 王の子孫達が本来の使命を忘れて、貪欲になったのが原因よ。
飽く迄も王は〈 皇 〉が大陸へ戻って来る迄の仮の統治者に過ぎないの。
〈 皇 〉が大陸へ戻って来たら、自ら進んで領土を〈 皇 〉へ返還しなければならないの。
待っても返事が来ない時は、〈 皇 〉が直々に国へ訪れて、王へ直接 “ 領土返還 ” を求めるのよ。
素直に返還した方がいいに決まってるんだけど──、王が〈 皇 〉へ領土を素直に返還するなんて事は先ずないのよねぇ〜〜 」
マオ
「 そ、そうなのか?
〈 皇 〉は直々に国へ行って、王様に直接 “ 領土を返してね ” って言うもんなの?? 」
フィンフィレイナ
「 マオみたいに変わった形で大陸へ戻って来た〈 皇 〉は、また違うのかも知れないわね。
人間に生まれて大陸へ戻って来た〈 皇 〉なんて、アタシはマオしか知らないし 」
マオ
「 そうなの? 」
フィンフィレイナ
「 当たり前でしょ〜〜。
アタシの故郷の≪ 妖精界 ≫と交流のあった大陸には、人間に生まれて大陸へ戻って来た〈 皇 〉なんて居なかったもの 」
マオ
「 そうなんだ…… 」
フィンフィレイナ
「 大陸へ戻って来た〈 皇 〉が態々王へ会いに行って大陸の返還を求めたのに断ったりしたら、その国は一夜の内に滅んでしまうの 」
マオ
「 え゛っ?!
国が一夜の内に滅ぶ?? 」
フィンフィレイナ
「 そうよ。
当然の事だわ。
先ず〈 皇 〉が大陸へ戻って来ると、王達の元へ “ 〈 皇 〉が大陸へ戻って来た ” って事を知らせる通知が届くのよ。
王達には、通知が届いた翌日 〜 半年間の猶予期間が与えられるの。
猶予期間って言うのは、自ら領土を〈 皇 〉へ返還する期間の事よ。
それを過ぎると、返還を拒否した王へ直談判する為に〈 皇 〉が直々に国へ足を運ぶのよ。
其処迄させといて、更に返還を拒否するんだものね…… 」