♥ 初めての釜料理 2
──*──*──*── 食堂
マオ
「 えっ?
いいの?? 」
セロフィート
「 勿論です。
マオはゆっくり休んでください。
夕食は何を食べたいです? 」
マオ
「 う〜ん……そうだなぁ…… 」
考えながら自分が座る椅子を引き、腰を下ろして座る。
料理を目の前にしてマオは両目を閉じ、両手の指を胸の前に組み、〈 大陸神エルゼシア 〉に食前の感謝の祈りを捧げた。
セロフィートやフィンフィレイナはしないが、食前,食後に必ず捧げる〈 大陸神エルゼシア 〉への感謝の祈りは、人間だった頃から続けているマオの日課だ。
食前の祈りを終えたマオは、用意していた小皿の上に食べたい料理を乗せる。
パプリカの肉詰めはスープが溢れないように中央が深い小皿に入れた。
小1時間程、食事をしたマオとセロフィートは、昼食を終えた。
使い終わった食器,食具を厨房の流し台へ持って行くのはマオだ。
セロフィートは相変わらず、後片付けの手伝いを一切しない。
──*──*──*── 厨房
マオ
「 ──セロ、この窯ってさ、どうやって使ったらいいんだ? 」
セロフィートが用意してくれた窯を見て、マオは首を傾げた。
セロフィート
「 使い方を覚える序でに釜料理を作りましょう 」
マオ
「 窯料理??
うん!
作る! 」
セロフィート
「 折角ですし、3時のおやつを作りましょう 」
マオ
「 おやつ?? 」
セロフィート
「 はい。
ビスケットと林檎を使います。
マオ、パエリア鍋を持って来てください 」
マオ
「 パエリア鍋だな?
分かった! 」
マオは厨房から収納庫へ移動し、調理器具室へ入って行った。
マオにパエリア鍋を頼んだセロフィートは、薄くて破れない丈夫な透明の袋の中へビスケットを入れる。
両手でビスケットを砕き、ハニーバターを入れ、袋の上から混ぜた。
次に、リコッタチーズとハニーバターに新鮮な牛乳を混ぜておく。
その作業を終えると、まな板の上で新鮮な林檎を薄切りにした。
材料や調理器具は、セロフィートが古代魔法を発動させ、収納庫の調理器具室,生活雑貨室と食糧庫の冷蔵室から必要な分だけ魔法陣を使い此処へ移動させたものだ。
無い物は勿論、〈 原質の源 〉で構成した。
なので、マオに態態パエリア鍋を取りに行かせる必要は、なかったのである。
では何故、マオにパエリア鍋を取りに行かせたかというと、マオが手伝いたそうにしていたからである。
後はマオが取りに行ってくれたパエリア鍋の中にビスケット生地を敷き詰め、薄切りにした林檎をビスケット生地の上に並べ、コアントローをふりかけた後、リコッタチーズとハニーバターを混ぜた牛乳を上からかけ、グラニュー糖をふりかけたら、窯で焦げ目が付くまで焼けば出来上がりだ。
セロフィート
「 パエリア鍋待ちですね。
…………そう言えば、調味料室と香辛料室を忘れてました… 」
うっかりしていたセロフィートは、調味料室と香辛料室のスペースを20帖程ある厨房の中に秒で作る。
取り敢えず、生活雑貨室に置いてあった調味料と香辛料を、調味料室と香辛料室へ移動させた。
マオ
「 ──セロ、パエリア鍋持って来たよ 」
セロフィート
「 有り難う、マオ。
濡れ布巾の上にパエリア鍋を置いてください 」
マオ
「 うん 」
マオは両手で持っているパエリア鍋を濡れ布巾の上へ置いた。
セロフィート
「 パエリア鍋の中に砕いたビスケット生地を敷き詰めます。
その上に薄切りにした林檎を並べます。
コアントローをふりかけます。
リコッタチーズとハニーバターを混ぜた牛乳を上からかけます。
グラニュー糖をふりかけます。
窯の中に入れたら、180度 〜 200度の温度で、焦げ目が付くまで15分 〜 20分程焼けば出来上がりです 」
マオ
「 美味しそうだな♪ 」
セロフィート
「 窯の使い方を教えます 」
マオ
「 うん 」
セロフィート
「 窯を使いたい時は、この上下の摘まみを回します 」
マオ
「 これか? 」
セロフィート
「 そうです。
林檎のお菓子を焼くのに必要な温度を設定する為に摘まみを回します。
180度 〜 200度なので、上の摘まみを180度まで回します。
下の摘まみを200度まで回します。
5分程経てば窯の中が温まります。
窯の中にパエリア鍋を入れて、15分 〜 20分程すれば出来上がります 」
マオ
「 簡単だな〜 」