第四話 (前編)
「はぁ……」
「だ、大丈夫?」
馬車から降りた俺たちはクワイアの町でカトライヤを探すことにした。
さっきからため息しかだしていない俺にアーカイラスは不安げな声で話しかけてくる。
大丈夫じゃないと突っ込みたいが今はその気力すら起こらない。
「十万……はぁ」
「ほら、元気出して。十万くらい吹っ飛んでもカトライヤに頼めば何とかなるって!」
今となってはアーカイラスの優しさが唯一の救いだ。
昔は勇者特権で馬車なんてただで乗り放題だった。
今となっては平民っぽい服、平民っぽい靴、スッカスカの財布。
魔王復活しねぇかな……
さっきからまじまじと魔道具を見つめているアーカイラスに話しかける。
「魔道具の反応はどうだ?」
「うーん、人が多くて、わからないや……」
「そうか……」
クワイアの町は女神伝説が有名らしく、クワイアの町は相当でかい。
そんな中手掛かりもなく探すのは、不可能といっても過言ではない。
だから、魔道具に頼ってはみたものの……
カトライヤの手掛かりはつかめずだった。
「ねぇ、一休みしない?」
アーカイラスは眠そうな顔で話しかけてくる。
こんな提案をするなんて、アーカイラスも馬車の長旅で疲れてるんだな……
「よし、とりあえずそこら辺の店に入ろうか」
カトリエなんて洒落た店があるし、そこに……
カトリエ?いや、まさかな……
少し重めのドアを開け、店内に入ると大きな声が響く。
金髪の長い髪、綺麗な目、エプロンをした。
カトライヤ・アルマゲドンがそこにはいた。
「いらっしゃいませー!え?」
カトライヤは突然現れた俺たちに戸惑い、動きが止まる。
「……久しぶり。カトライヤ」
「あははー本当久しぶりー」
カトライヤに少し早めに店を閉めてもらい、話をすることにした。
店内の席を借り、三人が向かい合う形で座っている。
目の前にはカトライヤが入れたコーヒーの煙がゆらゆらと揺れている。
「なぁ……お前修道女やってんじゃなかったの?」
「やめた」
「やめたぁ!?」
し……信じられん。
勇者時代、毎日祈りをささげてたこいつが?
確かに勇者時代とは全く口調も違うし、何よりこんなところにいるのが何よりの証拠だ。
「なんでやめたんだ?」
その問いを待ってましたと言わんばかりに、カトライヤは答えた。
「この町色々とやばいんだよ」
「え?どういうことなの?」
今まで口を開かなかったアーカイラスが突然口を開いた。
まぁ……騎手の人もこの町にはあまり近づきたくない、って言ってたな。
「この町ここら辺はまだいいほうなんだけど、ルールが厳しいのよ……」
こんな死んだ目をしたカトライヤは初めて見る。
「だから、ここで店を開いてるの。ここの神様信仰はこりごりよ」
「「へー」」
驚いた。
カトライヤからそんな言葉を聞くなんて、何かの間違いなんじゃないのか……
まぁ昔のあの性格よりかはいいか。
そんなことを思いながら、コーヒーを口に運ぶと突然店のドアが開いた。
アーカイラスとカトライヤも入口の方へ向き、びっくりしたような顔をしている。
「あの……今日はもう閉……」
「大変だ!」
突然入ってきた男はそう叫ぶと、こう続けた。
「女神信仰組が!こっちに攻めてきた!」
は?
感想でアドバイス、おかしいところを指摘をしてくれると助かります。
クソみたいな小説ですが、どうか温かい目で見てください。
(二話、三話を編集しました)