第4話 勇者交代?
「1350円で魔女退治をするのも理不尽だが、何故僕を選んだんだ?」
ソラシドは勇者ではあるが、18歳と年下なので、話し方も柔和になる。
「まず第一にこのゲームを知っていて、一度ゲームクリアしている者。第二にそのゲームプレイヤーは男性である事。第三に今もプレイ中で暇である者。この三つを満たした者があなたです」
「そんな条件であれば日本中探したら他にもいるだろ?」
「確かに他三人いました。全員無職の者でしたが、あなたが適任と思ったんっす!」
「だからオナラをするなって! 調子にのった時にタメ語とオナラが出るのか?」
「わかりません。でも本気で協力をお願いしたい事は確かです。ただ一つ忘れていたんですが、魔女退治は僕と一緒に行くのではなく、あなたと仲間達でお願いしたいのです」
「えっ⁉︎ ソラシドは来ないのか?」
「えぇ、こちらの世界で待機しております」
「勇者交代」僕は勇者じゃないがこんな事があっていいのだろうか? 剣も腕っ節も知識もない夏期休暇中の20歳になった大学生の僕が異世界で魔女を倒すなんて、何かの人違いしか思えない。だが・・・
「報酬とかあるの?」
人間の裏側が出てしまった。