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主従萌え女と氷の王子様  作者: 水無 仙丸
第8話「恋の雨」
18/26





 やべえ。

 マジやべえ。

 花火大会の人混みマジパネェ。

「――ごっつぁんです!」

 ある程度の覚悟はしていたけどまさかこれほどとは。

 日本中の人が集まってきてんのかと思うほど、花火大会の会場は大混雑だった。

「ごっつぁんです!」

 河川敷にずらりと並ぶ屋台からの熱気と人混みで、もう夕暮れ時だというのにまだまだ蒸し暑くて、立っているだけで汗が噴き出してくる。

「ごっつぁんです!」

 混雑にうんざりしている俺の隣のアホがさっきからごっつぁんです連発でうるさいんだけど。

「なんだよお前さっきからうるせえな」

「だって恭一様の浴衣姿が神レベルで美しすぎてごっつぁんです!」

「あっそう」

「浴衣の恭一様を眺めながら白飯三杯は軽く食べられますごっつぁんです!」

 メガネ女は、紺地に紫の花が描かれた涼し気な浴衣を着ている。

 やはり女子は浴衣を着るといつもの三割増しで華やかになるので、メガネ&おさげを指定して良かったなとつくづく思った。コイツがメガネ外してめかしこんだら変な輩に声をかけられるに決まってる。祭りの会場で面倒事になるのはゴメンだからな。

「花火は何時から?」

「ええと、十九時半からだそうです」

「まだ少し時間あるな」

「恭一様、あれやりましょうあれっ!」

 メガネ女が嬉しそうに屋台を指さした。

「なんだよウルセーな」

「あそこの金魚すくいやりませんか!」

「えー。やだよ」

「なんでですか、お祭りと言えば金魚すくいじゃないですか」

「持って帰って飼うのとか大変じゃね?」

 メガネ女がぽかんと口を開けた。

 なんだ?

 なんか俺、変なこと言ったか?

「どうしたんだよマヌケ面して」

「やっぱり恭一様はきっちり屋さんですよね! ますます大好きになりました!」


 ――あ、そう。


「……お前が後先考えなさすぎなだけだろ」

 なんかものすごい弱いツッコミになってしまった。

 だって信じられない。

 こんなにはっきりと「大好き」を言えるなんて。

 俺には到底できそうにないことを、さらっとやってのけるメガネ女がまるで異星人のように思えた。

「じゃあ恭一様、スーパーボールすくいしましょうか」

「やらねえよ」

「じゃあヨーヨーつりは?」

「しない」

「なんかやりましょうよ! せっかくお祭りに来たんですからなんかやりましょうよ!」

 浴衣の袖をぐいぐい引っ張られながら、俺は前方にある物を見つけてニヤリと口の端を上げた。

「よし分かった。じゃあこれやろうぜ」

「どれですか?」

 俺が指さす先にあるのは、射的ゲームの屋台だ。

「射的ですか、いいですね!」

「その代わり、やるならきちんと勝敗つけるぞ」

「勝敗?」

「負けた方は罰ゲームとして、勝った方の命令を何でも一つきくこと」

「うわあ、スリルありますねえ!」

 やりましょうやりましょう、とはしゃぐメガネ女には悪いが、俺は射的に関してはかなりの自信がある。

 屋台のオヤジに金を払い、コルク弾を射的銃に詰め込んだ。

「言っとくけど、俺はこれ系、結構得意だからな」

「存じ上げております。恭一様は何でもこなす御方ですから」

 罰ゲームには何を命令してやろうか、と考えながら射的銃を構える。

 ちょうど良さげなキャラメルの箱があったのでそれに狙いを定めた。

 大きさといい位置といい、どう考えてもコレは簡単に落とせる。

 引き金に力を入れたその瞬間、

「……でもよく考えたら私、罰ゲームとか関係なく、恭一様の命令ならいつでも何でもきくんですけどねえ……」

 メガネ女がものすごく小さな声でひとりごちた。

 コルク弾は三発とも外れた。

「あらら、惜しかったですねえ恭一様」

「……お前、さっきの心理作戦か」

「えッ、何の話ですか、なに怒ってるんですか?!」

「今のはナシだ。もっかいやり直す」

「えーダメですよ! ずるいです! 次は私の番です!」

 しぶしぶメガネ女と交代した。

 罰ゲームまで提案しておいて外すとか、めっちゃカッコ悪いんですけど俺。

「――やったあ!!」

 最後の三発目で、メガネ女は小さなクマの人形を倒した。

「ちょ、なに今の。なんかめっちゃ慣れた手つきだったけど」

「実は昔、舞台で射的をやる場面があって、もちろん本番は実際に撃たないんですけど、空き時間にめちゃくちゃ撃ちまくって遊んでたからその成果ですかねえ」

「先に言えよそれ」

 屋台のオヤジから人形を受け取り、メガネ女は「やったー嬉しい!」とはしゃいでいる。

 なんかすっげー悔しい。

「……まあ仕方ねーな。負けは負けだからな。早く言えよ」

「え、何をですか」

「罰ゲーム。何か命令しろよ」

「うえええッ!!」

 そうかそうだった! とメガネ女が赤面しながら目をひんむいた。

「わ、私が王子に命令とかっ、おおおおこがましいですがそれもそれで興奮しますね! ああでもどうしよう何を命令すればいいんでしょうか全然考えてませんでした!」

「十秒以内に命令しないならもうナシだ。十、九、八……」

「わわわーっ! 待って下さい言います言いますから!」

「早く言え」

「……て」

「て?」

「て、て、手を、繋いでもらってもいいですか……」

 メガネ女が、真っ赤な顔でおずおずと右手を差し出してきた。

 ――マジで?

 繋ぐの? ここで?

 なんだこれめっちゃ恥ずかしいんだけど。

「……別にいーけど」

 でも動揺を悟られないように、何気ないふりをしてメガネ女の右手を握った。

 握った瞬間、メガネ女が「うひゃあ」と変な声を出した。

「ほら行くぞ」

「ど、どーしましょう恭一様!」

「何だどうした」

「す、好きな人と手を繋ぐって、こんなにすごいことなんですね!」

「何がすごいんだよ」

「身体に電気が走るとかって表現よく聞きますけど本当なんですね! びっくりした! 手汗かいたらすみません!」

「……いちいち大袈裟なんだよお前は」

「大袈裟じゃないですよ! 好きな人と手を繋いで花火大会なんて夢のまた夢だと思ってましたから!」

「あっそう」

 夢が叶って良かったねと言いながら、そのまま歩き出した。

 手を繋いだ途端に景色が変わって見える、ような、気がするけど、俺はそんなこと絶対に口に出さないからな。


「――あれ?」

 屋台を眺めながらしばらく歩いていると、顔に何かがポツポツと当たった。

 もしやと思って顔を上げたら、周りの人たちもみんな同時に空を見上げていた。

「――やばい、走れ!」

 バケツをひっくり返したような雨、とはまさにこのことだ。

 突然の土砂降りに、花火大会の会場は大パニックとなった。

 河川敷なので雨宿りできるような場所もない。

 橋があればその下で凌げるが、あいにく橋まではかなりの距離がある。

「仕方ない、道路まで出るぞ」

「は、はい!」

「転ぶなよ」

「大丈夫です!」

 雨に打たれながら、人混みをかき分け、俺たちは手を繋いだまま走った。

 これならはぐれる心配もないので、手を繋いでいて良かったなと思った。

「――なんにもねえな、この辺は……」

 会場付近に、雨宿りできるような建物が見当たらない。

 コンビニが何件かあるが、どこも既に大勢の人がすし詰め状態で、店先の軒下すら空いているスペースはなかった。

「あ、恭一様! こっちですこっち!」

 メガネ女が俺の手を引いて走り出した。

 何か手ごろな場所を見つけたらしい。

「ここなら大丈夫です、濡れないですよ!」

 ある建物の、軒下に滑り込んだ。

 確かにここなら雨に濡れない。

 メガネ女は浴衣についた水をハンカチで拭いながら「そう言えば天気予報で台風が近づいてるって言ってたからその影響ですかねえ」などとつぶいやいている。

 コイツがいたって普通の反応だから、俺もあえて何も言わないけど、言わないけど、でもな、俺たちが雨宿りしているこのピンク色の建物は、ここからは看板も何も見えないけれど、これ間違いなく、駐車場にのれんカーテンがついている、アレだぞ。


「――花火、見れなくて残念です……」

 ただの通り雨だと思っていたのに、三十分ほど経っても止まず、遠くから花火中止のアナウンスが聞こえてきた。メガネ女がしょんぼりと顔を伏せる。そんなに見たかったのか。

「ヘコむなよ。八月にも花火大会はいっぱいあるだろ」

「え、また一緒に行ってくれるんですか?」

「もう行かねえ」

「ですよねー……」

 はあー、とメガネ女がため息を吐いた。

 花火がどうこうよりも俺は、さっさとこのピンク色の建物から離れたかった。

 俺たちと同じように雨宿りをしているカップルが、すぐ近くでイチャつき始めた。

 場所を変えたい。

 だけど雨はまだ激しく降り続いている。

「恭一様」

「なんだ」

「あの……さっきの罰ゲーム、まだ有効ですか?」

 なぜかメガネ女の顔が赤い。

 もし良かったら……とゆっくり右手を差し出してきたので、ああそういうことかと理解した。

「罰ゲームの有効期間は五分間だけだからもう無効だ」

「ええええッ! そうだったんですかああ! うわーん残念っ!」

「だからこっからは罰ゲーム関係なしな」

「え?」

 やや乱暴気味にメガネ女の右手をぎゅっと握った。

 そうでもしないと俺まで顔が赤くなってしまいそうだから。

「……大体おかしいだろーが。彼女と手繋ぐのが罰ゲームとか」

 メガネ女が、キラッキラした目で俺を見つめているのを肌で感じたので、あえてそちらは見ずに、降り続ける雨だけを眺めた。


「――なかなか雨止みそうにないからさあ、中に入っちゃおうか」

 すぐ近くで雨宿りしているカップルの、彼女が甘えるように言うのが聞こえた。

「でもここ高いんじゃねえの?」

「あたしね、こないだ友達からここの割引券もらったんだ」

「マジで? すげー偶然じゃん!」

「そうだよー。有効期限近いしさー。使った方が得だよー」

「じゃあ雨宿りがてら、入るか」

「わーい! 入ろう入ろう!」

 カップルは手を繋ぎ、建物の向こう側へと消えて行った。

 どうでもいいけど声デカイんだよお前ら。

 もっとヒソヒソ相談しろよ。

 つか友達から割引券もらうとか不自然すぎるだろ他の男と来た時に入手した割引券じゃねえのソレご愁傷様。

 俺は心の中で悪態吐きながら、メガネ女の方をちらりと盗み見た。

 今の会話はコイツにも聞こえていたのだろうか。

 というか、この建物が何なのか、コイツは気づいているのか、いないのか。

「――あの、恭一様」

 ドキリとした。

 なんだ。

 何を言い出すんだコイツ。

「ひとつ、お願いがあるんですけど……」

 恥ずかしそうに頬を染めながら、上目遣いで俺を見つめてくる。

 やめろよお前。

 手を繋いだままでそんな目をするな。

「わ、私たちって、一応、その、つき合ってますよね」

「ああ」

「クラスメイトとか、友達とかとは、違いますよね」

「そうだな」

「彼氏と彼女の関係になった……んですよね」

「まあな」

「だからその、だからその……」

 もじもじと言いにくそうにしている。

 繋いだ手が急に熱くなってきた。

 なんだコレ。

 どーしたらいいんだコレ。

 そういうのって女の方から言わせていいのか?

 いやでも雨に降られて雨宿りがてらにってそんな安っぽいドラマじゃないんだからとりあえず落ち着けよ俺。

「私のこと、『真知子』って呼んで欲しいんです!」


 ――は?


「恭一様って、いつも私のこと、『おい』とか『お前』とか呼ぶじゃないですか。でもせっかく彼女になったんだし、名前で呼んで欲しいなって……」


 ――あ、そう。


「なんだそんなことか……」

 俺は息を大きく吐き出した。

 もっとスゲーこと言われるのかと思った。

 いや別に期待していたとかじゃないけど決して。

「え、呼んでくれるんですか?」

「はあ。呼び方なんてどうでもいいしな」

「どうでもよくないですよとても重要なことですよ!」

「はいはい分かったよ」

「じゃあ呼んで下さい!」

「ま……」

 あれ、おかしいな。

 なんか声が上手く出ねえ。

「どうしたんですか恭一様」

「……よく考えたら用事もないのに名前呼ぶとか変だろ」

「もー! 恭一様ってばそればっかり! 用事がなくても名前呼んだり電話したりするもんなんですよ恋人同士は!」

「いやいやおかしいだろ、絶対おかしいだろ」

「全然おかしくないですよ早く呼んで下さい!」

「じゃあお前ちょっと向こうむいてろよこっち見んな」

「ひどい! なんでですか!」

「見られてたら呼びにくいんだよ」

「あ、分かりました。じゃあ私が向こうむいてお味噌汁作ってる設定で後ろから恭一様が『真知子』って呼んでくれたら私が『なあにあなた』って振り向くのはどうでしょう」

「そんなアホみたいな設定いらねえんだよ」

 力ずくでぐるんと身体を反転させて向こうをむかせたが、メガネ女はすぐにぐるんと身体の向きをこちらへ戻した。

「遠慮なさらずに! 渾身の新妻役をお見せしますよ!」

「だから役とか罰ゲームとかそういうのいらねえって言ってんだろ向こうむけ!」

 もう一度向こうをむかせたがまたすぐに振り返って「え、今のどういう意味ですか?」とほざいたので、いい加減腹が立った俺は、

「向こうむいてろっつってんだろ!」

 強引に向こうをむかせて、そのまま後ろからメガネ女の身体を抱きしめた。

 これならもう振り返れないだろう。

「……きょっ、恭一様っ!」

「なんだよ」

「こここここれはもしやっ、伝説のあすなろ抱きッ?!」

「うるせーな黙ってろ」

 俺は大きく息を吸い込んだ。

「ま……」

 なんで言えないんだ。

 絶対おかしいだろコレ。

 こういうことは今までスマートにこなしてきたんだ。

 名前を呼ぶくらい簡単だろう。

 一体俺はどうなってしまったんだ。

 こんなこともできないなんて。

 自分の心臓の音がやけに大きく聞こえた。

 密着した身体から俺の鼓動が伝わっていたらどうしよう。

 最悪カッコ悪いじゃないか。

「きょ、恭一様……?」

 何も言わない俺を不審に思ったのか、メガネ女が俺の名を呼んだ。

 すぐ目の前にメガネ女の耳がある。

 ほとんど無意識にその耳たぶに口づけると、腕の中の小さな身体がぴくりと震えるのが分かった。

「――名前は次の花火大会の時に、花火見ながら呼んでやるよ」

 耳元でそう囁けば、メガネ女が耳を赤くして「は、はいッ!」と叫んだ。

 耳にキスはできても名前が呼べないなんて、マジ俺どうかしてるな。

 でもこれが今の俺のギリギリ精一杯だ。

 カッコ悪いけど仕方ない。


「――あ、恭ちゃんと真知子ちゃんだー!」

 聞き覚えのある声に、俺たちは反射的に身体を離した。

「すごーい! 会えちゃうなんて偶然だねー!」

 ビニール傘をさした天坂が、雨の中をニコニコと歩いてきた。

 後ろにはもちろん、浴衣を着た女子の取り巻きたちが数人くっついている。

「良かったね真知子ちゃん、恭ちゃんと一緒に来れて」

「エヘヘそうなんです。おかげさまでエヘヘ」

「それにしてもまたすごいとこで雨宿りしてるね二人とも」

「そうですか?」

 余計なことを言うな天坂。

 頼むから黙れ天坂。

 たぶんコイツまだ気づいてないんだから。

「恭ちゃんもさあ、そんなとこに突っ立ってないでどうせなら中に入ればいいのに」

「ふざけんなよテメエ」

「やだなー照れちゃって。恭ちゃんともあろう人がまさか初めてじゃないでしょ?」

 いや俺が初めてじゃなくてもコイツが初めてかも知れないじゃん。

 って、そういう問題じゃねえんだよ!

 天坂の話に乗ってんじゃねえよ俺!

 しっかりしろ俺!

「ねえねえ真知子ちゃん、ここ休憩できるんだよ知ってた?」

「え、そうなんですか?」

「マジ黙れ天坂ぶっとばすぞ」

「恭ちゃんと一緒に休憩してきなよー。その間に雨も止むだろうし」

「えー知らなかったです。休憩できるんですって恭一様」

「天坂の話を鵜呑みにしすぎなんだよお前は!」

「え、嘘なんですか光輝様?」

「嘘じゃないよ信じてよ~。ほらあっち側に回れば休憩の値段書いてあるから」

「ですって恭一様。あっち側に回って確かめてきましょうか私?」

「行かなくていい! そんなモンねーから!」

「ええー。どっちが本当なんですか?」

「お前は俺の言うことだけ信じてりゃいいんだよ!」

 はた、とメガネ女が動きを止めたが、数秒経ってから徐々に顔を赤くして、「了解いたしましたあ!」と敬礼した。

「さすが恭ちゃんカッコイー!」

 じゃあ頑張って我慢して雨宿りしてねーと天坂は歩いて行った。

 我慢って何だどういう意味だ。

 天坂の周りの女子たちは「あの二人そういう関係だったの?!」「氷の王子についに彼女が?!」「あたし高宮君のファンだったのにショック!」などと騒いでいる。

 なんか、余計な恥をかいてしまったような気がする。

 早くも新学期が憂鬱になってきた。

「恭一様っ、今のめっちゃ男らしかったですキュンとしました!」

「うるせえな黙ってろメガネ女」

「んなッ! メガネ女ってひどい! それ『お前』呼びよりもひどくなってませんか?!」

「こっち見んなメガネ女」

「ひどい!」


 自分で言うのも何だけど。

 今まで俺は、女とのつき合いはスマートにこなしてきたし、

 これからもそうするつもり。

 ――だったはずなのに。


 コイツと出会ってからは全部が想定外だし予定外だし計算外だし。

 おまけになんか俺めっちゃカッコ悪いし。


「でも恭一様、本当に休憩しなくていいんですか?」

「……俺は王子様だからな」

「え、王子様は休憩しないんですか?」

「王子様は……休憩しないだろ」

「うーん、よく分かりませんがやっぱり恭一様は王子様なんですね素敵です!」

「お前がバカなのは知ってたが思ってた以上にバカなんだな」

「エヘヘありがとうございます」

「褒めてねえよ」



 真夏の夜の雨は、まだまだ止みそうに、ない。









第8話「恋の雨」end

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