第4章 おっぱい次元戦線異状なし 後編
一方その頃、おっぱい牧場では……。
「アーーーーーーーーーー! 乳首ーーーーーーーーーー! アーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
おっぱいバトルの敗者であるCが、容赦のない豊満おっぱい強化拷問を受けていた。
揺れる爆乳! 濡れる下腹部! 艶めく金髪! てかつく柔肌!
無限の絶頂の中、Cは今まさに高次おっぱい存在への昇華を果たそうとしていた……自らの使命を思い出そうとしていた! Cはこんなところで終わるような女ではない。自らのナイスおっぱいをもって全次元に愛と平和と母乳を取り戻し、世界の破壊と脱構築を防ぐ!
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! もっとーーーーーーーーー!! もっと揉んでえーーーーーーーーー!!!」
25歳金髪爆乳Hカップセクシーお姉様のCは、あくまでおっぱい次元のCに過ぎない。だが、他次元のCより一足早くワンランク上の高みに到達したおっぱいCは、本来対等であるはずの他次元Cをおっぱい次元に引き寄せる!
それはすなわち、Cを追う各次元の龍の眷属たち、そしてCを慕う騎士団勢も含め、あらゆる実力者たちがおっぱい次元へ集結することを意味していた。今やおっぱい次元こそが、否、もっと言えばCが囚われたこのおっぱい牧場こそが全宇宙の中心なのだ!
「犬! 犬犬犬!」
「モ! モモモモヒカンモヒモヒカンカン!」
「お尻……おっぱい……お尻……」
おっぱい牧場へ引き寄せられ、最初に推参したのは犬次元、モヒカン次元、お尻次元のCだった。示された三人のCのおっぱいCへの忠誠心! だが……。
「アー……ハァ、ハァ……あなたたち、ご苦労……けれど勘違いしてもらっちゃ困るわ……アーッ! ……ここはおっぱい次元なの、あなたたちに必要なのは、アッ、おっぱい力の高さであって、わたしへのアッー、アーー! ……個人的な忠誠心ではないのよ……アー!!!」
おっぱいCは全自動おっぱい拷問機に身を委ねたまま不届きな犬CとモヒカンCを殺人母乳で粛清! 唯一合格と認められたお尻Cを抱き寄せ、互いのおっぱいとお尻を揉み合う。
「お尻には……アッ、おっぱいの……アー!! 後継者の資格がある、期待しているわ」
「光栄です、おっぱい様」
お尻CはこうしておっぱいCの側近となり、おっぱい窒息死した牧場職員たちに代わって牧場のおっぱい拷問器具の管理をすることになった。おっぱいCは高次存在への昇華と引き換えに、快楽と使命の檻から抜け出せなくなってしまったのだ。牧場から外に出ることができない!
果たしてキオスクは龍の眷属を破り、良きライバルであったCを過酷な快楽と使命の檻から解放することができるのか。ここからが本当の戦いだ!
「この時を待っていた!」
そこに騎士団が奴隷を得たキオスクを取り囲む!!
「世界を滅ぼす邪悪なる龍の眷属に裁きの鉄槌を!」
騎士団達は槍をクルエに突き立てて四方八方から貫通! クルエはしめやかに爆発四散! ついでにキオスクにも巻き添えで53本くらい貫通!
「てめぇ!」
キオスクはお約束で怒り狂って騎士団を八つ裂きにしようとするも261人ほどで力尽きて倒れてしまう!
そこに現れたのは龍の眷属の軍勢だ!その数、騎士団の約5413倍で実際大勢だ!
「ククク……奴は我等が龍の眷属の中で最弱……そのような者に38391人でかかる騎士団なぞ高が知れている……」
そして始まる龍の眷属と騎士団の総力戦! おっぱい牧場でCが快楽と絶頂の高みを目指している裏側で、おっぱい次元ではハルマゲドンに匹敵する破壊と滅亡が繰り広げられるのであった!
――その時。
「……くだらねぇ」
声が空から響いてくる。
一体何者かと皆が上を見上げると、そこには果てしないエネルギー体みたいなものがあった。そしてそれは落下してきていた。
エネルギー体は戦いを繰り広げていた騎士団と龍の眷属全てを消し炭へと変えてしまった。
一瞬で荒野となったそこに残ったのは、キオスクと一人の男だった。
「……起きな、こんなので死ぬほどヤワじゃないだろ」
男はキオスクを掴み上げた。
「……う……ぐっ……て、てめぇは……?」
「お前が、オノデゐラ=キオスク――この次元の、"G"だな?」
「G……? いったい……、なんのことだ……?」
「俺の名は、小野寺キョウスケ――サティスファクション次元の"G"だ」
再び、おっぱい牧場――
「ハァ、ハァ……でちゃう……アッ、アッ、アーーーーーー!! はえちゃう、はえちゃうよおおおおおおおおおおおお!」
なんということか! おっぱいCの躰に、(/ω\)と触手が生えてきたのだ!
なんと、各次元のCはその生命が絶えると、その持つ力がより上位の存在、すなわちこの状況でいうおっぱいCに吸収されるのである!!
新たな力を得たおっぱいCはその力を試すべくお尻Cを責めだした!
「アアアアアアッーーーーー! おっぱい様ぁぁあああ」
お尻Cの絶叫が響き渡った。最早早々にお尻Cは牧場の管理をほっぽりだし、快楽に溺れていた。
「さあて、このくらいでいいかしら。行きましょう、お尻。復讐したい人がいるの」
「あああぁあ、イエスユアハイネス!」
お尻Cは、イキながらオッケーサインを出した。
一方荒野――――
「G? サティスファクション次元? 一体なんのことだ?」
キオスクが目を丸くし、キョウスケは鼻で笑う。
「Gは、俺やお前の共通項にして、多次元に共時的に存在する概念のことさ。つまり俺は、もう一人のお前って訳だな」
「えー」
「まあ、ちょっと難しい話ではあるよな。まあ、すぐにどういうことが分かるさ。ホラ、来たぜお客さんが」
荒野の果てから土煙を上げながら、おっぱいCとお尻Cが駆けてくる。
おっぱいCは触手をタコ足のように高速で這わせて地面を駆けている。そして今回おっぱいCに生えているアレがお尻Cに接合され、お尻CがおっぱいCに追従するように運送されていた。
「スゲェ! まるでセクロウスだ!」
「感心してる場合か! 来るぞ!」
素早くキオスクの頭を小突いて、突っ込みを入れるキョウスケ!
(゜o゜)\(-_-) ←こんな感じ
しかし、それが間違いだった。
キオスクは、打ち所が悪く死んでしまったのだ!
「▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわああああ」
キョウスケは絶望した。ただひたすら、己の軽率さを嘆いた。
「ははは! 天運も我らに味方したようね!」
勝ち誇った様子のCに、キョウスケが怒りを露にする。
「てめぇ! よくも……絶対にゆるさねえ!」
キオスクの仇を打つべく、キョウスケはCに立ち向かう!
「ははは! 無駄よ! 私達二人に勝てるはずないわ!」
「試してみなきゃわからねえだろ! 俺の背負ってるものはお前とは違うんだ。キオスクの死――――それを背負ってるから、俺は強いんだ!」
「それでやっと対等というものよ! 私だって触手C達の力を受け継いでいるのだから!」
不敵に微笑む二人のC。
形勢は完全に互角。
この世界の命運を決める最終決戦の火蓋が、今切って落とされた。
「ぐふっ……」
戦闘開始から1時間。
満身創痍のキョウスケは、未だCに指一本触れられずにいた。
「所詮あなたは不完全な人間。世界の支配者である私にも、世界の破壊者であるドラゴンにもなれない……憐れな存在」
完全体と化したCは不気味に嘲笑する。
「もはや、これまでか……」
キョウスケの意識が薄れゆく、その時――
「あきらめるな!」
「お前は……?」
「俺は野村。いや正確にはー裁定者X。世界の傍観者だ」
「野村……?何故だろう、初めて会うはずなのに、懐かしい響きだ」
「それはお前の中に『G』の一人、三股義夫の意識が流れ込んでいるからだ。俺は龍崎によって、世界から《除外》された……そうして傍観者となった俺は、俺を忘れなかった親友に報いるために、世界への介入を決意した」
「野村……!」
頬を自然と熱い涙が伝わる。世界を救うのは、友情……!
「裁定者Xの名において命じる! Cに抗う全ての存在よ、来たれ!」
あたりに魔法陣が浮かび、続々と人影が現れる。里流、バイオゴリラ、那珂川、クルエ、キオスク、そしてディコンストラクション・ハルマゲドン・ドラゴン……。
「皆……来てくれたのか……ありがとう……!」
「馬鹿な……完全存在たる私に刃向かう愚か者が、これほどまでいるとは……!」
Cの顔が引きつる。
「これで終わりだ、C! ファイナルウゥゥ!! サティスファクションッ!! アターーック!」
そして、世界は満足で満たされた。
絶対者の消えた世界で、人はそれぞれの満足を求め、生きていく――
~Fin~