嘘でもいいよ、心地いい台詞なら。 作者: cloverの三ツ葉の方(二百or四百文字) 掲載日:2014/03/20 「嘘でもいいよ、心地いい台詞なら」 嘘じゃない! そう口を突き掛けて、出来なかった。僕は今まで彼に何一つ本当の事を言っていない。名前ですら。 本当、なのに。真実だと口に出せば、今までの偽りがそれを嘘にするだろう。 否。言葉に詰まった時点で既に。 必死に活路を探しながらも結局何も言えぬ僕に、彼は只弱々しく微笑んだ。 ほらね、と声にならず彼の唇が動く。 泣く事すら出来ず空虚に笑う彼に、僕は血が滲む程唇を噛み締めた。