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僕と魔女さん  作者: 霧芽井
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第72話 ナナさん、ハルカ師弟の初めての大晦日

 ハルカside


 今日は12月31日、大晦日。今年も今日で終わり。そして僕が異世界に来てから初めて迎える大晦日でもある。もっとも、この世界では大晦日という言葉は無いとの事。で、僕は明日のお正月に備えて、朝からおせち料理を作っている最中。


「ナナさん、つまみ食いはやめてくださいと何回言ったら、分かってくれるんですか?」


「ちっ、バレたか」


 こっそり忍び寄って料理のつまみ食いをしようとしていたナナさんにお説教。でもナナさんが反論してきた。


「全く、ケチ臭い子だね。ちょっとぐらい良いじゃないか。大体ね、このおせち料理とやらを作れたのは誰のおかげだい? 私の協力が有ればこそだろ?」


「確かにそうですけど……」


 ここぞとばかりにナナさんは畳み掛ける。


「高速飛行や空間転移の使えないあんたに付き合って、29、30日とおせち料理の食材を買いに世界中を飛び回ったんだからね私は。料理の味見をするぐらい、当然の権利だよ。文句有るかい?」


「……分かりました。それじゃ、いくつか小皿に取り分けますから」


「分かれば良いんだよ」


 事実、おせち料理を作れたのはナナさんに頼んで世界中を飛び回って食材を揃えたおかげだしね。味見がてら、ナナさんに少し食べてもらおう。とりあえず、黒豆、ゴマメ、エビ。それとおせち料理とは無関係だけど、厚切りのハム。それらをいくつか取り分け、小皿に乗せてナナさんに渡す。ちなみにハムはおせち料理の食材の買い出しの際に、ナナさんに買えとごねられたから。


「はい、どうぞナナさん」


「ほ~、美味そうだね。頂くよ」


 小皿を渡すとナナさんはさっそく、ハムをつまんで一口。


「うん、美味い。ハルカ、ビール出して」


「あの、ナナさん。せっかくおせち料理を作ったんですから、そっちを食べてくれませんか? 味付けに関してナナさんの意見も聞きたいですから」


 僕の料理よりハムを優先されて、ちょっと腹が立つ。まぁ、ナナさんは肉好きだし、仕方ないとは言えるけど。


「分かってるよ。ちゃんと食べるから。後、ビール早く」


「ふぅ、全くナナさんは……。ビールは持ってきますけど、ちゃんと意見を聞かせてくださいね」


 僕はため息一つ付きつつ、ビールを取りにキッチンへと向かった。






「ふむ、この黒豆いけるねぇ。エビも良い感じで仕上がっているし、ゴマメとか言うのも香ばしくて良いね」


「ありがとうございますナナさん」


 ビール片手におせち料理の味見をするナナさん。幸い、味付けは気に入ってもらえた。良かった。せっかく作ったおせち料理だしね。


「でも、揃わなかった食材も有りましたし。クワイが無かったんですよね。まぁ、元の世界でもこの時期しか出回りませんし、とくに美味しいものでもないですけど、縁起物ですから」


「クワイって何だい?」


「こういう物です」


 クワイについて聞いてきたナナさんに、クワイの絵を描いて見せる。


「変な芋だね。芽が出ているじゃないか。わざわざこんな物を食べるのかい?」


 おせち料理を知らないナナさんからすれば、クワイは単なる変な芋でしかないらしい。そこでおせち料理について説明。


「ナナさん、さっきも言いましたけど、クワイは縁起物なんです。芽が出るようにって。クワイに限らず、おせち料理の品々は意味が有るんです。黒豆は黒くなるぐらいマメに働く。エビは腰が曲がるぐらい長生きする。ゴマメは小さいけれど、尾頭付き。元は五穀豊穣を願ってとか。数の子は子沢山で子孫繁栄といった具合に」


 でもナナさんにとっては、別にどうでも良いらしい。あまり感心の無さそうな顔。


「ふ~ん。まぁ、私は美味い物が食えればそれで良いんだけどね」


「まぁ、ナナさんは日本人じゃないですしね。でも、お正月限定の料理なんです。ちゃんと食べてくださいね」


「そんな事、言われるまでも無いさ。あんたの作った料理は何でも旨いからね」


 嬉しい言葉を言ってくれるナナさん。実際、ナナさんはいつも、美味しそうに僕の料理を食べてくれる。さて、そろそろ、料理を重箱に詰めていかないと。


「ナナさん、頼んでおいた重箱は出来ていますか?」


「あぁ、出来ているよ。ほら」


 ナナさんが空中から取り出したのは三段重ねの重箱。黒塗りに白い百合の花柄をあしらった、立派な品だ。


「ありがとうございます、ナナさん。立派な重箱ですね」


「これぐらい、お安い御用さ。しかし、おせち料理の為にわざわざ、こんな物まで作らせるとはね」


「重箱はおせち料理の必需品ですから。こっちじゃ売ってなかったですし。それじゃ、おせち料理を詰めていきます」


 ナナさんから重箱を受け取り、おせち料理を詰めていく。今回のおせち料理は本当にナナさん様々。食材もさることながら、この王国には重箱が売ってなかったし。何せ、この王国にはお正月という言葉が無い。だから、おせち料理も無いし、ひいては重箱も無い。そこで、ナナさんに頼んで重箱を作ってもらった。三段重ねは僕とナナさんの2人だけでは多いかなとも思ったけど、ナナさんがよく食べるのでそれに決めた。


「そうだ、ナナさん。明日のお雑煮ですけど、味噌と、すまし汁どちらにします?」


 ふと、お雑煮の事を思い出し、ナナさんに聞く。人には好みが有るし。


「お雑煮って、あんたが買った餅の入った汁物だっけ。そうだね、すまし汁で頼むよ」


「はい、分かりました」


 おせち料理を重箱に詰めながら、ナナさんの注文を確認。さ、早くおせち料理を仕上げてしまおう。






 ナナside


 私はダイニングで缶ビール片手にハルカの作ったおせち料理の一部を肴に一杯やりながら、キッチンでせっせとおせち料理を重箱に詰めているハルカを眺めている。


「♪~~♪~♪~」


 何かの歌を口ずさみながら、楽しそうにやっているね。私は前々から、疑問に思っていた事をハルカに聞いてみた。


「ねぇ、ハルカ。ちょっと、あんたに聞きたい事が有るんだけど、良いかい?」


「何ですか? 今日のお昼ご飯ですか? まだお昼には早いですよ?」


「違うよ!」


 失礼な子だね。私をなんだと思っているんだい?!

 まぁ、気を取り直し、話を続ける。


「あんたさ、いつも楽しそうに料理を作っているけど、そんなに楽しいのかい?」


 これはハルカがうちに来て以来、ずっと疑問に思っていた事だ。ハルカはいつも楽しそうに料理を作り、私が料理を食べるのをこれまた楽しそうに見ている。私からすれば、料理を食べる事ならいざしらず、料理を作る事なんぞ、面倒くさいとしか思えない。一体、何がそんなに楽しいのだろうか? するとハルカはおせち料理を重箱に詰めながら答えた。


「えぇ、楽しいですよ。僕は料理を作る事自体が好きですし、美味しい料理を食べる事も好きです。そして、僕の料理を食べて美味しいと喜んでもらえる事が嬉しいですね。だから、もっと料理が上手くなりたいです」


「…………そうかい。いや、つまらない事を聞いて悪かったね」


「いえ、別に」


 ハルカから話を聞き、再びビールを飲む。…………良い子だね、私なんかにはもったいない程に。自慢じゃないが、私は非常に長い時を生きてきた。その中で転生者に会った事も一度や二度ではない。


 しかし、私が出会った転生者って奴らは、極悪非道の魔女と呼ばれた私の目から見ても、最低最悪のクズばかりだった。しかも、どいつもこいつも最後は無様で悲惨な末路を迎えた。こいつら自分が物語の主人公になったと思っているらしくてね。やれ、オリ主だの、原作だの、ハーレムだのと馬鹿げた事ばかりほざいていたもんだ。とりあえず、精神病院に行けと。はっきり言って、お前らみたいなイカれた奴らが主人公足り得る訳が無い。


 ま、仕方ないといえば、仕方ないと言える。なぜなら。


『そういう奴が選ばれているからだ』


 大部分のバカな転生者達は自分が転生者となった事に疑問を持たない。神やその類いが自分に力を与えて転生させてくれた事に疑問を持たない。力を得た事に浮かれて、その裏に気付かない。考えようともしない。自分が主人公に、ヒーローになったと。何でも好き放題に出来ると信じて疑わない。でもね、良く言うよね。


『うまい話には裏が有る』


 これは正に真理さ。二次創作なんかで良く見る、神がミスして死なせてしまったから、お詫びに特典付きで転生。はっきり言おう。これは無い。


 なぜかって? ちょっと考えれば分かる事だけど、神が人間に対して謝るとでも? もし、本気でそう思っているなら、とことん、おめでたい頭の中身をしているよ。マジで笑える。


 あのね、神からすれば人間なんぞ、ゴミ以下。その辺に転がっている石ころ以下さ。人間同士ですら、自分のミスを認めず、他人に責任を擦り付けるんだ。ましてや、神が自分のミスを認めて人間に特典付きで謝罪するなんてあり得ない。しかし、現実に転生者はいる。なぜか? 答えは簡単。


『転生者は神の餌なのさ』


 浅ましい欲望に満ちたバカにわざと力を与えて転生者として送り出し、やがて、力を成長させて破滅したら、その魂を喰らって自分の力を増大させる。


 言ってしまえば、養豚場の豚と同じさ。肥らせてから、食う。何せ、神って奴らは強い反面、成長できないからね。強くなりたきゃ魂を喰らうしかない。でも、強い奴の魂を喰うのは返り討ちに合う危険が有る。だから、転生者システムを作った。そうとは知らないバカ共は今日もどこかで主人公気取りでいるんだろう。行き先は破滅しかないのにね。


 そんな中、ハルカは例外。容姿端麗、才色兼備。それでいて、優しく素直で働き者な良い子。自分の才能に胡座を掻かず、常日頃から努力を惜しまない。そして明るく、礼儀正しい。そんなハルカは皆から好かれている。私にとっても自慢のメイド兼、弟子さ。


 さらに言うと、ハルカは根本的なスペックからして、そこらのクズ転生者とは次元が違う。大部分のクズ転生者はあれこれと特典を欲張り、それらを与えられた身体を得て転生するが、その身体は即席で創られた上に、無理やり特典を付けた粗悪品でしかない。


 いくら神と言えど、やはり優れた器を創るのはそれ相応の手間が掛かる。それに、転生者を創るのは基本的に下級神。所詮、程度が知れる。上級神はわざわざ転生者を創らずとも強いからね。何より、クズ転生者には破滅してもらわないと神にとって不都合だしね。自分の餌なんだから。


 対してハルカは、太古の魔王『魔氷女王』の身体を与えられて転生した。その秘められた力たるや、私にも計り知れない。下級神が即席で創造した粗悪品の身体ではこうはいかない。非常に格の高い神が大変な手間と時間を掛けて創造した極上の身体。明らかにハルカはクズ転生者共とは扱いが違う。


 後にハルカは夢の中で、自分を転生させた神、最高神の一柱、『死神』と再会し、自分が実験体であると聞かされたそうだ。神や魔王の身体を与えられた転生者がどうなるかを確かめる実験体だと。そして、自分が初の成功作だと。その話を聞いて、私は心底、頭に来た。私の可愛いハルカを実験体呼ばわりしやがって! しかし、同時にハルカを自分の餌にする気は無さそうだと感じた。奴にとって、初の成功作たるハルカは貴重な観察対象だろうしね。


「どうしたんですか? ナナさん。さっきからボーッとして。どこか具合でも悪いんですか? ファムさんに診てもらいますか?」


「あ、いや、何でもないよ! ちょっと考え事をしててさ」


 つい、考え事に没頭して、ハルカに心配されてしまったよ。やっぱり、優しい良い子だねハルカは。


「ハルカ、ビールもう1本」


「ダメです。まだ午前中なんですからね。お酒は控えてください」


「ケチ!」


 缶ビールを飲み干したので新しいのを頼んだら断られた。良い子だけど、手厳しいね。でも、私の事を思って言ってくれている訳だし。仕方ない、ここは私が折れよう。






 ハルカside


「ごちそうさま。美味かったよ」


「お粗末さまでした。ありがとうございます、ナナさん」


 おせち料理も完成し、鏡餅も飾って、とりあえず新年を迎える準備は完了。お昼ごはんはおせち料理の余りを使って手軽に済ませた。さて、洗い物をしないと。ナナさんはお昼ごはんを済ませたら、リビングへ。ソファーに座って、ツクヨに貰ったアニメを見ている。またお気に入りのま〇かマ〇カか。






「おや、洗い物は済んだのかい?」


「はい。隣、良いですか?」


「あぁ、良いよ。座りな」


「それじゃ、失礼します」


 洗い物も終わったので、僕もリビングへ。ナナさんに断りを入れて、隣に座る。ナナさんお手製の大画面平面テレビでは、ま〇かマ〇カのラストシーンの最中だった。何度見ても嫌なシーン。主人公の成れの果てによって滅ぶ世界。良かれと思ってやった事が結果的に世界の破滅をもたらしてしまった。あまりにも皮肉だ。


「ナナさん。こんな悪趣味なアニメを見て楽しいんですか? 確かに女の子達は可愛いですけど。でも、内容があんまりです」


 さきいかを食べながらアニメを見ているナナさんに、以前から思っている事を聞いてみた。するとナナさんはさきいかをくわえながら、答えてくれた。


「まぁ、確かにえげつない内容さ。そこは私も認める。でもね、ある意味正しいんだよね。人類が絶滅したなら少なくとも、人類によるあらゆる争いも環境汚染も無くなる。死こそが最高の救済ってね。それにね、うまい話に乗る小娘共も悪い。昔から言うだろ? うまい話には裏が有る。ま、相手が悪かったのは事実だけど。口の上手い奴だしね。しかも、色々と多感な時期の小娘共を狙ってやがる。巧妙に的確に心の弱さに付け入ってくる。嫌らしいったら、ありゃしない」


 ナナさんは続ける。


「ハルカ、たかがアニメと思うんじゃないよ。明日は我が身と思いな。あんたは普通じゃない。あんたを手に入れようとする輩は腐るほどいる。そいつらは、あの手この手であんたを騙そうとするからね。気を付けるんだよ。鹿〇ま〇かみたいな悲惨な末路を迎えたくなけりゃね」


「……はい」


「分かれば良し!」


 確かにナナさんの言う通り。僕は普通の人間じゃない。気を付けないと。そう思っていると、ナナさんが次のアニメを見始めた。ツクヨいわく、『為になる』作品だとか。


「さて、どんなアニメだろうね?」


「近未来系の学園物らしいですね」


 そして、二人で次のアニメの観賞開始。でも、ほんの数話で打ち切った。内容が酷過ぎて……。ツクヨが『為になる』と言った理由が良く分かった。反面教師として最高だ。ナナさんも僕も、登場人物達のあまりにも酷い言動に怒るのを通り越して、呆れるしかなかった。


「ハルカ。あんたは、ああなったらダメだよ」


「はい、ナナさん」


 ……僕は思う所が有り、ナナさんにちょっとお願いをした。


「ナナさん、手合わせをお願いします」


「手合わせかい? 別に良いけど。でも、せっかく年末年始は稽古は休みにしてやったのに、わざわざやろうってのかい?」


 僕の申し出に、不思議そうなナナさん。そこで僕の考えを話した。


「正直、あのアニメ、特にあの主人公達の言動を見ていて、不愉快だったんで。それに、やっぱりナナさんとの手合わせは為になりますから」


「……なるほど。確かにあんたの言う通り、あのバカ主人公達の言動はウザかったしね。よし、付き合ってやるよ。さぁ、行くよ」


 ソファーから立ち上がるナナさん。僕もその後に続く。行き先は地下のトレーニングルーム。






「ウォーミングアップは済んだかい? 良ければ始めるよ」


「はい、いけます」


 お屋敷の地下に有るトレーニングルーム。僕とナナさんはウォーミングアップを済ませて向かい合う。ナナさんは黒ジャージ。僕はメイド服。お互いにいつもの服装。自らの服装を問わず戦うというのがナナさんの流儀。戦いはいつ起きるか分からないから。


「今回のスタイルはどうする?」


「武器有り、魔法無しの白兵戦でお願いします」


「白兵戦か、分かった。それじゃ、ルールはいつも通り、相手が降参か気絶で終了にするよ。さぁ、かかっておいで!」


「はい!」


 ナナさんと今回の戦闘スタイルを決め、お互いに武器を構える。ナナさんはナイフ。僕は小太刀二刀流。どう攻めるかな? 考えていると……。直後、とっさに身体が動いた。二本の小太刀を交差させて、上からの一撃を受け止める。


「何、ボサっとしてるんだい? そんなに切り刻まれたいなら、遠慮なくやってやるよ」


 瞬時に間合いを詰めたナナさんの繰り出した強烈な一撃。片手、しかもナイフを逆手に持っているにもかかわらず、それを受け止める交差させた二本の小太刀をどんどん押し込んでくる。このままでは文字通り、押し切られる。


「お断りしますっ!!」


 わざと後ろへ倒れ込み、その勢いを生かしてナナさんのお腹に足を当て、投げ飛ばす。いわゆる、巴投げ。一旦、間合いを離して、体制を建て直さなきゃって、うわっ!


 眼前に迫るナナさんの足の裏。慌てて横に転がって逃げる。それと、ほぼ入れ替わりに凄い音と振動。


 さっきまで僕の頭の有った場所をナナさんの足が踏み潰していた。その威力に踏まれた床がへこんで、ヒビが入っている。逃げ遅れていたら、床と一緒に僕の頭も踏み潰されていた。


「ちっ、逃がしたか。反応速度が上がったね」


 僕を殺しかけたのに、平然としているナナさん。もっとも、ナナさんいわく、手合わせで死ぬようなクズはいらないとの事。


「以前にも増して厳しいですね、ナナさん」


 床から立ち上がり、再び構えながら話す。


「当たり前だろ。先に進む程に修行の内容を厳しくしていくからね。それで死ぬなら、あんたは所詮、その程度だったって事さ。さ、仕切り直しだ。かかっておいで」


 ナナさんもナイフを構え、再び、睨みあう。


「……シッ!!」


 今度はこちらから仕掛ける。一気に飛び出す。もっとも、ただ、突っ込む訳じゃない。


「ふん、少しは考えたね」


 スピードに緩急を付け、相手の攻撃のタイミングをずらす。縦横無尽に駆け回り、ナナさんに切り付ける。そして、ついに懐に入れた。開発中の技を試すのは今だ! 二本の小太刀を手に、今出せる最高速度で切り刻む。それもただ切るのではなく、今の攻撃が次の攻撃へと繋がる。更にそれが次の攻撃へと繋がる。いわゆる連鎖技をやってみようと。でも、まだ未完成。何より、ナナさんは僕より強かった。


「なかなか面白い技だね。でも、この程度じゃ、私は止められないよ! ほら、足元がお留守だよ!」


「あっ!」


 しまった! つい、技の方に夢中になって! もちろん、それを見逃すナナさんではなく。たちどころに、肘間接を極められた上で取り押さえられました。


「参りました」


 今回も僕の負け。素直に降参する。


「まだまだ、甘いね。でも、確実に腕を上げているのは認めてやるよ。せいぜい、頑張りな」


 涼しい顔で言うナナさん。やっぱり凄いな。息一つ乱していない。僕の攻撃を片手でしのいでいたし。僕より遥かな高みにいるナナさん。そしてツクヨは更にその上に。


「ありがとうございました!」


 僕はナナさんに一礼をし、今年最後の手合わせは終了した。





 ナナside


「ふぅ、我が弟子ながら、末恐ろしい子だね」


 一足先に戻った私はキッチンの冷蔵庫から、缶ビールを取り出し、一気に煽る。いや、一運動した後のビールは格別。あ、ハルカが戻ってきた。


「あっ! ナナさん、またビールを飲んで! もぅ、飲み過ぎはいけないって、あれほど言ったでしょう!」


「うるさいね~。私にとって、酒は命の水なんだよ。酒を飲めない人生なんて、考えられないね。酒を飲めないあんたにゃ、分からないだろうけど」


「もぅ、身体を壊しても知りませんからね……」


 諦めた様子のハルカ。悪いね。酒と美少女を愛でるのはやめられないんだよ。


 それから、しばらく。私とハルカはリビングでお茶を飲みながら、くつろいでいた。そうだね、ちょっと話題を振るか。


「ハルカ。あんた、あのアニメのバカ主人公と自分がダブって見えたんじゃないかい? あいつもあんたも、自ら望んだ訳じゃないのに、突然、力を得てしまったという所が」


 そう言うと図星だったらしい。持っていたヒヨコ柄のマグカップを落としそうになった。


「……さすがナナさんですね。分かりましたか。そうです。彼と僕がダブって見えたんですよ。突然、力を与えられた者同士。でも、あんなのと一緒にされたくなくて……。ナナさんに手合わせをお願いしたのも、結局は八つ当たりで。すみません……」


 暗い顔のハルカ。まぁ、ある意味、似てる2人だ。でもね、ハルカとあのバカには決定的な違いが有る。教えてやるか。


「ハルカ、確かにあんたとあのバカは突然、力を与えられたという点では共通してる」


「やっぱり……」


 ますます、暗いハルカ。世話が焼けるね。


「バカ、人の話は聞きな。確かに似てるけど、同じじゃない。まずはあんたとあのバカの考え方さ。あのバカは力を得てヒーロー気取り。対してあんたはそんな事、考えていないだろう。それにね、あいつは『兵器』を得ただけ。自身は何の力も得ていない。兵器を奪われたら、ただのガキ。対してあんたは『身体』を得た。身体はそう簡単には奪えないさ。あんたも簡単には捕まらないだろう?」


「当然です。捕まって、実験台とかにされるなんて嫌です」


 嫌そうな顔をするハルカ。よしよし、持ち直してきたね。それじゃ、決定的な違いを言うか。


「何より一番の違いは、自らの意思の有無。あのバカは黒幕の女の用意した舞台の上に立たされ、黒幕の作った兵器を纏い、黒幕の描いたシナリオ通りに踊らされているに過ぎない。そこに本人の意思は無い。ただの操り人形さ。だが、あんたは違う。確かに、力を与えられ、ここに送り込まれた。しかし、そこから先はあんたが自分の意思で決めた。私に雇って欲しいと頼み、自分の生きる道を切り開いた。あんたは死神の操り人形じゃない」


「……ありがとうございます、ナナさん」


 ありゃ、感極まったのか、泣いたよ。やれやれ。


「ハルカ、物事を軽く見るのも悪いが、あんまり思い詰めるのも良くないよ。さ、早いとこ晩飯にしとくれ。私は身体を動かしたから、腹が減ったよ」


「はい! 今日の晩御飯は大晦日限定メニューにします。楽しみにしていてくださいね」


 気分を変える為に今日の晩飯の話題を振る。ハルカも涙を拭って、元気な顔を見せる。しかし、大晦日限定メニューか。何だろうね?





 夕方、思いがけない奴がやってきた。


「お~い、嬢ちゃんいるか~?」


「はい! 今行きます!」


 玄関から聞こえた声に返事をしながら向かうハルカ。この声は安国のハゲだ。私もハルカと一緒に玄関へ。


「ほら、嬢ちゃん。頼まれた品だ。生物だから早く食べてくれよ」


「ありがとうございます、安国さん」


「良いって事よ。嬢ちゃんには世話になってるしな。それじゃ、男前の姐さんや、赤毛の姐さん、侯爵さん家にも届けないといけねぇから、またな。良いお年を!」


「はい、安国さんも良いお年を!」


 安国のハゲは複数持っていた木箱の1つをハルカに渡すと帰っていった。何か、他所にも届けるらしいね。


「ハルカ。何、受け取ったんだい?」


 気になったので、聞いてみた。


「秘密です。夕ごはんになったら分かります」


「ふ~ん。まぁ、良いさ」


 深く突っ込むのは、やめにした。ハルカの作る料理にハズレは無いし。





「…………ハルカ。これ何?」


「見れば分かるでしょう。お蕎麦です」


 待ちかねた、晩飯。ハルカの言う、大晦日限定メニューとやらを楽しみに来てみたら、そこには2人前の蕎麦。


「まさか、これが大晦日限定メニューって言うんじゃないだろうね?」


 いくらなんでも、これはあんまりだ。エ〇ディシだったら、大号泣だ。でも、ハルカは悪びれない。


「そうですよ。大晦日限定メニュー、年越し蕎麦です。さ、冷めない内に食べましょう」


「……分かったよ、食べる」


 私としては不満たらたらだが、食卓に関しては、ハルカの支配下にあるからね。言われた通り、冷めない内に蕎麦を食べる。ん? こりゃ、旨い! 元々、ハルカの料理は美味いが、この蕎麦は一味違う。そんな私の心の内を読んだらしいハルカ。


「美味しいでしょう、そのお蕎麦。安国さんの手打ち蕎麦なんですよ。今日に備えて、頼んでおいたんです」


「ふん、確かに美味いね」


 その後、2人して、蕎麦を啜る。でも、やっぱり物足りない。


「ハルカ。蕎麦だけじゃ、足りないよ。こんなのじゃ、すぐに腹が減るよ。何か無い?」


 ハルカに不満を漏らす。すると、ハルカはいたずらっぽく笑い、何かを空中から取り出した。これは……天丼だ! それも、かき揚げ丼!


「そういうだろうと思って、作っておきました。お蕎麦に入れたエビ天を作るついでに、かき揚げも作っておいたんです」


 そう言って、丼を2人分並べるハルカ。小エビがたっぷり入った、美味そうなかき揚げ丼だ。さっそく、頂く。


「う~ん、美味い! やっぱり、飯を食わないと、腹にたまらないからね」


 かき揚げ丼を、モリモリ食べる。ハルカも、かき揚げ丼を食べながら、楽しそうに私を見ていた。






「さ、そろそろ寝るよ」


「はい、ナナさん」


 晩飯後、洗い物を済ませたハルカと一緒に風呂へ。今や、一緒に風呂に入るのが、当たり前になりつつある。師弟の絆が深まってる証だね。もっとも、更に絆を深めようと、ハルカの胸を揉もうとして、風呂ごと凍らされそうになったけど……。


 ま、それはそれとして、いい加減、夜も更けた。時間は午後11時を廻っている。そろそろ寝ないと。そこへ、ハルカから一緒に寝たいと言ってきた。一緒に新年を迎えたいとか。勿論、私としても断る理由は無い。かくして、2人揃ってベッドの中へ。ちなみに私の寝る時のルールに従い、私もハルカも全裸。


「今年も残り1時間を切ったね」


「はい」


 ベッドの中、向かい合って話す、私とハルカ。


「……私も長い間生きてきたけど、こんな波乱に満ちた年は久しぶりだったよ」


 今年一年を振り返る私。


「僕もです。……交通事故に遭って死んで、死神に会って、この世界に飛ばされて、ナナさんに出会って。それからも色々な事件が有って……」


 ハルカも今年一年を振り返り、色々思う所が有るらしい。私と違い、元は一般人のこの子だ。私以上に波乱に満ちた一年だったね。


「ハルカ。あんた、よく、今年を生き延びたね。大したもんだよ。ご褒美に頭を撫でてやるよ」


 今年一年を無事、生き延びたハルカにご褒美。


「子供扱いしないでください!」


 子供扱いが不満なハルカは文句を言うが無視。


「ハルカ。よく聞きな。あんたは元は一般人だったにも関わらず、異世界で無事、生き延びた。これは本当に大した事だよ。一つ間違えば、あんたはとっくに、くたばっていただろう。色々な要素がうまく噛み合って今、あんたはここに生きている。その事を忘れるんじゃないよ。いいね?」


「はい!」


「よし! 良い子だ」


 私の言葉に、しっかりと返事をするハルカ。


「あぁ、そうだ。この本をやるよ。遅ればせながらのクリスマスプレゼントさ。しっかり読んでおくんだよ」


 私は空中より、1冊の本を取り出し、ハルカにプレゼント。


「転生者達の中でも、特に無様で悲惨な最期を遂げた奴らについてまとめた本さ。あんたもこいつらみたいにならないようにね」


「はい! ありがとうございますナナさん。僕も気を付けます」


 真面目な顔で返事をするハルカ。ま、この子なら大丈夫だろうけど。ふぅ、ちと、長話が過ぎたね。夜更かしは美容と健康の敵だし、寝るかね。その時。


「ナナさん。ちょっと横を向いてくれませんか?」


 妙な事を言い出したハルカ。何だろうとは思ったが、言われた通り、横を向く。すると。


「チュ」


 一瞬、横を向いた私の頬に柔らかく、暖かい感触。ちょっと待て! 今のって、まさか! 慌てて、ハルカの方を向く。そこには顔を真っ赤にしたハルカ。


「……あの、今年一年、お世話になったお礼です。さすがに、唇にするのは……。だから、頬っぺたに……。その……お休みなさい!!」


 よっぽど恥ずかしかったのか、そう言うなり、布団を被って顔を隠してしまった。驚いた……。あのハルカが頬にとはいえ、キスしてくれるなんて……。その、なんだ、結構、脈有りなのかね? まぁ、今のハルカには聞けないか。






 時間は午前2時。既に新年を迎えたが、私はハルカのキスの事が有り、どうにも眠れずにいた。私の隣では、ハルカが気持ち良さそうに眠っている。


「ほら、ちゃんと布団を被らないと風邪ひくよ」


 ハルカに布団を被せてやる。可愛い寝顔だ。安心しきった顔は見てるだけで癒されるね。まぁ、それだけなら、構わないんだけどね。私は瞬時に愛用の魔水晶のナイフを取り出し、部屋の一角めがけて投げつける。だが、それはどこにも刺さる事なく、こちらに刃を向けて、返ってきた。片手で受け止め、そこにいる、何者かに問いかける。


「誰だい? 新年早々の客にしては、礼儀がなってないね」


「客に向かってナイフを投げつけるような輩に言われる筋合いは無い」


 聞こえてきたのは、幼い少女の声。そして現れたのは、漆黒のゴスロリ服を纏った、金髪縦ロールが特徴の幼女。私は直接は知らないが、その姿に心当たりが有った。しかも、この力、あの邪神ツクヨに引けを取らない。まさか、こいつ! 内心の動揺を抑えながら、私はそのガキと向かい合う。


「勝手に他人の屋敷に入り込んで、良い度胸じゃないか。名乗りな」


「……無礼者め、死から逃れられぬ者が私に名乗れだと? まぁ、良かろう。こうして現世に来るのも久方ぶりだ。死から逃れられぬ者が我が名を聞ける事を誉れに思え。私はヨミ、死神ヨミ。全ての死を司る神にして、最古にして、真なる神の一柱なり」


 やたら、上から目線で名乗るガキ。ハルカから話に聞いていたが、やはりこいつが死神か。新年の最初の客が死神とは、縁起でもないね。






 ハルカを起こしたらまずいので、私達は場所をリビングに移す。


「で、その死神ヨミ様が、わざわざ現世に何の御用で?」


 私の知りたい事はそれだ。一体、何しに来やがった? まさか、ハルカを連れて行くとか言わないだろうね? すると、死神ヨミは眉一つ動かさず、言った。


「大した事ではない。少々、挨拶に来ただけだ。それと、お前と一度、話がしてみたくなってな。名無しの魔女、いや、今はナナと名乗っていたな」


「ふん、死神ヨミ様は随分と暇らしいね」


「お前よりはマシだ」


 ムカつくね、このクソガキが。もっとも、ガキなのは見た目だけ、その力は絶大だ。悔しいが、私に勝ち目は無い。死神ヨミは話を続ける。


「お前に預けた、ハルカ・アマノガワだが、実に良い具合に成長しているな。あれは初の成功作だからな。私としても観察のしがいが有る」


 ハルカを物の様に言うその態度が心底、ムカつく。


「ハルカはあんたの物じゃない!」


「あれは私が創造した身体を与えた転生者。私の生み出した実験体の一つに過ぎん。何より、お前にとって、赤の他人でしかなかろう。なぜ、怒る?」


 相変わらず、眉一つ動かさず、話す死神ヨミ。やはり、神だけあって、私達とは考え方がまるで違う。


「あの子は、ハルカは、私にとって『月』なんだよ。真っ暗闇の中をさまよっていた私を照らしてくれた『月』なんだ。あの子と出会うまで、私は生きる意味が分からなかった。ただ、欲望のままに力を振るってきただけだった。誰も私のそばにいてくれなかった。私は一人だった。でも、そこにハルカが現れた。あの子が来てから、毎日が変わった。あの子は、私の為に料理を作り、時には私を叱り付けた。あの子は、『私の力』ではなく、『私』を見てくれた。あんな良い子は初めてだ。かけがえのない、宝物なんだよ。死神のあんたには分からないだろうけどね」


 言いたい事を、この際だから一気に言ってやった。さぁ、どう出る?


「…………やはり、私の目に狂いは無かった。いや、予想以上に面白い事になっているな。お前の元にハルカ・アマノガワを送り込んで正解だった」


 初めて、表情を変えた死神ヨミ。といっても、口の端を吊り上げての嫌な笑顔だが。あ~気持ち悪い笑い方。


「私からも質問良いかい?」


「何だ?」


 ハルカを転生させた本人が来たんだ。ぜひとも聞きたい事が有ってね。この際だから聞いてやる。


「なぜ、ハルカを私の元に送り込んできたんだい?もっと他に良い相手がいたはずだ。私は破壊と殺戮、悪逆非道の限りを尽くしてきた、最悪の大罪人だ。数え切れないほどの命を奪ってきた穢れた魔女だ。そんな私が、ハルカにふさわしい訳ないじゃないか!」


 ……以前から、この事はずっと思っていた。私の様な無数の血にまみれた穢れた魔女が、優しいハルカのそばにいて良いものかと。そんな私を見ながら死神ヨミは言った。


「そんなお前だからこそ、ハルカ・アマノガワを託した」


「えっ?」


 思わず聞き返す私に死神ヨミは続ける。


「ハルカ・アマノガワ。あれはとても清らかな魂の持ち主だ。まさに新雪の如し。だが、それは危うくもある。新雪は簡単に汚れてしまう。清らかな魂は容易く他の色に染まる。お前もよく知っているだろう?」


 確かに。ハルカは、純真な子だ。だが、裏を返せば、容易く他の思想に染まるという危険もはらんでいる。


 死神ヨミは更に続ける。


「ハルカ・アマノガワは私の最高傑作。その力を狙ってくる輩が湧いてくるのは必然。特に、あちこちの世界を股にかけ、正義を標榜する輩からすれば、垂涎の人材だ。甘言を弄して、自勢力へと引き込もうとするだろう。また、ハルカ・アマノガワも正義を語る者を疑わないだろうしな」


 さすがと言うか、いちいち、もっともな事を言う。確かに、ハルカなら引っかかるね。お人好しだからね。


「だからこそのお前だ。悪逆非道の限りを尽くしたお前は罪を悪を知り、正義を嘲笑う。そんなお前だからこそ、ハルカ・アマノガワを導く事が出来る。虚しき悪にも、偽りの正義にも染まらぬ様にな」


 …………随分と買い被られたもんだね。そんな大それたもんじゃないよ、私は。しかし、死神ヨミはそんな私の気持ちなど、お構い無し。


「さて、そろそろ帰るとしよう。ナナ、ハルカ・アマノガワを頼むぞ。あれは、実に興味深い観察対象だからな。そしてナナ、お前もまた、実に興味深い観察対象だ。当初の予定ではお前はあくまで、ハルカ・アマノガワの教育係でしかなかったのだがな。ハルカ・アマノガワと接触して以来、大幅な変化を起こしている。その様な力は与えていないのだが。他にも周りの者達に影響を及ぼしているしな。いや、実に興味深い、観察のしがいが有る。では、去らばだ。いずれ、『冥界で会おう』」


 そう言うと、死神ヨミは黒い霧となって、消えてしまった。


「『冥界で会おう』か……」


 …………最後に嫌な事を言って帰りやがって。私は冷蔵庫から缶ビールを1本取り出し、一気に煽る。


「寝よう。ハルカが起きてきたら困るしね」


 私は自分の部屋へと帰る。可愛い眠り姫が待っている自分の部屋へ。


「さて、今年はどんな年になるかね?」




読者の皆さん、こんにちは。僕と魔女さん、第72話をお届けします。相変わらずの遅筆。またも前回から1ヶ月程、経ってしまいました。


さて、今回で、やっとハルカの異世界生活1年目が終わりました。しかし、振り返ると、8ヶ月程しか経っていないのに、ハルカは、凄い体験をしていますね。


元の世界での事故死。死神ヨミと出会い、転生。ナナさんとの出会い。クローネ、ファムとの出会い。ミルフィーユ、エスプレッソ、侯爵夫人のスイーツブルグ侯爵家との出会い。安国さんとの出会い。そして、1年目最大の事件。邪神ツクヨによるハルカ誘拐事件。


よく死ななかったなと。そして、最後と言うか、新年の夜に現れた、死神ヨミ。ちゃんと考えて、ハルカをナナさんの元に送り込んだとの事。最後に意味深な事を言っていましたが……。


最後に、僕と魔女さんのブックマーク登録数が、なんと、900を突破しました。こんな素人の落書きにありがとうございます。


では、また次回。


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