表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と魔女さん  作者: 霧芽井
6/175

第5話 スイーツブルグ家に行こう

 今、僕はナナさんと揉めています。事の起こりは僕のナナさんへのお願いから。


「ナナさん、今度の日曜日にお休みを貰えませんか?」


「理由は何だい?」


「この前、会ったミルフィーユさんから招待状を貰ったんです。いずれ、お休みを貰って行くと言ったんで」


「この前、あんたの会った小娘の事かい。放っておけば良いじゃないか」


「そうは行きませんよ。僕は行くと言ったんですから。それに僕、街を見てみたいです」


 僕がこの世界に来て、4ヶ月。でも未だに僕は街を見た事が無かった。ナナさんが行かせてくれないんだよね。ちなみに、ナナさんの屋敷の有るここは、どこかの島。住んでいる人は僕とナナさんだけ。


「あんた、街をナメるんじゃないよ。あんたみたいな可愛い娘が、ノコノコ歩いてたら何されるか分からないよ。それこそ、どこかに連れ込まれて、酷い目に遭わされるよ。嫁に行けない身体にされるよ」


「あの、僕をどうにか出来る人なんて、そういないと思うんですけど。ナナさんに鍛えられてますし。それにナナさん、しょっちゅう僕にセクハラするじゃないですか」


「ハルカ、あんた最近可愛げが無くなってきたね。最初の頃はあんなに初初しくて可愛かったのに。私は悲しいよ……」


「僕は事実を言っただけです。それで結局、お休みを貰えるんですか?」


「ダメだよ。子供が1人で外出するなんて認めないよ」


「僕、もう17歳です! 自分の身ぐらい自分で守れます! 子供扱いしないで下さい!」


「私からすれば、まだまだ子供、未熟者のヒヨッコさ」


 話は平行線。いつまで経っても、終わらない。こうなったら奥の手。


「分かりました。もう良いです。ナナさんて、そんな冷たい人だったんですね。招待状を貰ったのにそれを無視しろだなんて。僕、ナナさんを見損ないました。優しい人だと思ってたのに……。僕、冷たい人は嫌いです!」


「ちょっと待った! 私の事を嫌いって!?」


「冷たいナナさんなんか、嫌いです!」


「分かったよ、許すよ、休みをあげるから!」


 よし、上手く行った。『ナナさんの事を嫌いになる』は効果抜群だね。僕の奥の手。


「ただし、私も一緒に行くからね。私はあんたの保護者兼、雇用主兼、師匠だからね。嫌とは言わせないよ」


「……分かりました」


 ナナさんが一緒に来るとはね……。ミルフィーユさん、怒らないと良いけど……。かくして、僕はナナさんと一緒に初めて街へ、そしてミルフィーユさんの家に行く事になりました。





 そして迎えた日曜日。


「ナナさん、準備出来ました?」


「もうすぐ、終わるよ。あんたの方はどうだい?」


「僕の方は、大丈夫です」


 僕はいつも通りのメイド服。手土産の僕の手作りクッキーも持った。ミルフィーユさんの口に合うと良いけど。ちなみにナナさんは外出に向けて、準備中。服を選んだり、化粧をしたりしているらしい。女の人は大変だねって、今の僕も女だったよ……。


「待たせたね、さぁ行くよ」


 そう言って、僕の前に姿を見せたナナさんを見て、僕は驚いた!


 まるで、どこかの女優さんみたいだ。紫のスーツがバッチリ決まっている。長い黒髪も綺麗にセットされている。化粧は薄いけど、十分に色気を引き出していた。ナナさんは元々、美人だしね。


「どうだい? これが私の本気だよ」


「凄く綺麗です、ナナさん」


「久し振りだよ、これだけ気合いを入れてめかし込んだのは」


「やれば出来るんですね、ナナさん」


「面倒くさいから、したくないんだけどね。じゃあ行くよ!」


「はい!」


 ミルフィーユさんの住む街か。どんな所だろう? ナナさんは僕の手を取ると、転移魔法で、街へと向かった。





 初めて来た街はとても賑やかだった。何だか、元の世界の街と似ているなぁ。普通にコンビニやファミレスが有るし。周りの人達の服装も普通だし、全然、ファンタジーっぽくない。そのおかげで馴染みやすいけど。


 それにしても、街に来てから、周りの人達の視線が僕達に集中。視線が痛い。


「うわ、スッゲェ美人!」


「あのメイドの女の子、メチャクチャ可愛いな」


「巨乳美人お姉様と銀髪美少女メイドの組み合わせキター!」


 えーと、最後の人、攻撃魔法を撃ち込みたい!


「この辺りは庶民の住む、一般地区さ。あんたの会った小娘の家は貴族の住む、貴族専用地区の中にあるはずだよ。スイーツブルグ家と言えば、魔道の名門にして、侯爵家だからね」


「凄いんですね、ミルフィーユさんの家って」


「まぁ、私には遠く及ばないけどね」


「伝説の魔女のナナさんと一緒にしたらダメでしょう」





 そうこうしている内に、貴族専用地区の入口に到着。街の中心地区に有り、周りは高い塀で囲まれている。


 ナナさんが手続きを済ませてくれて僕達は中に入る。周りは立派なお屋敷ばかり。さすがは貴族専用地区。


 そして、到着したスイーツブルグ家のお屋敷。名門の名にふさわしい、風格有るお屋敷だね。僕は門番の人にミルフィーユさんからの招待状を見せる。すると、しばらく待つように言われた。貴族のお屋敷に入るなんて初めてだよ。失礼の無いようにしなくちゃ。





「ハルカが来ましたの!?」


 ハルカ・アマノガワと名乗る銀髪のメイドが訪ねて来たと連絡を受けた私は、直ちに客間に通す様に指示を出すと、自室を飛び出しましたわ。はしたないですが、私は一刻も早くハルカに会いたかったのですもの。


「ミルフィーユお嬢様は随分と、そのメイドのお嬢さんにご執心ですな。百合にでも目覚められましたかな? これは面白い事になりそうですな」


 エスプレッソが何か言っていましたが、どうでも良いですわ。


 客間には、確かにハルカがいて、紅茶を飲んでいましたわ。ただ、ハルカは1人ではありませんでしたわ。見知らぬ黒髪の女と一緒でしたの……。





「こんにちは、ミルフィーユさん。お休みを貰えたので、遊びに来ました。あ、これつまらない物ですけど。僕の手作りクッキーです」


「ようこそ、スイーツブルグ家へ、歓迎致しますわ。お心遣い、有り難く頂きますわね。よろしければ、私の部屋へ来ません? おもてなし致しますわ」


 そう言って、ハルカと自室に行こうとしたら、黒髪の女が口を挟んできましたわ。


「ちょっと待った。その子は私のメイドなんだ。勝手に連れ出されたら困るね」


 えっ? 私のメイド? もしやこの女がハルカの保護者兼、雇用主兼、師匠のナナさんという方?


「失礼ですが、貴女は?」


「私はハルカの保護者兼、雇用主兼、師匠のナナという者さ」


 やはり。しかし何故、ハルカと一緒に来たのかしら。小さな子供を使いに出すわけでもないのに。


「ナナさん、ミルフィーユさんに対して失礼ですよ」


「私はあんたを傷物にされたくないだけさ。嫁入り前の身体なんだから」


「僕、嫁入りする気なんて無いです!」


 言い争う2人。しかし、このナナさんという方、失礼ですわね! 誰がハルカを傷物にするというのですか! 私も何か言おうとしたその時。


「いやはや、随分と盛り上がっておられますな。しかし、少々落ち着かれてはいかがですか?」


 執事のエスプレッソが、場を納めてくれましたわ。執事としては、本当に優秀ですわね。


 ですが、その後大変な事を言いましたわ。


「初めまして、美しいメイドのお嬢さん。私、ミルフィーユお嬢様に仕える執事のエスプレッソと申します。以後、お見知り置きを。そしてお久し振りですな『名無しの魔女』殿」


 えっ?『名無しの魔女』!?


 エスプレッソの口から出た、その名に驚く私でしたわ……。





やっと、それなりに話が動いてきた気がします。さて、この先どうなるかは、自分にも分かりません。何せ行き当たりばったりの駄作ですからね。よろしければ感想を頂けると幸いです。こんなキャラクターや魔法が有ったら面白いかもという意見もお待ちしています。自分はバカなので、アイデアが出なくていつも悩んでいるので。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ